プリントの折り目 ― 折るな、感じろ ―
昼休み。
配られたプリントを前に、杏仁豆腐が黙りこくっていた。
ユウ「なぁ……このプリント、どう折る?」
カズ「普通に二つ折り。」
ユウ「いや、普通ってなに。折り方で性格出るんだよ。」
ダイキ「めんどくせぇ考察入った!」
タクミ「お前の人生、全部性格診断かよ。」
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◆ 折り方、討論。
ユウ「二つ折りは理性的。三つ折りは小悪魔。ぐしゃ折りは情熱。」
カズ「はい出た、恋愛占いへの応用。」
ダイキ「俺はぐしゃ折り一択!」
タクミ「恋より紙が死ぬわ。」
マナ(登場)「ほんとはね、角をちょっとだけ折るの。
“気づいてほしい”って意味で♡」
ユウ「恋のシグナル小さすぎない!?」
カズ「気づけるの、もはや虫レベルの感覚。」
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◆ 折り方実験、始動。
ダイキ「ユウ、好きな人に渡す体で折ってみ?」
ユウ「……じゃあこう。」
(綺麗に二つ折り。角、ぴったり。)
タクミ「几帳面すぎて友情終わるタイプ。」
マナ「真面目な恋、3日で破綻しそう。」
ユウ「診断結果ひどくね?」
カズ「俺はこう。」
(ラフな三つ折り。微妙にずれてる。)
ダイキ「距離詰めてる!絶妙だな!」
タクミ「恋の中間管理職。」
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◆ そこへ三柱、通過。
レイナ「なに?また儀式?」
アイカ「……紙まで信仰対象にしたの?」
ミナミ「……で、何がわかったの?」
ユウ「折り方に、心が出るって。」
ミナミ「そう。」
彼女は一枚、まっすぐのまま机に置く。
折らない。
ダイキ「おお……!直線信仰!」
カズ「もう悟りだろ。」
マナ「折らないって強いよね。」
ユウ「……距離ゼロって感じがする。」
ミナミ「……考えすぎ。プリントは読めばいいの。」
タクミ「バカ消滅。」
チャイム。
風がプリントをめくっていった。
ユウ「……俺も、折らないでおくか。」
カズ「机の上、散らかる未来見えた。」
ダイキ「青春って、折り目つけずにぐちゃぐちゃだよな!」
マナ「はい名言っぽく失敗!」
——紙も心も、放課後にはしわになる。




