英語の授業でミセスパニック
◆ 英語の授業・5時間目。
冬の午後、眠気と戦う男子4人。
オスチン先生(声小さめ)「……はい、“Mrs.”とは、“結婚した女性”につける敬称でして……」
ユウ「(ぼそ)え、これ人の名前じゃなかったの?」
ダイキ「俺も思ってた!“ミセス・スミス”って人の名前かと思ってた!!」
タクミ「おまえら、それ映画のタイトルな」
カズ「てかユウ、“ミセス”ってバンドあるじゃん。あれ人じゃねーし」
ユウ「え、じゃあ“ミセス・ミナミ”って言ったら……?」
教室が一瞬静まり返る。
ダイキ「おまえ、爆弾落としたぞ……!」
タクミ「お前の“英語力”が地雷原。」
カズ(ツッコミの神)「ユウ、それ先輩が聞いたら“公開土下座バトル”だぞ!」
ユウ「やべぇ……俺、また地雷踏んだ……!」
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◆ 数分後、授業中に男子だけでコソコソ談義開始。
ダイキ「じゃあ“ミセス”が既婚で、“ミス”が未婚だろ?
てことは、俺は“ミスター・ダイキ”で合ってるわけだ」
タクミ「おまえの場合、“ミスター・カオス”な」
カズ「いや、“ミスター・給食おかわり”だろ」
ユウ「てかさ、“ミスター”ってモテる響きなくね?
なんか、ネクタイのシワに人生出てる感じ」
ダイキ「じゃあ俺、“プリンス・ダイキ”名乗るわ」
カズ「いきなりロイヤルやめろ!!」
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◆ そのとき、オスチン先生が問題を出す。
オスチン「えーでは、“This is Mrs. Brown.”を訳してください。」
ダイキ(元気よく)「これは、ミセス・ブラウンさんです!!」
ユウ「いや、“さん”二重じゃね!?」
カズ「ブラウンさんさん!?」
タクミ「敬意のオーバードーズだな」
オスチン(訂正しようとして言葉が詰まる)
「い、いや……“Mrs.”はその……けっ……結婚した女性で……」
ユウ「じゃあ“ミセス・ミナミ”は……結婚した……ギャル!?」
カズ「やめとけえええええ!!」
教室「アッハハハハハ!!!」
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◆ 授業終了のチャイム。
タクミ「今日のまとめ、“ミセス”は人じゃない。“ミス”も人じゃない。」
ダイキ「つまり俺らがミスってた!」
ユウ「うまくねぇよ!!」
カズ「むしろ今日の授業で学んだの、“英語より羞恥心”だな」
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◆ 放課後・廊下
ユウ「……でも“ミセス・ミナミ”って響き、なんか強ぇよな」
ダイキ「それ、“英語”じゃなくて“感情”の授業だな」




