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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
319/325

恋のレッスンV ― 冬服デート、距離2.5センチの法則 ―


放課後。

外は粉雪。教室の窓が白く曇っている。

マナティは制服の上からカーディガンを羽織り、

髪を下ろしたまま、机の上の雑誌をめくっていた。


女子A「ねぇマナちゃん、冬デートって服どうしたらいいの?

 かわいいコートって重いし、マフラーで顔見えないし……」

女子B「しかも寒いと動けない!」

マナ「ふふ、それがいいんだよ。

 寒いってことは、**“距離が言い訳になる季節”**なんだよ。」


女子A「距離が言い訳……?」

マナ「そう。手が冷たい、風が強い──そう言えば、近づける。

 冬の恋は、気温の差で始まるの。」


(女子たち、息をのむ。)



◆ 実践タイム


マナ「じゃ、実験しよっか。杏仁豆腐、こっち来て。」

ユウ「また始まった……!」

タクミ「逃げても雪で足取られるぞ。」

ダイキ「犠牲者、確定。」

カズ「合掌。」


女子A「じゃあ、私が彼女役でいい?」

マナ「うん。テーマは“帰り道のマフラー”。」


女子A「……マフラー貸して、って言うの?」

マナ「違う。借りないで、“シェア”するの♡」

全員「!?!?」


マナ「じゃ、やってみよ?」

(女子Aがユウのマフラーを半分肩にかける)


ユウ「え、これ……近くない?」

女子A「ちょ、近すぎる……」

マナ「今! それが“恋の温度差”♡」


カズ「理屈は分かるけど、見てるこっちが寒い!」

ダイキ「いや、熱い!」

タクミ「心拍、冬なのに上昇中。」



◆ 三柱、通過


レイナ「なにこの暖房いらずの空気!」

アイカ「観測結果:羞恥が上昇要因。」

ミナミ「……冬って、空気が澄んでる分、熱がよく見えるのよ。」

マナ「そうでしょ? 温度差が、恋の可視化装置だよ♡」


ミナミ「……でも、凍るのも早いわよ。」

マナ「ふふ、それも恋の仕様書。」



◆ エピローグ


夕方。雪が止み、外が薄オレンジに染まる。

杏仁豆腐はマフラーを巻き直しながらぐったり。


ユウ「……マナティ、冬に強すぎない?」

カズ「恋を理論化する才能、怖いな。」

ダイキ「物理より精密。」

タクミ「お前、次の授業“恋愛応用Ⅱ”だぞ。」


マナ「ね、寒い方が人は素直になるんだよ。

 だって、手も心も、温めたくなるから。」


風が教室を抜けた。

白い息と笑い声が混ざる。


——恋のレッスン、冬季実習完了。


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