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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
337/352

体育の悲劇3 ― レシーブと尊厳の境界線 ―


──体育館。

冬の光が窓から差し込み、床のワックスがまぶしい。

杏仁豆腐+マナティの2年生チームは、バレーボールの授業中だった。


ユウ「おい見たか? 昨日テレビでプロのレシーブ講座やってたんだよ。」

カズ「またテレビ仕込みの自信だ……」

ダイキ「お前の“見た”は死亡フラグ。」

タクミ「いいからやってみろ。どうせネタにはなる。」


ユウ「聞けよ。コツは“輪”だ。体の前で腕をこう、輪っかにして、そこを通す感じ!」


真顔で説明しながら、腕で完璧な輪を作る。

ユウ「いくぞー!これがプロのフォームだっ!」


——ボール、発射。

空を描き、まっすぐ軌道を伸ばす。


すぽっ。


輪をキレイにくぐり抜け——床でバウンド——そして。


ドスン!!


股間、直撃。


ユウ「きゃんっ!!」

タクミ「ッ!?!」

カズ「輪の精度だけ100点!!」

ダイキ「青春の尊厳、リバウンドで散ったぁぁぁ!!」


ユウ(崩れ落ちながら)「……っ、反射角、完璧……」

タクミ「悟るな!」

カズ「これが“痛覚の物理”か……」


女子たち、笑い転げる。

体育館が一瞬でお祭り騒ぎに。



観覧席。

マナティが、スマホを構えてニヤリ。


マナティ「ふふっ……動画、バズる予感♡」


その隣に、三柱がいつの間にか現れていた。

放課後の自主練を見に来たら、事件を目撃したらしい。


レイナ「ははっ!見た!?今の軌道!!」

アイカ「観測結果:天才的バカ。」

ミナミ「……青春と痛みって、だいたいセットね。」


マナティ「“当たる恋”って言葉、こういうのから始まるのかな♡」

レイナ「違う意味で胸キュンだわ!」

アイカ「※心臓ではなく股間部。」

ミナミ「……静かにしなさい。笑いすぎで呼吸止まる。」



床に倒れたユウ、まだ震えながら。

「……っ、先生、俺……今の、物理的に尊いです……」

カズ「どの口で言うんだよ!」

ダイキ「いや、どの“部位”で言ってんだよ!」


体育教師(呆然)「……とりあえず保健室行ってこい。」



観覧席。

ミナミが小さくため息をつき、

ポケットから包み紙を一つ投げた。


「……はい。冷やしなさい。」


ユウ「……チョコモナカアイスっすか?」

ミナミ「神の救済は、冷却からよ。」

レイナ「優しっ!」

アイカ「慈悲の温度、2℃。」

マナティ「青春、溶ける前に食べなきゃね♡」


──体育館の床に笑いが残った。

痛みとバカと青春が混ざった、2月の昼下がり。


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