モテたい回路 ― ぶつかり愛・非現実フラグ警報 ―
◆ 放課後:教室にて。
ユウ「……モテたい。」
タクミ「また始まった。」
カズ「このセリフ、年に三回は聞く。」
ダイキ「お前昨日、“恋より肉”って言ってたじゃねーか!」
ユウ「違う!俺は……恋も肉も食いたい!!!」
全員「欲望の総合商社か!!」
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◆ モテ会議・緊急開催
黒板にはでかでかと「モテ=?」の文字。
ユウ「モテってつまり、“偶然の出会い”だろ。」
タクミ「漫画脳やめろ。」
カズ「でも実際、出会いって偶然多いよな。」
ダイキ「街でぶつかるとか?」
ユウ「それ!!!」
——運命のシチュ、採用。
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◆ 翌日:街へ。
サングラスにマフラー、ユウ完全に“モテ研究スパイ”モード。
ユウ「この交差点が運命のスポットらしい。」
タクミ「どこの情報だよ。」
ユウ「まとめサイト。“理想の彼女との出会い方ランキング”第1位!」
カズ「信頼度、校内放送の噂レベル。」
ダイキ「おい、あの子可愛いぞ!」
ユウ「任せろ。偶然ぶつかるから見てろ。」
——ドンッ!!
ユウ、全力で走りすぎて電柱に激突。
ダイキ「電柱との出会い方ランキング第1位!!」
カズ「運命は物理で負けたな。」
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◆ 第2章:街カフェ編。
ユウ「……次は“飲み物こぼしてハンカチ渡す”作戦。」
タクミ「嫌な予感しかしねぇ。」
カップを手に歩くユウ。
──通りかかったのは、偶然ミナミ先輩。
ユウ「!!」
(心の声)「きた、理想のシチュ!!」
——バシャァ。
見事に自分のカフェラテを自分の服にぶちまける。
ミナミ「……見てるだけでこっちが冷えるわ。」
ユウ「す、すみません、青春が暴発しました。」
ミナミ「……まぁ、温度差で蒸発しないだけマシね。」
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◆ クライマックス:帰り道。
杏仁豆腐、集合。
ユウの服はシミだらけ。髪は爆発。
ダイキ「今日の収穫、ゼロ!」
タクミ「いやマイナスだろ。」
カズ「でも、全力でモテに向かってるその姿勢……嫌いじゃない。」
ユウ「俺は諦めねぇ。次は“落ちたハンカチ拾う編”で行く。」
タクミ「もう警察に止められる未来しか見えねぇ。」
ミナミがすれ違いざまに一言。
「……モテたいなら、まず落ち着きなさい。
走る男は、恋より転ぶのが早い。」
ユウ「……っ、名言出た。」
ダイキ「転んだ数だけ青春だな!」
カズ「それ、痛みの総称だよ。」
夕陽。
風に飛ぶナプキン。
ユウがそれをキャッチして、言った。
「でもさ、こういうバカな日が……一番モテる気がする。」




