「プール開きと見学四天王」
──夏。
太陽は殺意、アスファルトは溶岩。
セミは叫び、制服は地獄。
それでも青春は止まらない。
今日の舞台は、校庭奥のプール。
そしてその端っこ、タオルに包まれた4人。
杏仁豆腐、全員見学。
カズ「これ、なんの部活?」
ユウ「“見学部”。理念は“動かない熱狂”」
ダイキ「もうそれ宗教」
タクミ「青春の仮死状態」
女子たち「え、杏仁豆腐全員見学?」「やる気どこ行ったw」
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◆見学理由・四段活用
ユウ:「風邪気味」
ユウ「昨日、氷の中に真理を見た」
カズ「お前、飲み物じゃなくて哲学してたの?」
カズ:「水着忘れて」
カズ「俺、今日は無だよ。ゼロ装備。」
ダイキ「その無の中に、希望も忘れてきたな」
タクミ:「日焼け厳禁」
タクミ「焼けたら音程ズレる」
ユウ「お前の発声器官どうなってんの」
ダイキ:「生理です!!」
全員「お前は帰れええええ!!!」
女子たち「wwwwwwww」
タクミ「保健体育のテロリスト」
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◆ その頃、校舎の屋上。
三柱、フェンス越しにプールを見下ろしていた。
レイナ「見て!バカども全員干物になってるw」
アイカ「溺れるよりマシな死に方ね」
ミナミ「……でも、“全力でサボる”って、いい。バカの美学。」
風が吹き、ミナミの髪がきらめく。
その瞬間——下のプールがざわめいた。
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◆ マンバ族、降臨
マユ「おい、白ボケ豆腐ども。
あんたらの保湿モード、甘くない?」
リカ「見ろ、この漆黒。
光を喰って、それでも輝く。」
エミ「黒は闇じゃない。
選んで、見せる覚悟の色。」
ラメが太陽を跳ね返す。
水滴が爆発みたいに光る。
杏仁豆腐、プールサイドで即死。
ユウ「黒が……眩しい……」
カズ「闇が光るって概念、理解不能……」
タクミ「これ、物理現象としておかしい」
ダイキ「黒の美脚に生命感じる……」
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◆ ユウ、フェチ暴走。
ユウ(心の声)
(腰……神……いや惑星……)
(あのラメ、天の川を閉じ込めたみたいだ……)
(もはや重力を感じる……)
ユウ「……俺、悟った。」
カズ「はい出た、悟りフェチ」
ダイキ「性癖で目覚めるな」
タクミ「お前だけ“フェチ界のブッダ”だよ」
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◆ 黒 vs 白、口上の応酬。
マユ「アンタら、熱量どこ置いてきた?」
ユウ「……いや、あるぞ。見せてやる」
ユウ、立ち上がり、拳を突き上げる。
「世界を覆うほどの漆黒のアイライン!
生命の神秘で真理の腰ライン!
ビーナスのえくぼは至高の森羅万象!
これが俺のフェチだぁぁぁぁ!!!」
沈黙。
リカ「……病気?」
エミ「詩か、祈りか、犯罪かで迷う」
マユ「腰ラインって言ったな?今言ったな?」
カズ「今度は地獄落ちコースだな」
ダイキ「お前はもう帰っていい」
タクミ「てか俺、止める気なくなった」
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◆ 屋上の三柱。
レイナ「うわ、下で腰フェチが覚醒してるww」
アイカ「フェチと宗教の区別ついてないね」
ミナミ「……でも、ああやって叫べるの、羨ましい。」
風が抜け、フェンスの影が長く伸びる。
空はまだ明るいのに、心だけ夕方。
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◆ エピローグ
放課後のプールサイド。
杏仁豆腐、全員ぐったり。
カズ「青春って、体より恥を焼くよな」
タクミ「熱傷レベルの恥」
ダイキ「俺、今日で青春卒業した」
ユウ「……いや、俺はまだ燃えてる。
色白ギャルの腰に、真理を見た。」
全員「また言ったぁぁぁぁぁ!!!!」
屋上の三柱、笑いながら見下ろす。
ミナミの声が風に混ざって届く。
「バカが燃える季節。……いい。」
──ラメと陽炎が混ざる午後。
黒と白、フェチと熱が溶け合う、
これが、夏のギャラクティカ。




