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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
294/328

供物:のど飴奉納戦線 ― 龍角散は愛を試す味 ―


──昼休み。

校舎裏、ギャル神社の前。

ユウが一人、両手を合わせていた。


ユウ「……元気になりました。ありがとうございました。」

レイナ「え、なにこの真面目参拝。」

ユウ「ポカリの妖精に助けられたからな。お礼に来たんだよ。」

カズ「妖精って、保健室にいた誰かだろ。」

ユウ「神は見えないんだよ。」

ダイキ「ポカリ信仰きたー!」


ユウの手には、ビニール袋。

中には、のど飴の束。


タクミ「え、それ供物?」

ユウ「そう。喉に効く=言葉が整う=バンドの神事。」

レイナ「いや理屈のストレッチ効きすぎ!」


──そこから、“のど飴談義”が始まった。


レイナ「私はブルーベリー味派!映えるし、モテる味!」

アイカ「映えは喉に効かない。」

レイナ「心に効くの!」

ミナミ「……効能と映えは、共存しないのよ。」

レイナ「出た、美の神様コメント!」


ユウ「俺は、龍角散ダイレクト。」

一同「うわッ!!」

カズ「粉じゃん!舐めるんじゃなくて吸うやつ!」

タクミ「供物というより、呪術。」

ダイキ「人にあげると喜ばれないやつNo.1!」


ユウ「効くんだって。信じる喉には響く。」

ミナミ「……喉より先に、心に届いてるのね。」

ユウ「……かも。」

その声はやけに静かで、どこか優しかった。


風が吹いて、袋の中の飴がカラリと鳴る。

光が差して、包み紙がきらりと揺れた。


アイカ「神社でのど飴奉納……文化の終わりね。」

レイナ「青春の始まりでもあるけどね!」

ダイキ「お前ら、もう信仰の病じゃん!」


──そのあと、ユウの机の上に一粒ののど飴が置かれていた。

味は龍角散。包み紙の裏に、

細い字でこう書かれていた。


「観測終了(でも、ちゃんと効いたわ)」


ユウ「……ポカリの妖精、やっぱいたな。」


──午後の光の中、

のど飴は静かに溶けていった。


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