真夏のビーチナンパ合戦 ― 砂浜に響け、恋と熱と馬鹿の咆哮 ―
──太陽が全力で照りつける午後。
海が鏡みたいに光り、砂が焼けている。
波音とギャルの笑い声、
青春の匂いが、塩と混ざっていた。
ユウ「……俺たち、今日ひとつの命題に挑む。」
カズ「なんで急に哲学口調?」
ユウ「“ナンパ”とは何か。——それを、体で証明する!」
タクミ「いやもう怖ぇよ、その研究態度。」
ダイキ「真夏の戦士たちよ!散開ぃぃぃ!!!」
──ナンパ合戦、開幕。
砂煙と共に、青春が走り出した。
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◆ タクミ:理想が空を舞う
タクミ「清楚で、笑顔が優しい子がいいんだ。」
(五分後)
「……清楚な子は、この浜にいない。」
カズ「理想の高さで酸欠してんぞ。」
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◆ ダイキ:肉体派の暴走
ダイキ「海って最高だなぁ!青春って感じだよなぁ!」
(勢いで浜辺の焼きそば屋に声をかけ)
「ねぇ!焼きそば食べる?俺の!!」
女子「……さっき食べた。」
ダイキ「じゃあ、俺が食う!!」
(完敗)
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◆ カズ:優しさの終着点
カズ「暑いでしょ、これ、タオル使う?」
女子「ありがと〜」
(去る)
ユウ「……それ、ナンパじゃなくて介護だぞ。」
カズ「優しさは返ってこないんだな。」
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◆ ユウ:奇跡の邂逅
ユウ「……誰に声かけりゃいいんだよ。」
波打ち際でつぶやいた時、
光が跳ねた。
金色の髪。
潮風をまとうような横顔。
ミナミ「……日焼け止め、塗れてないわよ。」
ユウ「ミナミ先輩!?」
ミナミ「偶然よ。あなたたち、またバカなことしてるのね。」
ユウ「美女を連れてこいって命令なんです。」
ミナミ「……で?」
ユウ「だから、誘いました。」
ミナミ「……なんで私?」
ユウ「だって、1番の美女だから。」
一瞬、海が止まった気がした。
波音も、風も、焼けた砂も。
ミナミ「……ほんと、バカね。」
でも、その声は少しだけ柔らかかった。
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◆ 再集合、そして崇拝
夕暮れ。
空が茜に染まる頃、全員が戻ってきた。
ダイキ「焼きそば完食!」
カズ「介護完了!」
タクミ「理想不在!」
ユウ「ミナミ先輩、連れてきました。」
全員「知り合いじゃねぇかぁぁぁぁ!!!」
レイナ(サングラス外し)「……それ、優勝でしょ。」
アイカ「観測結果:バカの美、極点。」
ミナミ「……バカって、正しい熱量ね。」
全員、砂の上で笑った。
波音が拍手みたいに聞こえた。
ユウ「……なぁ、これがナンパの定義かもな。」
カズ「どれ?」
ユウ「“本気で誰かを見つめる勇気”。」
ミナミ、少しだけ振り返って。
「……なら、合格ね。」
──真夏の空が、オレンジから群青に変わる。
拝むように笑うバカたちと、
その光を静かに受け止める神。
——この日、砂浜は確かに燃えていた。
火のような太陽の下で、
“青春”が、笑っていた。




