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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
301/316

秋の文学すり替え戦線 ― 官能と観測の境界線 ―


──放課後、夕日が教室の床を焼いていた。

文化祭の喧騒も落ち着き、秋の空気に少し“知性”が混じっていた。


ダイキ「なぁ、前に三柱にやられた“あのイタズラ”覚えてる?」

タクミ「あー、現国の教科書が官能小説にすり替えられてたやつだろ。」

カズ「先生、真顔で『……文学的だな』って言ってたやつな。」

ユウ「リベンジ、するしかないっしょ。」


(沈黙)


ダイキ「で、誰に?」

全員「アイカ先輩だな。」



翌朝。

ユウは早く登校し、静かな教室で作戦を決行。

現国の教科書を開き、こっそり差し替える。

『濡れたページ、燃える青春』──読む前から熱気が立ち上るタイトルだった。

カバーをかけ直し、机に戻す。


ユウ「……観測者を、観測してみるか。」



現国の時間。

教師「じゃあ、次の段落、アイカさん読んでくれる?」

アイカ「はい。」


ページをめくる音。

次の瞬間、教室の空気が変わった。


「……指先が触れた瞬間、熱が走った。」


(ざわ……)


「喉の奥から、名前がこぼれ落ちる。」


(ざわざわ……)


「息が触れた、それだけで世界が燃える──」


(静寂)


教師「……えーと、それ、教科書だっけ?」

アイカ、顔を上げて淡々と。

「……比喩表現としては、かなり優秀だと思います。」


クラス中が爆笑。

ユウ、机に突っ伏して震える。

ダイキ「怖ぇ……冷静な殺気感じた……」

タクミ「観測の刃って、こういうことか……」



放課後。

ユウが自分の机に戻ると、メモが一枚。


『観測は、時に主観を伴う。——次はあなたの番ね。』


ユウ「……返り討ち、観測完了ってことか。」


窓の外、落ち葉がくるくる舞う。

笑いと静寂の狭間に、

青春の熱だけが、ゆっくりと残っていた。


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