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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
325/338

誕生日兼クリスマス ― まとめられた青春 ―


昼休み、教室。

黒板の端に「Merry Christmas!!」のチョーク文字。


ユウ「……あー、今年もクリスマスか。」

ダイキ「おい、テンション低っ!」

ユウ「俺、誕生日が25日なんだよ。」

カズ「あ、じゃあめっちゃ得じゃん!」

ユウ「逆だよ。“一緒でいいよね”って毎年まとめられるんだよ。」

タクミ「家族に?」

ユウ「うん。ケーキもプレゼントもワンセット。ローコスト仕様。」

ダイキ「お前の人生、サブスクみたいだな。」



◆ 放課後。


校門を出ようとしたユウを呼び止める声。


レイナ「ちょっとアンタ、今ヒマ?」

ユウ「……なに?」

アイカ「調査。クリスマス=恋愛市場の動向分析。」

ミナミ「……という名の、口実。」

マナティ「わたし、ちゃんとお祝いしたいもん♡」


──“お祝い”。

その単語が、ユウの心に引っかかった。


ユウ「……いや、いいっすよ。いつものことなんで。」

レイナ「なにそれ。“バカが自分を安売りするセリフ”第1位!」

アイカ「そうね。“まとめて祝われる”って、“誰にも見てもらってない”のと同じ。」

マナティ「じゃあ、私たちが分割して祝う♡」

ユウ「分割?」

ミナミ「バカには理解できないと思うけど、

 一人ずつ、“今日しかできない祝い方”をするの。」



◆ 翌日。


1限後。机の上に置かれていたのは、

レイナからの手作りチョコクッキー。

ラッピングのリボンが派手。

「バカには甘い方が似合うでしょ!」


昼休み。アイカからはブックマーカー。

「思考が止まったら、これで再開しなさい。」


放課後。マナティからはメッセージカード。

「“まとめられない男”になってね♡」


そして帰り道。

校門の外で、ミナミが待っていた。


ユウ「……先輩まで、何かくれるんすか?」

ミナミ「別に。お祝いってほどじゃないけど。」

彼女がマフラーを少し引っ張って、ユウの首に巻く。

「……まとめられるのが嫌なら、

 こうやって、ひとつずつほどいていけばいいのよ。」


ユウ「……先輩、言ってること難しいっす。」

ミナミ「バカにも届くように翻訳するとね。

 “ちゃんと生きてて偉い”ってこと。」


ユウ「……それ、最高のプレゼントっすね。」

ミナミ「でしょ。」


風が吹く。

街のイルミネーションが、ちょっと滲んで見えた。


——“まとめられた青春”も、

 誰かに分けてもらえば、ちゃんと光る。


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