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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
17/35

笑ったあとは、練習ターイム!

お化け屋敷の準備で大爆笑した放課後。

「……なぁ」

タクミが言った。

「このままじゃ文化祭のステージ、笑い者どころか事故だぞ」


一瞬静かになる教室。

笑いすぎて涙を流した俺たちも、現実を思い出した。

「……そうだった。俺たち、バンドだった」



練習スタジオへ


全員でチャリを飛ばし、いつもの狭いスタジオに入る。

アンプの音、スティックを握る音、ベースの低音。

一気に空気が切り替わる。


「よし、合わせるぞ」

カズがギターを鳴らす。



本気モード、でもやっぱりバカ


イントロからタクミが歌う。

「♪世界が灰色に沈む――」

お化け屋敷のタイツ姿を思い出して吹き出すダイキ。


「おい!笑うな!」

「ごめん、灰色って聞くと……!」

練習はすぐ中断。


再度仕切り直して演奏開始。

今度は俺がドラムを盛大にズレる。

「ユウ!リズム感どこ行った!」

「俺のリズムは心臓にしかない!」

「心停止寸前だわ!」



奇跡の瞬間


何度も崩れ、笑い、ツッコまれ。

でも、ふとした瞬間に全員の音がバシッと噛み合った。


「――っ!!」

スタジオに鳥肌が立つ。


「今の……やばくね?」

「マジで曲になってたぞ!」

「おいおい、これ本番決まるんじゃね?」


ほんの数秒の奇跡。

それだけで、俺たちはまた爆笑して、そして本気になれた。



「よし、文化祭まであと少し……」

「モジモジくんは忘れろ」

「忘れられるか!」


笑いと真剣がごちゃ混ぜの俺たち杏仁豆腐の練習は、今日も終わらなかった。

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