湯けむり地獄絵巻 〜黒レースの向こう側〜
雪国の夜。
スノボ帰りの杏仁豆腐+ギャル三柱+安藤先生+ナムサンでやってきた温泉旅館。
全員、心も体も溶かす勢いでテンション高め。
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◆ 男湯脱衣所
ダイキ「ユウ、タオル巻く向き逆!腰フェチバレてんぞ!」
ユウ「うっせー!冬はへそピ出てないからセーフ理論だっつの!」
タクミ「どんな理論だよ……」
カズ「さすがフェチの探求者」
湯気立ちこめる脱衣所に、バカ笑いが響く。
そんな中、ユウがふと、隣の暖簾の向こうを見た。
ユウ「……ん?あっち、電気ついてね?」
覗くと、棚の上に黒レースのパンティが。
ユウ「(こ、これは……ミナミ先輩……?いやいやいや、違う違う違う!!)」
頭の中で“理想の腰ライン”が再生され、思考がショート。
焦って、思わず暖簾をくぐる。
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◆ 女湯(※完全誤侵入)
レイナ先輩「キャアアアアア!!」
アイカ先輩「ちょ、ユウ!?は!?なんで!?」
ミナミ先輩「……ユウ。説明して。」
湯けむりの向こう、三柱がこっちを見ている。
ユウ、湯気に包まれながらもごもご弁解。
ユウ「ち、違うんです!脱衣所に、あの、黒い……その……!」
レイナ先輩「“黒い”て何!?もっと言葉選んで!?」
アイカ先輩「情報がエロ単語すぎる」
ミナミ先輩「……あんた、何見たの。」
ユウ「ち、違う!ミナミ先輩のでも、アイカ先輩のでも、レイナ先輩のでもないです!!たぶん!!!」
三柱「“たぶん”!?」
全員がツッコミを入れると同時に——
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◆ バンッ!!
ナムサン「キャッ♡アタシのパンツここにあった〜〜〜〜!!」
湯気を切り裂いて登場する筋肉のオネエ。
腕にはバスタオル、手にはあの黒レース。
ユウ「……ナムサンの!?」
ナムサン「そうよぉ♡洗濯機の上に置いといたら風で飛んじゃったの♡」
レイナ先輩「……ナムサン、それ勝負パンツ……ですよね?」
ナムサン「もちろん♡アメ車の振動でもズレないフィット感〜♡」
アイカ先輩「情報が濃い……」
ミナミ先輩「……ユウ、これが青春の修羅場よ。肝に銘じな。」
ユウ「もう銘じたくないです……!!」
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◆ 翌朝
脱衣所前で正座するユウ。
安藤先生が昆布をかじりながら見下ろす。
安藤先生「青春ってのはね……湯気よりも恥の方が温かいのよ。」
ナムサン「アタシ、それ名言帳にメモしとく♡」
湯気の残る廊下に、黒レースがひらひら干されていた。
ナムサン(隣の部屋から)「ユウちゃ〜ん♡干しといてくれてありがとぉ〜♡」
ユウ「干してねぇっ!!!」




