補習スイムサバイバル ― 緑のプール、青春の味 ―
──放課後、太陽が傾く。
セミの声がやけに長く感じる夏の終わり。
ユウ「……マジでやんの?これ。」
体育教師「やらなきゃ単位出さねぇぞ。」
タクミ「地獄の水泳補習、開幕ってことか。」
カズ「もう“青春の残業”だな。」
ダイキ「……水、緑すぎね?」
そう、プールは夏を越えていた。
誰も使わなかった25メートル。
底が見えないほど、ど緑。
⸻
ユウ「え、これ泳いでいいの?
なんか、コケとか人格持ってそうなんだけど。」
カズ「命より単位が重いんだよ、行け。」
タクミ「俺、足つったら先に逃げていい?」
ダイキ「バカ、友情は沈めねぇ!」
──バッシャーン!
4人の青春が、藻の沼に突入した。
ユウ「ぐっ……!ぬるっ!?何か生きてるぅぅぅ!」
カズ「酸素がないのに生命を感じる!」
ダイキ「誰かタニシ踏んだ!!!」
タクミ「緑ってこんな味すんのかよ!!!」
⸻
10往復後。
地獄の修行を終え、息も絶え絶えに上がる4人。
ユウ「……達成感より、敗北感。」
カズ「俺たちの青春、藻に吸われたな。」
ダイキ「これで単位もらえなかったら、校舎燃やす。」
タクミ「おい……プールの色……夕陽に反射して金色だぞ。」
一瞬、全員黙る。
あの汚れた水が、夕陽を受けて輝いていた。
ユウ「……緑でも、光るんだな。」
カズ「青春も同じだな。どんな色でも、照らせば光る。」
ダイキ「名言出たぞ、沈んだ奴から。」
沈黙。
風が吹く。
ユウ「……くっせ!!」
全員「うわあああ!!!」
──青春の単位、合格。




