雪像アート大会 ― 芸術は爆笑だ ―
放課後の校庭。
白い息と笑い声が混ざる中、杏仁豆腐がスコップを構えていた。
ユウ「――よし、今年もやるか! ドラクエ雪像アート対決!」
ダイキ「出た、“青春の造形シリーズ”!」
カズ「テーマは“芸術と筋肉と浪漫”だな。」
タクミ「どこに浪漫があるんだよ。」
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◆ 制作開始。
カズは静かに雪を削る。
出来上がったのは――完璧なボスモンスター。
タクミ「お前、呼吸が彫刻家だな。」
ユウ「その集中力、テストでも出せよ。」
ダイキ「こいつ、芸術の血が流れてる。」
カズ「雪は一瞬。青春も一瞬。」
タクミ「名言出すな。」
タクミは均整の取れたゴーレムを完成。
「筋肉は裏切らない。雪でもな。」
ユウ「お前、バンドより体育祭で輝くタイプだよな。」
ダイキ「“バランス担当”って肩書き、今日も安定してるな。」
ダイキはというと、
「ドラキー完成ー!!」
……翼がどっかいった。
カズ「おい、飛行能力が死んでるぞ。」
タクミ「もはや地上型モンスター。」
ダイキ「俺の青春、地を這うタイプだから!」
⸻
◆ そしてユウ。
ユウ「……俺は、これしかないだろ。」
スコップで雪を積み、丸を二つ。
どんどん重ねて、仕上げにちょこんと王冠を乗せた。
ユウ「キングスライム、2体並びィ!!!」
全員「2体!?!?」
ユウ(ドヤ顔)「見ろよ、この迫力!攻撃力、最高だろ!!」
タクミ「バトル形式で雪像作るな。」
ダイキ「お前、スライムで攻撃力とか言うなよ。」
カズ「しかもこれ、なんか……比率変じゃね?」
全員、静止。
雪像を見つめる。
タクミ「……王冠、ちっちゃくね?」
カズ「てか下、でかすぎない?」
ダイキ「重力負けしてるぞ!!」
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風が吹く。
雪像2体、白く丸く、完璧なシルエット――のはずが。
レイナ「ねぇ、あれ……おっぱい2段構成じゃん!!」
アイカ「観測結果:二重構造、アウト。」
ミナミ「……造形に罪悪感を感じる。」
マナティ「でも、フェチ的には合格♡」
ユウ「ちがうって!!これは友情の二体構成!!」
タクミ「どこの友情がその形になるんだよ!!」
カズ「芸術は誤解の上に成立する……って言っとけばいいか。」
ダイキ「つまり、フェチは友情だった?」
ユウ「違う!!!」
⸻
夕焼けの中。
2体の“キングスライム(仮)”が雪の上に並ぶ。
その王冠はどちらも、どう見ても――ちっちゃい。
レイナ「……あれ、たぶん崩れたら伝説になるやつだね。」
アイカ「青春の造形、物理法則より強い。」
ミナミ「……まぁ、悪くない。笑えるから。」
マナティ「むしろ、笑顔を生む芸術♡」
そこへダイキ、スマホを構える。
「ハッシュタグ“美乳スライム”っと……よし、拡散完了!」
ユウ「やめろォォォ!!!」
タクミ「終わった。世界が誤解した。」
カズ「でも、伸びてる。再生数爆伸び。」
雪と笑いが舞う。
その日、ギャラクティカに新たな伝説が刻まれた。
——青春、それは“誤爆の美学”。




