くびちょんぱの王子様
【解説】
なろう界でもっともポピュラーと言っても
過言ではないザマァ劇場。
そこに漆黒の獅子の息子アレクサンドロス2世。
齢5歳の王子も登場です。
孫アレクは戦争の方法は
武力だけじゃないんだよ
という事を学びにイェーツに
リア姉様とフェル兄様と訪れます。
正直なところ、既に魔力コントロールも
体術もならっている彼は
素手ゴロであればハーレイに
勝てる自信はありました。
「アイリス姉様をイジメるヤツをやっつける!」
と張り切ってました。
しかし、他国の王太子をぶん殴ってしまったら
さすがに戦争待ったなしです。
やたらめったら戦争するもんではないということを
人的被害についてや、経済的損失、倫理的な理由など
パパやママから色々聞きますが、
最終的に父からの
「自分より弱い奴殴ってもつまらんだろう」という
言葉がしっくりきてしまいました。
「喧嘩は自分より強い奴とやるのが醍醐味だ」
ジークフリードは戦上手ですが、
軍隊ぶつけるより、自分でぶん殴りたい派なのです。
でも皇太子だから自重してるよ。
横で何ともいえない顔した
皇太子妃(母)がおりまして。
「あなた(そうじゃない)」
「うん?」
そんなやり取りもありました。
アレクパンチを封じられた
皇子の武器はくびちょんぱの歌。
嫌味の応酬のつもりです。
ルヴァランとしては
イェーツ自体は問題のある国ではなかったので
王族のすげ替えにとどまりました。
問題あるのは、王、王妃、王太子の三名。
ついでに金魚のフン達。
そういう訳で、無血でクーデターの巻。
アイリス・ローヴェイル
今回のヒロイン。
とても真面目で努力家。
つい自分が頑張っちゃう系の人。
ただ、今回の一件で、
真心が通じない場合もあると知る。
これからは王妃として
搾取されない生き方をしなければ
国が搾取されてしまうと
決意を新たにする。
もしかしたら、
いつかパパみたいな穏やか系腹黒になるかも?
とは言え、個人としては
実直で誠実なクラウドに大切にされて
幸せになる未来がござるよ。
ハーレイは嫌いというか生理的に無理な状態だった。
優しいから我慢していたよ。
我慢し過ぎは良くないよ。
ハーレイの親父に狙われていたなんて
気付いてなかった。
根が善人過ぎるので、まさか、国王たる者が
息子の婚約者に邪な気持ちを持ってるなんて
想像もつかない。
フェルマーレの王太子の婚約者の令嬢(物乞姫の姉)とは
不憫系ヒロイン同士意気投合。
ローヴェイル公爵
アイリスのパパ
妻と娘をこよなく愛してる。
なんか、今回の主人公は
この人と言っても良いくらい活躍してたね。
イェーツ王が国の寄生虫と成り果てていたので、
この人が中心になってイェーツを動かしている。
昔はアイリスみたいに真心を大切にしていたけど
段々と穏やか紳士風の腹黒に進化。
優しい微笑みを常にたたえているのは、
先代王の真似。
若い頃始めたら、マブダチの宰相と騎士団長に
なんだ、その不気味な薄ら笑いは。
陛下の真似か?やめとけ!似合わん!
と言われていたけど、長年やってたら
板についてきた。やったぜ。
若い頃、国の農業技術を発展させて
自給率を上げたいと思ってルヴァランに留学。
アンネリィーゼと仲良くなる。
コルトレイン侯爵に気に入られるくらい優秀で
実際に共同で農業技術を発展させ、
ルヴァラン皇家にもその技術は認められている。
ルヴァランにも利がないと援助されないのよ。
そんな甘くないのよ。
アンネリィーゼ
アイリスのママ
今は、一見、嫋やかな美女。
若い頃、妖精姉妹とか言われてたけど
どうせなら農作物の精と言われたい。
自分でクワを振るう農耕少女だった。
堆肥がなんぼのもんじゃい。
マイクワは嫁入り道具。
留学してきたローヴェイル侯爵令息と
農業トークで仲良くなる。
土臭い話しも熱心に聞いてくれる
故郷のために努力する青年ローヴェイルに恋をする。
アンネの親父さんは考えた。
ルヴァランの中央で
貴族の奥様やるより、
発展途上国で農耕技術の研究やらせた方が
本人にもコルトレインにも利がありそう。
一見政略結婚だけど、本人達は恋愛してる。
でも嫁いだら、キモい王太子がおった。
クワでぶん殴っていい?ダメ?
