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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
309/316

真実の録音リサイタル ― バカと犬と風のリプレイ ―


──翌日、昼休み。

教室の空気が妙にざわついていた。

何かが起こる予感。

ユウはパンをかじりながら、違和感に気づく。


カズ「なぁ……今、教卓の上にスマホ置いてあんだけど。」

ダイキ「録音ボタンついてね?」

タクミ「……やな予感しかしねぇ。」


次の瞬間。

教室スピーカーから、流れた。


『……え、ほんとに? じゃあ、先輩の犬でいいっす。』


──沈黙。


全員「!?!?!?!?」


『フェチ発動早すぎ!』『魂が犬小屋行き!』

昨日の騒ぎが、まるごと高音質で再生されている。


ユウ「ちょ、ちょ待っ──!それ録ってたやつ!?!?」

声を張った瞬間、廊下の向こうからあの笑い声。


マナ「ふふっ……音量バランス、完璧でしょ?」


ドアにもたれながら、マナティが立っていた。

スマホを指先でくるくる回しながら、あざとい笑み。


「杏仁豆腐さんの“忠誠の名言集”を配信しようと思って。」

ユウ「やめろ!バズる!!」

ダイキ「いや、バズってんぞ!?!」

カズ「“先輩の犬でいいっす”Tシャツ出てる!!」


レイナ(爆笑しながら)「……マナティ、やるじゃん!」

アイカ「観測結果:羞恥=感染性強。」

ミナミ(呆れ気味)「……ほんと、静かにしてても騒がしい子たちね。」


マナ「だって、青春は音量でしょ?」

ウィンク。


──その瞬間、教室の空気が変わった。

笑いと赤面が混ざったような、

熱と羞恥の温度が上がっていく。


ユウ、顔を押さえて小さく呟いた。

「……お前、ほんとあざといな。」


マナ「うん、知ってる。」

その笑顔が、少しだけ優しく見えた。



放課後。

夕暮れの廊下。

マナはひとり、録音データを再生していた。

スピーカーから流れる、バカでまっすぐな声。


『だって、1番の美女だったから。』


マナ(小さく息を漏らす)「……ずるいなぁ、そういうの。」


スマホの画面を伏せて、笑う。

でもその笑いは、少しだけ切なかった。


──青春の音は、止まらない。

笑い声も、胸のざわめきも。

どれも、ちゃんと“録音されている”。


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