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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
314/329

背中文字あてゲーム ― すきと、すき焼きの境界線 ―


昼休み。

ストーブの熱がぼんやりと広がる教室。


ユウ「……なんか、あったかい遊びしたいな。」

ダイキ「お、じゃあ背中文字あてゲームやろうぜ!」

カズ「小学生かよ。」

タクミ「まぁでも、冬っぽいな。」

マナ「背中ってね、気持ち出るんだよ〜?」


誰も止めなかった。



◆ 第1ラウンド:マナ → タクミ


マナ「タクミくん、背中向けて〜」

タクミ「……やな予感しかしねぇ」


指でゆっくりなぞる。

“カ”…“ミ”…


タクミ「……カミキッタ?」

マナ「ちがう、“髪かわいい”♡」


ユウ「青春、バカの味がする。」

カズ「背中から糖分出てんな。」

ダイキ「お前ら照れてる〜!」



◆ 第2ラウンド:??? → ユウ


ガラッ。

ドアが開く。


ミナミ「……またバカなことしてるのね。」

ユウ「せ、先輩!? これは心理実験でして!」

ミナミ「ふふ。バカでも理由は用意するのね。」


マナ「先輩もどうですか?背中貸します?」

ミナミ「いいわ。見るだけで充分。」

少し笑って、

「……で、次は誰の番?」


タクミ「ユウだな。」

ユウ「俺!?」


ミナミ「じゃあ、座って。背中、貸しなさい。」


ユウ「え、ちょ……はい……!」


──その瞬間、空気が変わった。

背中越しに、彼女の気配。

指が、そっと触れる。


「……す」

(……!?)

「……き」


心臓が、音を立てた。


ユウ「……え、先輩……?」

(もしかして、“好き”って……!?)


勢いで振り向く。


——そこにいたのは、後ろでニヤニヤしてるダイキ。


ダイキ「“すき焼き”!!!」


ユウ「お前かよッ!!!」

カズ「見事な誤読。」

タクミ「ときめき返せ。」

マナ「でもドキドキしてた顔、可愛かったよ〜?」

ミナミ(苦笑して)「……焦げてるわね、青春。」


ユウ「焦げたんじゃねぇ、燃えたんだよ!」



◆ 放課後。


夕方の光。

ストーブの残り熱。


ダイキ「いやぁ、すき焼きは名作だな!」

カズ「恋も鍋も、タイミング次第。」

タクミ「沸騰するまでが青春だな。」

マナ「でも、“すき”って言葉って、便利だよね〜。」


ユウ「……もう、全員黙れ。」


ミナミが帰り際、振り向く。

「……焼きでも、悪くないでしょ。」


ユウ「……もう知らねぇ……。」


でも背中の熱だけは、まだ冷めなかった。


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