娘にまで手を出そうとしてると聞いた時は
マジでクワを持ち出した。
ドタマかち割ってやる!
侍女さん達大慌て。
奥様!落ち着いて!
旦那様が潰してくれるから!
アイリスには容姿じゃなくて
母の気性が受け継がれたら
今回の騒動はなかったかも。
ハーレイ
父はバリバリ働いてるため
自分に構ってくれないと思ってた。
小さい頃は優しかったローヴェイル公爵を
第二の父と慕っていた。
英雄とか言われてるし、カッケー。
そんなヒーローに可愛がられる
アイリスがなんかムカつく。
おまけに王子の俺じゃなくて
あいつばっか褒められてんじゃん。
母から偏った教育を受け
本人も自分にとって都合の良いことや
楽な事をしてたから
どちらにせよ賢王なる未来はなかった。
アイリスから学問についての本ばかりではなく
道徳的な物語の本も貰ってたけど読んでない。
読んでたら、もう少し倫理観が、
養われたのかもしれない。
アイリスの義弟
ローヴェイル家の使用人夫婦の息子。
性質は「奪う妹」
もし女の子なら、ココじゃなくて、
こいつがハーレイと付き合ってたかもね。
アイリスを嵌めようとしてるのが
アホほど分かりやすかったので
ローヴェイル公爵に利用されてポイ。
海千山千のローヴェイル夫婦を
騙せると思う方がバカ。
現在は追跡魔術をかけられた状態で
王都のホームレス。
宰相の息子
宰相の息子だからって、
頭脳派という訳ではなかった。
ただのメガネ野郎。
顔に輪っか2つ付けてるだけの男。
親父から散々、アイリスを大切にしろ、敬えと
言われて耳タコ。
親父の言う事、聞きたくないけど
宰相の息子だから凄いんだぞ!
追跡魔術をかけられた状態で
盗賊が出没する森にポイ。
騎士団長の息子
実践経験のない
ただの筋肉。無駄筋男。
でも皆の尊敬を集める
スゲー騎士になりたい。
ローヴェイル公爵から助けられたのは
俺が生まれる前だし、
そんなん言われてもなぁ。
それより俺の筋肉すごくない?
追跡魔術をかけられた状態で
魔物が出没する森にポイ。
ココ・リットン
典型的な腹黒ヒロイン。
例に漏れず、頭はあまり良くない。
落目のハーレイを捨てて
フェルディナンドに乗り換えたい。
婚約者いないでしょ?
問題ないじゃない。
割とマジで一目惚れしてる。
いや、無理だよ?
クラウド・テス
先代イェーツ国王の息子。
母親と共にコルトレインで暮らしていた。
自分が何者かは知っていたが、
場合によっては祖国に混乱を招く存在だと
自覚していたため、
大人しくルヴァランで勉学にはげむ。
父親に似て真面目で実直、
心優しい青年。
皇国のハイレベルな教育のおかげで
努力型の秀才に成長。
見たことのない祖国の将来の王妃となる
アイリスの力になりたいと
出会った際は、心を尽くしていた。
イェーツの王宮では朝起きて
執務室に現れただけで
ご立派な方だ…とか言われる。
冗談かと思ったらマジだった。
王族に求めるレベルが低過ぎて動揺してる。
アイリスと二人でイェーツをより良い国に
していこうと誠心誠意頑張る所存。
キーラ・ブライトン
クラウド・テスの母
コルトレインでは、キーラ・テスと名乗っている。
先代王妃(イェーツ王の母)の秘書官として
働いていたイェーツでは珍しいバリキャリ女性。
独身なので30歳でも伯爵令嬢なのよ!
行き遅れがなにさ!
