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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
317/322

逆立ちバトル ― 重力と羞恥の境界線 ―


放課後。

廊下に響く、なにやら危険な掛け声。


ユウ「よし、誰が一番長く逆立ちできるか勝負だ!」

タクミ「いや、なんの競技!?」

カズ「発端どこ?」

ダイキ「青春は逆さまから見ろって言うだろ!」

ユウ「誰が言ったよそれ!」



◆ 第一ラウンド:転倒祭り


ユウ「せーのっ!」

(ドドドドド)


全員、ほぼ同時に転倒。

カズ「床が友情を受け止めた。」

ダイキ「オレの尊厳が先に倒れた!」

タクミ「血の味が青春の味になってる!」


ユウ「いや、まだいける!」

(再チャレンジ。ユウだけ成功。)

逆立ちのままドヤ顔。



◆ 運命の転がり


ユウ「どうだ見たか! 俺の体幹っ!」

ダイキ「お前、調子乗るな!」

ドンッ。

ダイキの手がユウの足に当たり、バランス崩壊。


ユウ「ぬわっ!?」

(くるり。転がる。スライディング。)


──その先、女子の足元。


レイナ「……ちょ、今の見た!?」

アイカ「……いや、見えてた。」

ミナミ「……。」


ユウ(心の声)「終わった。」


沈黙。

空気が一瞬、氷みたいに固まる。


レイナ「ちょ、ヤバっ、顔してんじゃん!」

アイカ「……重力を言い訳にできるの、今だけよ?」

ミナミ「……視線、上げなさい。」


ユウ、反射で正座。

タクミ「逆立ちより低くなってるぞ。」



◆ 廊下、夕暮れ。


壁にもたれる杏仁豆腐。

全員ボロボロ。


カズ「……逆立ちでここまで恥かく奴、初めて見た。」

ダイキ「重力、敵だったな。」

タクミ「いや、敗因は視線だろ。」

ユウ「……でも見えたのは、真理っていうか、いや、宇宙だよ、宇宙。」

カズ「黙れバカ!」


そこに三柱が通りかかる。


レイナ「まだ転がってんの?青春かよ。」

アイカ「……観測結果:羞恥は継続中。」

ミナミ「……まぁ、宇宙ってのは、上にも下にもあるものよ。」


ユウ「……はい。勉強になりました。」


風が廊下を抜けた。

天井の蛍光灯が、逆さのまま光っていた。


——青春、重力に逆らって転倒中。


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