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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
330/344

お年玉 ― ロト6、青春一万円当たり ―


昼休み、教室。

まだ正月気分が抜けきらない昼の光の中、杏仁豆腐が机を囲んでいた。


ユウ「……兄貴からお年玉、来た。」

カズ「またか。去年は“信用残高ゼロ”だろ。」

タクミ「開けたら何? 今年も名言?」

ユウ「ロト6。」

ダイキ「賭けの形が変わっただけ!!」


ユウ「いや、しかも……数字、4つ当たってんの。」

全員「はぁぁぁ!?!?!?」


カズ「それ、いくら!?」

ユウ「……一万円。」

ダイキ「ちょうどいいッ!!」

タクミ「奇跡でもない、微妙にリアルな額ッ!!」


笑いが起こる。

ユウは当選確認のスマホ画面を見ながら、真顔で言った。


「兄貴……当てにきてる気がする。」

カズ「狙って一万円当てるの逆に才能だぞ。」

ダイキ「兄貴、ギャンブル界の芸術家説。」

タクミ「いやこれ“投資のリターン”かもしれん。」


そこへ、通りかかった安藤先生が立ち止まる。

昆布を噛みながら、チラッとユウの手元を見て言った。


「……いいじゃない。一万円でも、“誰かの思惑”で動くお金って、あったかいわよ。」


ユウ「え、どっちの意味っすか?」

安藤先生「……青春の経済は、感情で為替が動くの。」

カズ「名言っぽいけど、為替に感情混ぜないで。」

ダイキ「青春通貨レート変動中〜!」



放課後。

昇降口の風が少し冷たくなってきた頃、ユウがポツリ。


「……兄貴、次は宝くじとか送ってきそうだな。」

タクミ「もう家族の投資信託じゃん。」

カズ「でも、こういうバカな運試し、嫌いじゃないわ。」

ダイキ「青春、たまに当たるくらいがちょうどいいんだよ!」


みんな笑った。

窓の外で、雪がひとひら舞った。

ユウの手元のロト用紙が、ほんの少しだけ光った気がした。


——当たったのは、一万円と、笑いの瞬間。

どっちもちゃんと、青春だった。


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