恋のレッスンVI「恋愛は確率じゃなく、習性で落とす
(― バレンタイン前哨戦 ―)
昼休みの教室。
マナティは黒板の前に立ち、ポッキー片手に講義モード。
チョコとリボンの山を前に、女子たちが群がっている。
マナティ「はい、今日のテーマ。“好き”を伝えるのに、言葉はいらない♡」
女子A「じゃあ何で伝えるの?」
マナティ「——“習性”。人間の無意識を、可愛く利用するの。」
マナティ、黒板に3つの単語を書く。
《視線》《間》《温度》
マナティ「この3つ、全部“恋のスイッチ”。
でもね、男子は言葉よりも、目と間と温度に反応する生き物なの。」
女子たち「……へぇぇぇぇ!!」
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◆ 実験台:杏仁豆腐。
マナティ「じゃ、今日も実験しよ♡ モデルは……ユウくん。」
ユウ「また俺!?なに?人体実験なの!?」
ダイキ「違う。恋愛被験者。」
カズ「どっちも危険だな。」
タクミ「観測失敗の予感しかしない。」
マナティはユウの前に立ち、
まず“視線”の実験。
マナティ「人間ってね、3秒以上見つめられると“自分を好きかも”って錯覚するんだって。」
ユウ「錯覚!?怖っ!」
マナティ「はい、3秒いきまーす♡」
──静寂。
ユウ、顔真っ赤。
ユウ「な、なんか、熱く……」
マナティ「それが“温度”。錯覚、成立♡」
カズ「これ、もはや実験ってより催眠。」
ダイキ「バレンタイン、脳科学。」
タクミ「てかユウ、たぶんもう溶けてる。」
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◆ 応用編:「間」の支配。
マナティ「次、“間”。
返事をワンテンポ遅らせるだけで、男は“ドキッ”とする。
——“自分の言葉を待たれた”って思うから♡」
女子B「そんなことで?」
マナティ「“そんなこと”が恋の主成分♡」
ユウに近づいて、笑う。
マナティ「ねぇ、ユウくん。……好き?」
間。
空白。
ユウ、思考停止。
ユウ「……えっ(0.5秒)……いや(1.5秒)……なにこれ!!」
マナティ「はい、今の間、恋っぽかった♡」
ダイキ「天才だ……人の脳に恋を植えた!」
タクミ「倫理的にアウトなレベルで上手い。」
カズ「もはや戦略兵器。」
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◆ 終盤:四柱、見学モードで乱入。
レイナ「マナティ、また授業してるの?笑」
アイカ「観測結果:男子、全滅。」
ミナミ「……恋を論理でやると、面白くなくなる。」
マナティ「あら、センパイたちの恋は“本能派”?」
ミナミ「違う。“無自覚派”。」
──その一言で、ユウの心臓が跳ねた。
ユウ(心の声)「(なんだろ……言葉にできない感じ……)」
マナティ、そんな様子を見てニヤッと笑う。
マナティ「ね?“理性”の下には、ちゃんと“本能”があるの。
バレンタインって、それを確かめる日なんだよ♡」




