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帝国海兵団メリルグラウンド

【第十部】グリッジ帝国編

後書きもお楽しみ下さい

一日一話投稿していきます

時は少し遡る

ここは帝国領の街ロイロ


「俺が今回の海兵団を指揮するメリルグラウンドだ

良いか、俺の言うことを聞いておけば必ず勝てる

相手はちっぽけな船しか持っていない田舎村だ

それでは、全艦出発!」


一週間後、南の海に出た帝国海兵団は海賊と合流した

そして本艦のメリルグラウンド


「海賊の奴等はバカな奴ばっかりで困るな

まともに縦陣形で走れない

しかも領地を貰えるなんて嘘八百に釣られてつくづく可哀想な奴等だ、ハッハッハ」

「メリルグラウンド様

そうおっしゃいますまい

安い手付金で働く海賊も貴重な戦力ですぞ」

「ジジイ…まぁそうだな

商船は我が帝国の船でもないしな

俺にとっては多少減ろうが痛くも痒くもない

数年前にたかが敗戦国の人民を徴兵して大勢死なせただけで、後衛に配置となってしまっていたからな

今回やっと俺にもお鉢が回ってきた

これで任務を無事こなせば国に帰ったら英雄だ」

「メリルグラウンド様が英雄となれば私も嬉しい限りです

して今回の作戦はどのような?」

「このままカンタラス王国まで縦陣形で進んで行く

相手が討って出て来るようなら、横陣形から衝角突撃して乗船制圧だ

もし魔法を使って来たとしても、魔法団の連中に対応させる

まぁ俺が居るって時点で勝ち確定だけどな、ハッハッハ」

「それは頼もしい限りで

帝国の魔法団の精鋭を借りていますので、万が一負けでもしたら首が飛んでしまいますな」

「お前が要らぬ心配をして魔法団を借りるからだ

あんな田舎村なぞ俺が居れば充分なんだ」

「フォッフォッフォ」


時は現在に戻る


「カイル、エリサ

魔法の射程距離はどれくらい?」

「おれは百メートルってところです」

「私は威力が弱まっても良いなら三百メートルくらいは届くわ」

「俺の雷魔法は範囲攻撃の代わりに、五十メートルくらいしか射程距離がない

ひとまずエリサの火魔法で攻撃してくれ

どの団艦に魔法使いが乗っているか確認する」

「「アイアイキャプテン!!」」


ギャラクシー船が帝国団艦の約三百メートルまで近付く

相手も気付いて警戒しているが、まだ距離もありこちらは一隻のみのため、船列に動きはない


「じゃあ行くわよ」


『ファイヤーボール』


エリサは拳大の大きさの火の塊を練り上げて放つ

しかし帝国の団艦には当たらず、海の上に着弾した


「こちらもあちらも動いてるから、意外と当てるのは難しいわね」

「そう、陸と海じゃ全然変わるんだ

攻撃も難しいし、防御魔法も着弾地点にいち早く移動して魔法を張らないといけないから、意外と難しいんだ」

「それなら飽和作戦で行くわ

二百メートルまで近付いてちょうだい」


ギャラクシー船が二百メートルまで近付く


「メリルグラウンド様

どうやらカンタラス王国の海兵団のようですぞ

一隻しかおりませぬが、あの船…マストが三本もあって風を物ともせず切り上がっておりますぞ」

「ふんっ

珍しい船だが、たかが一隻に何が出来る

ほっとけ」


(・・・ドカーンッ)


「何事だ!」

「どうやらあの団艦から魔法が放たれたようです」

「まだ二百メートルはあるぞ

何かの間違いではないのか」

「いえ

確かにあの団艦から何かが放たれて、中列の団艦に当たったようですぞ」


メリルグラウンドがギャラクシー船を見ていると、ギャラクシー船から火の塊のようなもの複数が放たれるのが確認出来た


(・・・ドカドカドカーンッ)


「またか!

やはり魔法攻撃だ!

この距離であの威力だ

相当な手練が居るぞ

魔法団の団艦は前線に出て、魔法を展開させろ!」


帝国団艦の数隻が前線に出て来て、他の船を守ろうとする


「さぁ

まだまだ放つわよ」


エリサは五本指からそれぞれ拳大の火の塊を練り上げて、一気に五発放つ

そのうちの数発が帝国団艦に当たり、炎上している

エリサは再度五発のファイヤーボールを放つ

今度も数発当たり団艦が炎上するが、数発は魔法により防がれる


「あの辺りの船に魔法使いが乗っているな

エリサ構わずドンドン撃ってくれ」

「分かったわ」


エリサは再度ファイヤーボールを放つ

後続の団艦に直撃するが、先頭に出て来た団艦にも一発当たる


「やっぱり向こうの魔法使いも全てを防ぐことは出来ないようだ」


そして帝国団艦がオールで漕いで近付いてきた段階で、ギャラクシー船は沖に撤退する


「よし一旦距離を取ろう

この辺りは波が高いから、向こうはオールじゃ上手く漕げなくなってくるだろう」


メリルグラウンド本艦では


「ええーい!

何をあんな一隻に手こずってるのだ!」

「メリルグラウンド様

向こうの魔法攻撃で二割は航行不可となっておりますぞ

ひとまず乗組員は他の団艦に乗せて航行を続けますぞ」

「早く漕いであの船に近付け!

俺が沈めてやる!」


しかし沖に行けば行くほど、波で上手くオールで漕げなくなってくる

そして船団がバラバラになってしまう


「やつらあんな団艦で沖まで来るからバラバラになっているぞ

エリサ、各個撃破だ」

「任せて」

『ファイヤーボール』


エリサが魔法使いが乗っていない団艦に向かってファイヤーボールを放ち

バラバラになった団艦を順々に沈めていく


「メリルグラウンド様

ここは一旦あの敵船を諦めて、オールを漕いで逃げましょうぞ」

「俺が、帝国が逃げるって言うのか!」

「我らの目的はエンペスへ侵攻することですぞ

そのことを忘れてはなりませぬ」

「ジジイ黙れ!

俺が指揮官だ!

クソォォォ!

・・・

全速前進だ!」

【人物紹介】

モリー

年齢:五十五歳

生い立ち:生まれも育ちもプルート

家族構成:父親は元公爵、母親は王の親族

兄が居たが、戦で亡くなっている

妻と呼ばれる相手が五人いて、子供は十人を越えている

子供は既に成人した者から赤ん坊まで幅広い

特技:頭脳明晰、水魔法

Episode:幼少期から頭の回転が早く、常に効率を求める性格が仇となって友達は居ない

騎士不要論を早くから唱え、モリー公爵領ではほとんど騎士が居ない

欠点は食欲だけは抑えられず、体重は百キロを越えている

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