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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
33/187

白銀ロックフェス!〜へそピは冬眠しない〜

朝。

雪が積もった校庭に、仮設ステージ。

吐く息が白い。冷気が刺さる。

それでも俺たちは立っていた。

——杏仁豆腐、冬フェス初参戦。


ユウ「よっしゃ、今日も青春ぶちかますぞ!」

ダイキ「雪まみれの青春て、冷凍保存じゃね?」

カズ「でも、ミナミ先輩来るって言ってたぞ」

タクミ「お前、それ聞いた瞬間テンション上がりすぎじゃね?」


ユウ「いや、冬だし……へそピ出てないから、大丈夫」

タクミ「謎理論やめろ」

ダイキ「むしろ、そういう想像してる時点でアウトだわ」



◆ 開演前・部室にて


旧音楽室、通称“杏仁豆腐部”。

相変わらず寒くて、ドアの隙間から雪が入る。


ユウ「ストーブつけた?」

カズ「壊れてる!」

ダイキ「俺のベース、凍って弦が“パーン!”って鳴った!」

タクミ「俺たちの未来もパーン!だな」


バァン!

勢いよくドアが開く。


ナムサン「聞こえたわよォォ!!!」

ユウ「出たぁ!筋肉の使者!!」

ナムサン「寒い?動け!動かせば熱が出る!筋肉は裏切らないッ!!」

カズ「熱量だけで部屋の温度上がってる……」

安藤先生「ナムサン、あんたは黙ってなさい」



◆ 冬フェス・ステージ!


観客の中には、マフラーに包まれたミナミ先輩の姿。

雪の照り返しに、銀のピアスがきらっと光る。


ユウ(……やべ、見てる。へそピは……出てない。大丈夫、冬は安全圏)


ドラムを叩きながら、冷気の中で笑う。

手がかじかんでも、心は燃えてた。


カズ「コード変えられねぇ!」

ダイキ「雪でスラップできねぇ!」

タクミ「声出ねぇけど魂で歌う!!」

ユウ「叩けぇぇぇぇぇ!!」


吹雪と歓声が入り混じる。

杏仁豆腐の音が、白銀の空に響いていった。



◆ トラブル発生!!


ユウのスティックが滑って、ドラムからストーブ直撃。

「ボンッ!」

一瞬で火の手が上がる。


安藤先生「ユウぅぅ!何燃やしてんのよ!」

ナムサン「退けぇぇ!」


——バシュッ!

ヒールを鳴らし、ナムサン後ろ回し蹴り炸裂。

ストーブが宙を舞い、雪の中で爆散。


タクミ「物理で解決した!?」

カズ「ナムサン、マジで火消しの神」

ダイキ「俺、今キュってなった」

ユウ「俺も」



◆ ライブ後。


ミナミ先輩が近づいてきた。

頬を赤くして、笑いながら。


ミナミ「アンタら、ほんとバカね。でも……かっこよかったよ」

ユウ「……え、マジすか!?」

ミナミ「“冬でも熱いバカたち”って、SNSで話題になってたわよ」

ユウ「え、俺、バズった……?」

カズ「バズる方向が違う気がする」

タクミ「“ストーブ爆破系男子”ってタグ見た」

ユウ「やめろォォォ!」


ミナミ「……でも、アンタのドラム、前よりずっと良かったよ」

ユウ「そ、そんな……いやまぁ……へそピ出てないから落ち着いて叩けたのかも」

ミナミ「は?」

ユウ「すみませんでした!!!」



◆ エンディング


夕焼けに染まる雪の校庭。

みんなで片付けながら笑ってた。


ダイキ「結局、筋肉と爆発とフェチの祭りだったな」

カズ「杏仁豆腐、季節感ないよな」

タクミ「でも、青春ってそういうもんだろ」

ユウ「……ああ。バカやって、焦がして、凍えて。それでも楽しい」


安藤先生「もうやらないでね」

ナムサン「でも、青春は止まらないのよォォ!!!」

(そしてまたヒールが鳴る)


全員「うわ、また何か蹴ったぁぁ!!!」


——白銀の中に響く笑い声。

冬でも、杏仁豆腐は燃えていた。


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