表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
34/190

鍋パ打ち上げ 〜ギャル三柱、降臨す〜

冬フェス打ち上げ、放課後の部室。

ちゃぶ台を囲み、謎の鍋がグツグツ煮えている。


カズ「これが、青春の味だ」

ダイキ「味っていうか、焦げてんぞ」

タクミ「白菜のとなりにマシュマロ入ってんだけど」

ユウ「甘みと酸味の化学反応!ロマンでしょ!」

全員「バカでしょ!」


そんなカオスな夜に——女神たちが降臨する。



◆ギャル三柱、降臨。


ガラッ。


ミナミ先輩「おつかれ。鍋、まだ生きてる?」

アイカ「うわ、匂いで胃もたれする〜」

レイナ「てか、湿気で前髪死んだんだけど」


瞬間、男子全員固まる。


ユウ「三柱みはしら……降臨した……」

カズ「ありがたや……」

ダイキ「神々の顕現……!」

タクミ「お前ら黙れ、宗教じゃねぇからな」


だがもう遅い。

杏仁豆腐、完全に信仰モード突入。


ユウ「みんな……整列!」

カズ「礼!」

ダイキ「拝めええええ!」


全員、床に手をつく。

「ナムミナミ〜……ナムミナミ〜……」


そのとき。


ユウ「ナマステ〜~」


……静寂。


カズ「……おい、それインド。」

ダイキ「世界観、急にワールドクラス!」

タクミ「宗派ごっちゃだろお前w」

レイナ「ナマステってwwwお腹痛いww」

アイカ「え、拝みながらボケんのやめてw」

ミナミ(クスッと笑って)「……ほんと、バカ。いいね、そのバカさ。」


ユウ(心の声)「あっぶね、恋に落ちるとこだった……!」



◆鍋地獄ふたたび


ダイキ「やばい!チーズ焦げた!」

カズ「チョコ入れたやつ誰だよ!」

タクミ「味覚のテロ!」

アイカ「ちょ、煙上がってるw」

レイナ「これ食べたら霊界いけそう♡」

ユウ「青春の昇天だな……」

カズ「うるせぇポエム男子!」


ミナミ先輩はスプーンを手にとり、ひとくち。


ミナミ「……うわ、ひど。けど、頑張った味してるね」

ユウ(小声)「ミナミ先輩……天使……」

ダイキ「お前また信仰モード入った!」



◆二次会カラオケ突入!


「打ち上げ第二部、出発!」

カズが叫び、アイカたちもノリノリでカラオケへ。


タクミはバラードで女子の涙を誘い、

カズは英語曲でイケ度MAX。

ダイキはアニソンでモリモリ盛り上げる。


そして、ユウ。

「よし、いくか!」


選曲は——『粉雪』。


イントロが流れる。

♪こ〜なぁ〜ゆき〜〜〜〜〜〜〜


全員「音痴すぎぃぃぃ!!!」

アイカ「え、音ズレの才能あるw」

レイナ「逆に上手いまであるw」

ミナミ「……下手すぎて、心あったまるね」


ユウ「え、褒められた?」

ミナミ「うん。まっすぐ、だったよ」


ユウ(内心)「今日もう、死んでもいい……」



打ち上げの帰り道。

雪が舞う。

ミナミ先輩が、白い息を吐きながら言った。


ミナミ「青春って、バカな夜の中にあるんだよ」

ユウ「……ナマステ」

ミナミ「それ、まだ引きずってんの?」

(微笑む)

ユウ「……癖になりまして」


雪の下、笑い声が響いた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