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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
24/27

仮装とへそピと恋のトリック。

校内掲示板に貼られた一枚のポスター。

《生徒会主催:ハロウィンフェスティバル開催!!》

—“仮装OK!お菓子配布あり!最優秀コスプレ賞にはQUOカード3000円!”


ユウ「3000円て、割とリアルな額だな」

ダイキ「お菓子より燃えるタイプ」

カズ「でも仮装かぁ……俺、そういうの苦手なんだよなぁ」

タクミ「むしろお前らが何やるのかが一番怖ぇ」



◆ 当日、教室にて。


ガラッ。

ユウが入ってきた瞬間、教室がざわめいた。


ユウ「……なに?」

カズ「お前、なんで囚人服?」

ユウ「だって青春は罪だから」

全員「出たよポエム男子!!」


ダイキはというと——

「ドーン!」と音を立てて現れたのは巨大カボチャの着ぐるみ。

「動けねぇ!でも映えは完璧!」

タクミ「お前、ライブのドラムより重そうだぞ」


カズは意外にも吸血鬼スタイル。

マントを翻して「お菓子をくれなきゃ、コードを鳴らすぞ」とか言ってる。

女子たちが「カズくん似合う〜!」って騒いでて、もう勝ち組感が漂う。


で、タクミは。

……白シャツに黒パンツ。地味。

ユウ「お前、それ仮装か?」

タクミ「“地味にイケメンな青年”っていうリアルコスだ」

ダイキ「自分で言うな!」



◆ そして、ミナミ先輩登場。


ざわっ……。

空気が一瞬止まった。


ミナミ先輩は黒のショートトップスに、へそピがキラッ。

腰にチェーンベルト、ミニスカに網タイツ。

完璧に“悪魔系ギャル”仕様。


ユウ(……っ!!)

——ビーナスのエクボ。

——キラリ光るピアス。

——そして、あのへそ。

脳内で警報が鳴る。

新たなフェチズム、解放。


ダイキ「おいユウ、鼻血出てんぞ」

ユウ「出てねぇ!」(出てた)

ミナミ「アンタら、今日も元気ね〜。どれ、いたずらしてほしい?」

ユウ「ハイ喜んで!!!!!」

タクミ「落ち着けドラム」



◆ トリックオアトリート戦争。


昼休み、校内ではお菓子争奪戦が始まった。

カズがギターケースからポッキーを出してモテ、

ダイキは着ぐるみのまま駄菓子を山ほどゲット。


ユウはというと——

ミナミ先輩に「お菓子くれないとイタズラする」って言ったら、

「じゃあ逆に——」と耳元で囁かれ、

鼓膜ごと魂を持っていかれた。


その瞬間、ユウの中で何かが爆発した。

——へそピフェチズム覚醒。



◆ イベントの終盤。


夕焼けのグラウンド。

仮装のまま写真を撮るみんなの横で、

ユウはそっと呟いた。


ユウ「なんかさ、バカやって笑って、でも……ドキドキするの、青春だよな」

タクミ「フェチに目覚めて終わった奴の台詞じゃねぇ」

カズ「でもまぁ、ユウらしいわ」

ダイキ「来年は仮装ライブしようぜ!」

ユウ「それ最高!」


風が吹き抜け、ハロウィンの飾りが揺れた。

オレンジ色の光の中、ミナミ先輩のピアスがまたキラッと光った。


——トリックもトリートも、全部まとめて青春だ。


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