先代王妃とは従姉妹。
先代王妃のことは姉のように慕っていた。
先代王妃が亡くなる寸前、
夫を支えて欲しいと頼まれる。
最初は無理無理無理と言っていたが、
執務能力を買われているのならばと
先代国王に嫁ぐことを受け入れる。
どっこい、王太子であったイェーツ王が
国の食糧問題がかかってる婚姻を潰したので
先代国王との婚姻は白紙。
ぶっちゃけ、新しい王妃にかける予算がない。
(馬鹿息子はちゃっかり真実の相手と結婚してるけど)
仕事で支えるべく頑張ってたら
先代国王と恋仲に。
プライベートでも支えたいと思ってしまった。
しかし30歳で身籠るとは…
もしかしたら姉様(先代王妃)の
御導きかもしれない。
絶対立派に育ててみせる!
イェーツ王
時間も物も、他人から搾取されるのは
絶対に嫌だ。
でも、人のものは欲しい。
気に入ったら何でも欲しい。
手に入らないのは不当だ。
王だし。
王妃しかり、アンネリィーゼしかり、
アイリスしかり、顔の良い女が好きなだけ。
目に付いた美人は全部欲しい。
だって王だし。
こいつが更生するには
一度死んで、農夫に生まれ変わり
「オラ、こんな村嫌だぁ」とか言って
村を出て、都で痛い目にあって、
「父ちゃん、母ちゃん、ごめぇん」とか言って
帰郷するしかない。
つまり今世は捨てろ。
イェーツ王妃
毒親
かつての田舎国家イェーツでは
国一番の美女だったが、
超大国ルヴァランからきた
絶世の美女には太刀打ち出来なかった。
2年とたたずに真実の愛は終わる。
流石に可哀想かもと思うかもしれないが
こいつも、国政無視して王太子に
コナかけてたんだから、相当なもん。
実はローヴェイル公爵にアプローチしたこともある。
1ミリも相手にされない。
今や切り札はハーレイしかいない。
ハーレイの側近を抱き込み、
自分に迎合するよう仕向けた。
アイリスの義弟や側近達がイカれた思想になったのは
王妃の影響も大きい。
曲がりなりにも王族の婚約を破棄させる
テクニックはあったのだから。
高級娼婦になった方が成功した人。
イェーツ先代国王
不器用だけど、一生懸命な
あの子を俺達で支えてやろうゼ!
と、周囲をその気にさせる
愛されおじさん。
天然でそれをやってのける。
BとLの要素はないが、彼のヒロイン力を
戦闘力に変換するとスカウターの数値が
エライことになる。
自分でも凡庸な王と自覚はあったので、
周囲に感謝し、誠実に頑張っていた。
しかし、愚直な王の息子が愚王という悲劇。
亡くなった先代王妃もキーラも
大切に思っている。
長男のことがとにかく気がかり
イェーツに仇なす事はないだろうか。
コルトレインで生まれた息子は
幸せになるだろうか。
コルトレインで生まれた
息子はちゃんとしてるから
天国で安心して欲しい。
ただし、長男は手遅れ。
宰相と騎士団長
かつて若者だった時、青二歳と言わず
引き立ててくれた
先代国王に忠誠を誓ってる。
本当はローヴェイル公爵と三人で
ハーレイの父の側近となる予定だったけど、
こいつ働かないじゃん!
こいつの側仕えとかやってたら
国が回らない。
善人王な陛下の息子がこんな奴なんて…
ローヴェイル公爵と三人でイェーツを
守っていくことを誓った。
そしたら自分達の息子もクズ。
先代の気持ちが痛いほど分かりました。
イェーツ絶対守るオジなので、
いっくら言っても分からない息子は
切り捨てるオジ。自業自得オジ。
その後のイェーツ
先代国王の隠し子が王位を継ぐらしい。
イェーツ王とハーレイのことがあったので
当初は皆んな懐疑的。
ローヴェイル公爵が
大広間に先代国王の若き日のどデカい肖像画を
飾って彼を迎え入れる。
先代国王に激似。
振る舞いも落ち着いていて洗練されてる。
執務もちゃんとこなしてる。
すごい!立派な人がきた!
おじいちゃん世代は
先代国王陛下が生まれ変わりじゃあ〜。
とか言ってるけど、僕が生まれた時は
父上は生きておられましたよ…とクラウド。
クラウドとアイリスはローヴェイル公爵に
鍛えられつつ、イェーツを盛り立てていく。
めでたしめでたし。