ゲレンデピアスとストーブバンド
◆ 放課後・旧音楽室(=杏仁豆腐部室)
ユウ「……寒ぃ」
カズ「ストーブの代わりにお前の情熱で暖めてくれよ」
ユウ「お前、それでテスト落ちたんだろ」
タクミ「そもそも部室にストーブねぇのなんで?」
ダイキ「青春は気合で発熱すんだよ!!」
ユウ「発熱て、病気じゃねぇか!!」
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◆ ゴトッ
机の下から、キラッと何かが光った。
ユウ「……ピアス?」
カズ「ギャルのやつじゃね?」
タクミ「この形、ミナミ先輩のだな」
ダイキ「出た〜!学園の金髪ミルクティ神〜!!」
ユウ「拝むな!!」
(手のひらで転がすピアス。
スノボ合宿の帰り道、風の中で光ってたあれだ。)
ユウ「……返さなきゃ」
タクミ「……青春ポイント加算」
カズ「イケメンムーブ発動確認」
ダイキ「ギャル神にピアス返すとか、下界代表すぎ!」
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◆ 翌日・昇降口前
ミナミ「ん?ユウじゃん。どしたの?」
ユウ「あの、これ、先輩のピアス……多分」
ミナミ「あ〜〜!やだ〜!これ探してた〜!」
ユウ「……よかったっす」
ミナミ「でも、よく覚えてたね?私、そんな印象あった?」
ユウ「……雪の中で、光ってたんで。
……先輩の横顔も、一緒に。」
ミナミ「……ふふ。うまいこと言うじゃん。
バカのくせに」
ユウ「バカのくせに、は余計っす」
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◆ その瞬間、物陰
ダイキ「うおぉぉぉぉぉ青春だぁぁぁぁ!!」
カズ「声デカい!!バカ露出してる!!」
タクミ「やば、バレるバレるバレる!!!」
(全員、植え込みの中にダイブ)
ミナミ「……ねぇ、今、茂み動かなかった?」
ユウ「え?風とかじゃ……」
(※後方で“プシュー”という音。ダイキのコーラ噴出)
ミナミ「……風にしては炭酸臭いね」
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◆ 放課後・部室
ダイキ「ユウ〜!お前今、恋愛偏差値6くらい上がってたぞ!」
ユウ「誰が数値化しろっつった!」
カズ「ピアス返すだけで上がるなら、俺も落とすかな」
タクミ「お前はまずピアス空けるとこからな」
ダイキ「なぁ!次の曲、『ピアスと青春と炭酸風』でよくね!?」
ユウ「絶対やだ!!」
カズ「歌詞:“君のピアスが光る頃、俺は茂みに潜んでいた”」
ユウ「それホラーだわ!!」
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◆ 夜・校舎裏
安藤先生(昆布かじりながら)「拾ったピアスってね、恋より重いのよ」
ユウ「……先生、それ物理的に?」
安藤先生「バカ、比喩よ。
青春ってのは、拾った瞬間より、
“返すまでのドキドキ”が本体なの。
……だから、ピアスはただのきっかけ。
本当に落としてたのは、理性と羞恥心」
ダイキ「つまり俺ら全員落としてたぁぁぁぁ!!」
カズ「お前は拾わなくていい」
タクミ「永遠に落としてろ」
ユウ「……先生、もうちょい救いください」
安藤先生「バカなやつほど眩しいのよ。青春ってね」
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◆ エピローグ
夜の校庭。
雪の上に落ちたピアスが、街灯の光でチラッと光る。
ミナミ(心の声)
「ほんと、あいつら……バカすぎてかわいい」




