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episode セダ 

【エンペス村編サイドストーリー】episode セダ

後書きもお楽しみ下さい

うちの子、名前はカイルというの

歳は十二歳

顔は私に似てるような気がする

きっと将来はモテるわね

背はすでにエイルムを抜いた

きっとそのうち私も追い越される

頭もとっても良くて、それはエイルムに似てくれたようで良かった

友達も幼馴染のボーズ君が居るし、なぜだか村のみんなから好かれてる

剣術の方は、毎日素振りをしているのを私は知っている

あと少しなのよね

そして魔法の方は、本人も気付かないうちに使ってるの

だから私も無理に教えようとしていない


「・・・

エイルムが監禁された!?

うん、そう、、あの人そんな時なのにそんなこと言って…

ほんとに人のことばっかり考えてるんだから

分かったわ

私の方で何とかしてみる

あなたは近くの商業ギルドのある村まで行って、これ以上の犠牲者が出ないように報告して」


カイル達が帰って来たわ

私が慌てる姿を見せる訳にはいかない


「その子はお友達?」


こんな時にカイルったら

女の子を連れてくるなんて

まぁ私の子だからしょうがないけど


「そのー、エンペス村のことで…」

「エリサは大丈夫だよ僕たちに魔法を教えてくれるとっても良い子なんだ!」

「お母様…

信用して貰えるか分からないけど、エンペス村には友達もたくさん残して来ちゃったし…

ぜひ話を聞きたいわ」


なんて良い子達なのかしら

でも、そう、今回はボーズ君の方なのね

ちょっぴり残念だったけど、ちょっぴり安心した私


そしてあの子達…

エイルムの言葉通り、自分達で行くって言い始めたわ

エイルムあの人平凡そうに見えて読みは凄い

私もしっかり演じなきゃ


「あなた達…

その申し出は嬉しいけど、父さんが監禁されてるのはエンペス村の子爵の屋敷よ

私兵もいるだろうし、とっても危険なの!」

「俺たちなら大丈夫

理由なんてないけど、なんとかなる気がするんだ

母さん、おれたちで父さんを救い出したいんだ」


セダはしばらく推し黙る…

(やっぱりあの子ほんとは私の演技に気付いて…いえ、考え過ぎね…)


「分かったわ、じゃあこうしましょう

武器は持っていかない、お金は用意するからそれで解決出来るならそうする

話が決裂しても無謀なことはせず、一旦こちらの村に帰って来る」

「分かった

無理はしないし、おれも商人の子だ

何とか話をまとめてみせるさ」

「ボーズ、エリサちゃん

ほんとに危険なことをお願いしちゃうけど、絶対に無理はしないでね

私は伯爵の居る街に行って、こんな悪事を働いたことを報告するわ!」


なんとかエイルムの読み通りの展開になってくれて良かったわ

さて、私は私の仕事をしますか


バルボンの伯爵邸にて


「これはこれはセダじゃないか

いつ振りだろう、クイーンアントを討伐したとき以来?」

「伯爵様、突然押し掛けて申し訳ございません」

「セダ、そんな堅苦しい挨拶はなしだ

一体どうしたんだ」

「トール、実はエイルムが監禁されてしまったの」


セダはトールに事情を話した


「ふむ、話は分かった

私の管轄領でそんなことが起きたとは、申し訳ない」

「いえ、トール良いのよ

悪いのはあの子爵なんだから」

「エンペス村の子爵が代わるのは知っていたんだ

そして温室育ちますのお坊ちゃんってことも

ただ何も問題を起こしていない者を、罰することは出来なかった

今回は私の責任だ

早急に使者を送り、監禁された人全員解放するように命令するよ

一応念のために、私の伯爵兵を百人ほど派遣することにする

エイルムとセダにはお世話になったからね

これくらいは当然させてくれ」

「トール、、、ありがとう…」

「セダは身体を少し休めてくれ、急いで使者と兵士を用意する」


セダは屋敷の来客室で休んでいると

甲冑に身を包んだトールが部屋のドアを開けた


「セダ、兵士の用意が出来た

行こう!」

「あなたも行くの?」

「もちろんさ、元好きだった人の願いだ

むしろ光栄なくらいさ」

「トール…」

「セダ、エンペス村まで二日だ

いや、一日で着こう!」


騎馬に乗った百人の兵士を従え、トールとセダはエンペス村に向かって駆けていく

【人物紹介】

トール

年齢:四十五歳

生い立ち:生まれも育ちもバルボン

家族構成:父親は元伯爵、母親は王都に住む貴族の次女

弟が居たが小さい頃に病気で亡くなってしまう

妻はケイトでマルス公爵の姪っ子とお見合い結婚

子供は三人いて、二人の息子は騎士見習いとして修行に出している、娘は将来政略結婚のために英才教育を受けさせている

特技:ヘイト、タンク、光魔法、元冒険者ランクB

Episode:若かれし頃は家の財力に物を言わせて全身最上級の装備を整え、冒険者として名を馳せる

パーティー名は『クインテットフォース』、5人パーティーでトールはタンクヒーラーとして活躍する

トールは伯爵の後継者として、他パーティーメンバーもAランクを目指していなかったことからAランク認定は辞退している

ある冒険者の話によれば、Aランク級の強さを誇っていたとの噂も聞かれるが、ある時からその名はぱったりと途絶え、故に解散したとされる

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