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青春ギャラクティカ  作者: 灰色ぎつね
108/206

夏、透けた再審判──ギルティ・ビーチ


──夏の海。

照り返しは痛いほどに、眩しさは罪に近い。


ユウ「海だぁぁぁぁ!!!」

ダイキ「魂が蒸発するぅぅ!!!」

カズ「IQより潮位の方が高ぇ!!」

タクミ「日焼け止め塗るの遅ぇよ……」



◆ ファッションチェック地獄


ユウ「俺さ、大人っぽく攻めたいのよ」

カズ「どうせまた変なの選んだんだろ」

ユウ「見ろ、ベージュのトランクス。抜け感、完璧。」

全員「抜けすぎだろ!!!」


タクミ「お前それ、砂浜と同化するぞ」

ダイキ「自然界に帰る準備できてんじゃん!」

ユウ「違う!大地と共鳴する色なんだよ!」

カズ「人間やめるな!」



◆ 入水、そして事件。


ユウ「海は母!俺は帰るッ!!!」

バシャァァァァ!!!


……静寂。


カズ「……あれ、ユウどこ行った?」

タクミ「なんか、水面に魂しか浮いてないんだけど」

ダイキ「おい、あいつ脱げたんじゃね?」

ユウ「え!?ちゃんと履いてるから!!多分!!!」

カズ「“多分”がいちばん不安なんだよ!!」



◆ 神々の審判。


パラソルの下、三柱降臨。

レイナ「ギルティ☆」

アイカ「公然、失格。」

ミナミ(アイスを舐めながら)「……卑猥。」


ユウ「いやいや!ほんとに履いてたから!!!」

ミナミ「……バカって、海より深いね。」


一同「……南無ユウ。」



◆ そして、風が吹く。


パサ……。

風がベージュを撫で、張り付く。

透けた。見事に。


全員「…………」


レイナ「再審、入りまぁす☆」

アイカ「判決更新。やっぱギルティ。」

ミナミ「……確定。ほんと、バカ。」


ユウ「え、ちょ、今の風、卑怯じゃね!?」

カズ「自然もお前にドロップキックだよ。」

タクミ「透明感ってそういう意味じゃねぇんだよ。」



◆ 夕暮れ。


潮騒が笑っている。

海辺に残る足跡と羞恥。


ダイキ「なぁ、青春ってなんなんだろうな」

カズ「お前が聞くなよ、加害者だぞ」

ユウ「……夏、日焼けより照れ焼けが痛ぇな……」


ミナミ「……いいじゃん。バカの熱って、ちゃんと生きてる証拠だよ。」


——波が引いて、笑いが残る。

青春ギャラクティカ、ギルティ確定。


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