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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
338/352

推し神戦争 ― 恋と信仰の境界線―


──放課後、音楽室。

練習を終えた杏仁豆腐、机にもたれて雑談中。


ダイキ「なぁ……三柱の中で、誰推し?」

カズ「やめろ、青春が崩壊する質問だ。」

タクミ「命と信仰の選択。」

ユウ「……」


ダイキ「俺はレイナ先輩!明るい、ノリ最高、天照!」

カズ「わかる。笑うときの息継ぎ、尊い。」

タクミ「健康神枠。」

ユウ「……違う。」


ユウ、机をどんと叩いて立ち上がる。

「俺は——ミナミ先輩だ。」

全員「知ってたぁぁぁぁ!!!」



ユウ「お前ら、“かわいい”とか“性格いい”とか、そういう次元で語るな!」

カズ「出た、熱狂信徒。」

タクミ「布教早いな。」

ユウ「ミナミ先輩は“現象”なんだよ!」

ダイキ「気象観測みたいに言うな。」

ユウ「歩くだけで空気が変わる!見るだけで脳が整理される!

立ち姿の重心と腰のライン、あれ、もう建築だろ!!」


全員「構造オタク出たーーー!!」

ユウ「美学だよ!美だよ!あのカーブ、黄金比超えてんだよ!」

カズ「重心語り出したら恋じゃなくて設計だぞ。」

ダイキ「恋の一級建築士。」



ガラリ。

廊下の扉が開き、香りが流れ込む。

ジャスミン、金木犀、少しだけ粉雪の匂い。


三柱、降臨。


レイナ「なに話してんの〜?信仰告白タイム?」

アイカ「信者の声、四階まで聞こえてた。」

ミナミ「……構造美?」


ユウ「っ!?!?(聞かれてた!!)」

ユウ「ぎゃああああああ!!!」

カズ「!?!?!」

タクミ「バカ、音割れてる!!」

ダイキ「羞恥で爆散!!」


ミナミ(静かに)「……観測範囲、広がった。」

レイナ「ちょ、ユウ〜顔真っ赤すぎ!かわいー!」

アイカ「熱反応、確認。」

カズ「青春、沸騰。」

タクミ「物理的羞恥エネルギー観測。」



レイナ(にやり)「じゃあさ、ミナミ。“私の魅力、構造だけ?かわいくないの?”って言ってみてよ〜!」

ミナミ「……(無言で首をかしげ、手を頬に添える)」


静寂。

光が反射し、空気が凍る。


ユウ「かっ……(無呼吸)」

カズ「心肺停止。」

タクミ「フェチの臨界点。」

ダイキ「尊の即死コンボ。」


ミナミ(表情変えず)「……こういうの、要るの?」

レイナ「いるに決まってる〜!かわいかったし!」

アイカ「神、悪ノリフェーズ突入。」

ミナミ「……悪くない反応。」



ユウ、床に崩れながら。

「……同担拒否、公式に崩壊した。」

タクミ「神に負けた信者の図。」

カズ「愛が構造に負ける日。」

ダイキ「でも笑ってる顔、ちょっと人間っぽかったな。」


──放課後の音楽室に、笑いがこだまする。

信仰もフェチも、美も羞恥も。

全部まとめて、青春の設計図。


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