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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
289/336

秋制服談義 ― ラルフの風と誤爆の余韻 ―


放課後。

西日が差し込む教室で、杏仁豆腐は制服談義の真っ最中だった。


ダイキ「やっぱさ〜カーデは萌え袖だよな!隙間がエロい!」

カズ「語彙をどうにかしろ。」

タクミ「俺は断然ブレザー。ボタンの閉め方に個性出るって。」

ユウ「……俺は、ラルフっすね。」

ダイキ「出たよ、ブランド信者。」

ユウ「ちがう、あの清楚な感じ。柔らかいベージュのニットに、白シャツの重なり。

あれってもう、信仰だろ。」

カズ「信仰の方向性おかしい。」


笑いが弾け、やがて鐘の音。

四柱が廊下を通り過ぎる。


レイナ「やっぱラルフ可愛いよね〜」

アイカ「清楚って言葉、実は一番計算されてるわ。」

ミナミ「……制服は、着る人の温度を映すだけよ。」

マナ「ピンクでも、清楚に見せられるよ?」


その一言で、教室の温度が一段上がった。

杏仁豆腐、全滅。


──そして放課後。

残ったユウとミナミ。

陽が傾いて、カーテンが風に膨らむ。


ユウ「……でも俺は、やっぱこれが好きなんすよ。」

ミナミ「ラルフ?」

ユウ「はい。なんか、“清楚”とか“憧れ”とか、そういうの全部ひっくるめて、

届かない感じが好きなんです。」

ミナミ「……届かないから、目が離せないのよ。」

ユウ「……なるほど。」


沈黙。

風が、二人のあいだを抜けた。

カーテンがひらりと動いて、ミナミの袖が光を受ける。


ユウ「……でも、ミナミ先輩の袖、ラルフより上質に見えますね。」

ミナミ「……それ、誤爆よ。」

ユウ「え?」

ミナミ「口、動いてたわよ。」


ユウの顔が一瞬で熱を帯びる。

ミナミは少しだけ笑って——


ミナミ「……まぁ、悪くない。」


その言葉と一緒に、風がまたカーテンを揺らした。

ラルフの柔らかい香りみたいに、淡く、長く。


──秋の放課後。

フェチと美と羞恥が、同じ教室で静かに呼吸していた。


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