休日参拝:カフェ神話篇
──日曜の昼。
街のカフェテラス。
ストーブの炎が揺れて、窓の外に粉雪が落ちていた。
ミナミは本を開いたまま、カップの湯気を見ている。
レイナはストローでアイスラテを混ぜながら、音を鳴らした。
アイカはタブレットを見て、マナティはマフィンを崩して笑っている。
レイナ:「ねぇ、休日って、なんでこんなにヒマなの?」
アイカ:「あなたが予定を立てないからよ。」
マナ:「でもヒマって、可愛くない? “何してるの?”って聞かれた時に言える感じ。」
ミナミ:「……静けさを可愛いで測るの、あんたぐらいよ。」
店のスピーカーから、古いポップスが流れる。
雪の音より少しだけ大きい。
レイナ:「そういえばさ、ユウたち何してんだろ。」
アイカ:「多分、溶けかけの雪でまた変なことしてる。」
マナ:「“青春スノーサバイバル”とか言ってそう。」
ミナミ:「……否定できないのが悔しいわね。」
レイナ、スマホを見て笑う。
「ほら、カズくんのストーリー。“飛んだ”。」
全員:「飛んだ!?」
マナ:「……芸術点は高そう。」
アイカ:「落下の確率も高そう。」
ミナミ:「青春って、どうして空に向かうのかしらね。」
一瞬の沈黙。
雪がガラスを打つ音。
マナが小さく息を吐いて言った。
「……でも、誰かが飛んでると、いいよね。」
レイナ:「わかる。見てるだけで、こっちも上がる。」
アイカ:「熱って、伝播するから。」
ミナミ:「……そう。だから観測するの。」
カップの底の光が揺れる。
四人の笑い声が混ざる。
ただそれだけの午後。
でも、通りすがりの客が言った。
「……なんか、ここだけ空気違くね?」
──ギャル神社、臨時出現。
休日でも、神々は静かに降臨する。




