白銀の暴走アート 〜アメ車で安藤先生に褒めてもらうぜ~
放課後、校庭一面の雪。
杏仁豆腐+ギャル三柱による「安藤先生リベンジ雪像企画」が始まった。
ユウ「先生、あの時の“公然猥褻”事件、マジでトラウマなんだよな……」
ダイキ「だからってリベンジが雪像って発想どうなんだ」
カズ「“感動で泣かせる”とか言いながら、ユウが雪で車作る時点で嫌な予感しかしない」
タクミ「まあ、今回は真面目にいこうぜ。安藤先生、褒めてくれるときマジで嬉しそうだし」
そこに――ミナミ先輩+ギャル二柱登場。
レイナ「おーい、青春バカーズ!今日も元気〜?」
アイカ「“安藤先生感動作戦”とか言ってたけど、オチしか見えないの私だけ?」
ミナミ「ま、せいぜい頑張んなさい。先生泣かせたら、ちょっとだけ褒めてあげる」
ユウ(……やばい、今ので全身ボルテージ上昇)
——目標:安藤先生を泣かせること。そしてミナミ先輩にドヤ顔を見せること。
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◆カズ&タクミ班:アメ車本体担当
カズ「設計図はこんな感じ。旧型マスタングっぽくしたい」
タクミ「任せろ、雪の上でも筋肉車は作れる」
レイナ「え、筋肉車?ナムサン先生呼んでこよっか?」
一同「やめろぉぉ!!!」
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◆ダイキ班:フロントデザイン
ダイキ「俺、エンブレムにこだわるわ!」
雪で「ANDO LOVE」と盛大に彫る。
アイカ「やだ、ダイキくん……熱量が重い」
カズ「もはやプロポーズじゃん」
ダイキ「青春は告白と同義!」
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◆ユウ班:排気の煙担当
ユウ「任せろ。俺、煙で臨場感出す!」
雪を丸め、巻き上げ、積み上げ……
ミナミ「……ねえ、ユウ」
ユウ「ん?」
ミナミ「それ、どう見ても“うんこ”よ」
レイナ「完全にうんこだね!」
アイカ「いや、“煙”っていうより、“汚物の主張”だよ」
タクミ「排気口からうんこ出してるアメ車は新しいな」
ユウ「ち、違うんだ!俺の中ではドラマチックな煙だったんだ!!」
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◆ 完成!安藤先生リベンジ雪像
見よ、雪原にそびえ立つ――
愛と情熱のアメ車(仏顔)+排気うんこ(大量)+“ANDO LOVE”のエンブレム。
安藤先生「……あんたたち、これは」
(沈黙)
安藤先生「――公然猥褻物の再犯じゃない!!」
ヒールの音が雪に響く。
次の瞬間、回し蹴りが炸裂。
ドォン!!
雪像、粉砕。排気うんこ、四散。
男子全員「キュッ……!!!」(※下腹部を押さえる)
ミナミ「ふふ、懲りないわね、あんたら」
レイナ「青春は、バカと冷気でできてる!」
アイカ「ま、反省はしてないんだろうけどね」
ユウ「……してないです」
タクミ「お前が一番してない!」
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そのあと。
安藤先生はコンビニの袋をぶら下げて戻ってきた。
安藤先生「はい、あんたたち。お疲れ。これ、ホットココア」
ユウ「先生……」
安藤先生「バカなことして笑えるうちは、いい青春よ。……でも次は、人に見せられるやつ作んなさい」
ユウ「……はいっ!」
空に雪が舞う。
笑い声と白い息が、夜の校庭を包んだ。
ミナミ先輩が横に来て、ぽつりと。
ミナミ「へぇ……あの汚物カー、結構頑張ったじゃん」
ユウ「煙ですっ!」
ミナミ「はいはい、“煙”ね」
(ピアスが、夜空にキラリ。)
——青春とは、白銀の中で爆散するアートである。




