クリスマス交換地獄 ― サンタ、想定外です ―
放課後の教室。
黒板にはチョークで雑に書かれた《X’mas Party》。
ユウ「男子だけのプレゼント交換、開催。」
ダイキ「予算500円、羞恥無制限!」
カズ「毎年やって後悔してるけど、やめない俺ら。」
タクミ「恒例行事ってそういうもんだよな。」
四人がニヤニヤしながら袋を抱えている。
男子だけだと、信じていた。
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◆ 翌日。
机の上に並ぶプレゼント袋。
ラッピングのセンスはゼロ。
ダイキ「俺の、鳴くやつ。」
ユウ「俺の、履くやつ。」
タクミ「俺の、香るやつ。」
カズ「俺の、無難なやつ。」
タクミ「“履くやつ”って何だよ。」
ユウ「まぁ、青春。」
カズ「だいたいお前の“青春”は恥と同義だ。」
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◆ 開始直前。
ガラッ!
ドアが開く。
金・灰・ベージュ・ピンクベージュの風が吹く。
ミナミ「……あんたたち、何やってんの?」
レイナ「呼ばれてないけど来た♡」
アイカ「観測対象:冬のバカ儀式。」
マナティ「パーティーって響き、可愛いもん♡」
杏仁豆腐、全員硬直。
ダイキ「……サンタ、逃げるなら今だ。」
ユウ(心の声)「やばい、中身が男子界の地獄。」
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◆ プレゼント交換、開幕。
カズ「もう止まれない、くじ引き方式いくぞ。」
ダイキ→ユウ。
ユウ「軽いな?……開けるぞ。」
(パカッ)
ペンギン「ギャアアアアア!!!」
教室、沈黙。
ミナミ「……鳴いたわね。」
レイナ「ホラー?」
アイカ「羞恥の鳴き声。」
マナティ「青春って鳴くんだね♡」
ユウ「鳴かない青春もあるだろ!!」
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マナティ→タクミ。
紅茶の詰め合わせ。
タクミ「香りが上品……あ、まとも。」
マナティ「癒しって大事でしょ♡」
レイナ→カズ。
メンズコスメセット。
レイナ「男子も保湿!」
カズ「……言い方の暴力!」
アイカ→ダイキ。
手作り“1日1バカ語録カレンダー”。
ダイキ「1月2日、“恥を糧にしろ”ってなんだよ!」
アイカ「実践書。」
ミナミ→ユウ。
黒い手帳と万年筆。
「……来年も、書けるくらいのバカをやりなさい。」
静かに空気が整う。
タクミ「……今だけ文学部。」
ダイキ「今だけ常識人の顔!」
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そして、ユウの番。
番号はレイナ。
レイナ「開けるね!」
ユウ「ま、待って!それは、マジで……」
(ビリッ)
──沈黙。
レイナ「……“粗品”?」
(赤いパンツ。正面にのし。でかでかと“粗品”)
ユウ「……感謝の気持ちを形にしただけっす……」
ダイキ「布で感謝を伝えるな!!」
マナティ「ふふ、“贈与の哲学”♡」
アイカ「……羞恥とユーモアのハイブリッドね。」
ミナミ「……あんた、ほんとに粗品だわ。」
ユウ「それ、心に刺さるぅ!!」
レイナ「ある意味最高のセンス。爆笑確定♡」
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机の上。
紅茶、手帳、カレンダー、コスメ、ペンギン、そして粗品パンツ。
ミナミ「……格差って、こういうことね。」
ユウ「俺たちのIQ、たぶん気温より低い。」
カズ「でも笑ったから勝ちだな。」
タクミ「青春=恥+笑+温度差、だな。」
レイナ「いいね、それスローガン♡」
マナティ「じゃあ……メリー・バカスマス♡」
ペンギン「ギャアアアア!!!」
全員「鳴いた!!」
──聖夜、バカと笑いが完璧に鳴きあった。




