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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
303/320

おでん検証戦線 ― 沸点を越えて、青春ブチ込み中!


──放課後の部室。

冷えきった空気の中、鍋から湯気が上がる。

ダイキが鼻を鳴らした。


ダイキ「……来たな、寒空の主役。」

ユウ「いや、鍋じゃねぇ。おでんだ。」

カズ「線引きどこだよ。」

タクミ「で、なんで急におでん?」


ユウ「テレビで見たんだよ。“おでんリアクション芸”。あれってヤラセじゃね?」

カズ「お前……ついにバラエティにケンカ売ったな。」

ダイキ「熱さ検証ぉぉ!!青春は体感実験だぁぁ!!」


──沸騰。



タクミ「誰からいく?」

ダイキ「そりゃ発案者のユウだろ。」

ユウ「いや、俺ドラムだから指大事だし!」

カズ「じゃあ俺ギターだから無理。」

タクミ「俺もボーカルだから喉……関係ねぇけど無理。」

ダイキ「ベースは根性!いくぜぇぇぇぇ!!!」


串を持ち上げる。おでん界の覇者・こんにゃく。


ジュッ!!


ダイキ「アチィィィィ!!!マジで熱いぃぃぃ!!!」

カズ「リアクション100点満点!!!」

タクミ「ってか、それ普通に危険物じゃん!!」



次はタクミ。慎重にフーフーして──。


タクミ「……これくらいなら──」

ダイキ「おでん舐めんなぁぁ!!」

(背後から肩押し)

タクミ「アチチチチィィィ!!!」

ユウ「青春、他人の手で燃える瞬間!!!」



全員が何かしらの火傷を背負い、机の上は戦場のようになった。

沈黙。湯気。勝者なし。


ユウ「……これ、ヤラセじゃないわ。」

カズ「尊敬しかねぇ……」

ダイキ「バラエティの神に土下座したい。」



その時。

背後から小さな「ハフ……ハフ……」という音。


全員「!?」


振り向くと、テーブルの端。

湯気の向こうに──おでんの鍋。

そして、そこに腰掛けて静かに食べている人影。


ミナミ「……だし、ちょっと濃いわね。」


ユウ「先輩!?いつから!?」

ミナミ「あなたたちが“リアクション芸人”を名乗ったあたりから。」

タクミ「なんで黙って食べてたんすか!」

ミナミ「静かに食べる方が、熱が伝わるの。」

ユウ「意味深っ!!」



ダイキ「……結論。おでんは──」

ユウ「食べるより、青春を煮るやつ!」

カズ「いや、もう全部煮えてるわ。」

ミナミ「……脳までね。」


──その夜、部室にはだしの香りと焦げた友情が残った。


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