制服実験 ― 理性と萌えの境界線
放課後、ギャル神社。
冬の光が差し込む窓際で、四柱が集まっていた。
レイナ「ねぇ、安藤先生にさ──制服着せたらどうなると思う?」
マナティ「なにその神への冒涜♡最高じゃん。」
アイカ「発想がバカすぎて観測不能。」
ミナミ「……似合うとは思うけど、やる意味ある?」
沈黙。
風が吹く。
レイナが笑った。
「意味なんてない。やりたいからやるの。」
マナティ「青春、それ♡」
ミナミ「バカの定義を体現しないで。」
そして、アイカがスマホを構えた。
「杏仁豆腐、召喚。」
⸻
◆ 職員室前。
ユウ「……つまり、“先生に制服着てください”って頼めってこと?」
カズ「死に急ぎすぎじゃね?」
ダイキ「でも正直、見てみたくはある。」
タクミ「お前ら理性どこ置いてきた。」
ユウ「……青春は理性を越えてからが本番だろ。」
カズ「名言っぽいバカ出た。」
ノック。
安藤先生、書類の束を手に現れる。
机にはマグカップ。
湯気と共に、梅昆布茶の香り。
安藤「なに?」
ユウ「せ、先生っ……その、制服着てみたりとか、しません?」
沈黙。
風。
昆布の香りが揺れる。
タクミ(小声)「死んだな。」
安藤、ゆっくりマグを置いて微笑んだ。
「……面白いわね。」
全員「えっ!?」
⸻
◆ 制服、降臨。
翌日。
教室のドアが開く音。
ブレザー、黒ストッキング、理性の笑み。
マナティ「……っ♡ 完璧。」
レイナ「これが美脚神話。」
アイカ「観測限界突破。」
ユウ(呆然)「……尊い。」
安藤「どう?理性、保てそう?」
ユウ「……無理っす。」
安藤「正直でよろしい。」
彼女は梅昆布茶をひとくち。
「……酸っぱくても、温かい。青春も、そんな味ね。」
⸻
◆ 翌朝、校内がざわつく。
廊下。
掲示板に貼られた印刷写真。
《謎の制服美女、現る。どこのクラス?》
《脚の角度、神域。#制服の暴力 #尊みが深い》
カズ「うわ……もう拡散されてる。」
ダイキ「“安藤先生説”“新任教師説”“幽霊説”で炎上中!」
タクミ「幽霊タグ、冷静にツッコむ人いないの?」
ユウ「無理、熱に理性は勝てねぇ。」
マナティ(スマホ覗きながら)「“#理性の崩壊”ってトレンド入りしてる♡」
レイナ「バカが世界を動かす瞬間。」
ミナミ「……静かな爆発、嫌いじゃない。」
⸻
◆ 昼休み。職員室前。
「先生に会わせてください!」
「制服の真相を教えてください!」
ファン生徒たちが詰めかけていた。
安藤先生、マグを手にドアを開ける。
梅昆布茶の湯気がふわり。
「……で、あなたたちは?」
男子A「先生ファン有志会です!」
男子B「“美脚保存会”から分裂しました!」
安藤「……進化速度、怖いわね。」
杏仁豆腐と三柱が駆けつける。
レイナ「またバズってんじゃん!」
アイカ「観測結果:理性より拡散が強い。」
ミナミ「……誰が悪いんだか、もう分からないわね。」
ユウ「す、すみません先生……!」
安藤「いいのよ。静かにしなさい、みんな。」
その声だけで、廊下の空気が止まった。
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◆ 終章:哲学落ち。
先生、プリントされた自分の写真を掲げる。
「これね。遊び半分のつもりだったけど──
みんなが騒ぐってことは、まだ“熱”が残ってる証拠ね。」
男子A「……熱?」
安藤「ええ。理性で抑えきれないものを、青春って言うの。」
梅昆布茶を一口。
「酸っぱくても、飲めるうちは若い証拠よ。」
静寂。
笑い。
湯気。
カズ「……結局、先生が一番青春してる。」
ユウ「理性の勝率、今日もゼロっすね。」
ダイキ「でも、香りは勝ってる!」
タクミ「それ出汁の話だろ。」
笑いが溶け、昼のチャイムが鳴る。
先生のカップから、まだ湯気が立っていた。




