恋のレッスンⅣ ― 返信戦争は突然に ―
昼休み。
マナティはいつもの笑顔で、クラスの女子たちに向かって言った。
「返信が来ないのは、あなたの言葉が止まってるから。
恋は“会話”じゃなくて、“観察と投げ返し”だよ。」
女子A「え、じゃあ、どうすればいいの?」
マナティ「簡単。返信が欲しいなら、“考える時間”を奪うの。」
ざわ……
女子B「え、えぐいこと言ってない?」
マナティ「タイミング。絵文字。文の短さ。
ぜんぶ“相手の脳内”をデザインすることから始まるの。」
その瞬間、周囲の女子たちのスマホが一斉に光った。
ピコン、ピコン、ピコン。
(戦場の幕開け)
女子A「“おつかれ♡”って送った!」
女子B「スタンプだけで返す!逆心理!」
女子C「既読ついたぁぁぁ!!」
女子D「……未読だぁぁぁ!!」
教室の空気が、まるで爆発寸前の恋バトルフィールド。
カズ「これ……戦か?」
ダイキ「愛と電波がぶつかり合ってる……!」
タクミ「スマホの熱で教室暖房いらねぇな。」
マナティ(微笑んで)「恋って、競争でもあるの。
でも、勝つのは“好きってバレない人”よ。」
ユウ「……それ、怖くね?」
マナティ(少しだけ目を細めて)「恋の怖さを笑える人が、本当の勝者だよ。」
——静かになった教室。
スマホを見つめて固まる女子。泣き笑いの声。
マナティは窓際に立ち、陽の光を受けて髪を撫でた。
「……ねぇ。
返信が欲しいなら、返したくなる人になればいいだけ。
簡単でしょ?」
——その目はやさしくて、でも底が見えなかった。
⸻
放課後。
ユウ、廊下でため息をつきながら言う。
「……怖いけど、あの人、やっぱ楽しそうなんだよな。」
カズ「恋の天才は、もはや人間じゃないんだよ。」
ダイキ「マナティ、神の通信制限かかってるタイプ。」
タクミ「“未読の女神”って呼ぼうぜ。」
笑い声が響く廊下を、春風が通り抜けた。
——“恋の戦場”は今日も平和に、爆発した。




