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【第八部】ボーズの行方

【第八部】ボーズの行方

後書きもお楽しみ下さい

一日一話投稿していきます

カイルは走る

それから数日掛けデールを通過し、王都まで辿り着いた


(久しぶりだな

エリサは元気にしてるかな?)


王宮に着いて魔導士団に会えるよう申請する列に並んだカイル

そこにちょうどエリサが通り掛かる


「カイル?カイル!」

「エリサ!」

「手紙をくれたからそろそろ来るかなって思ってたんだ」

「ああ

大体一年ぶりだね

ジルさんのあの修行が遠い昔のようだな」

「カイルは何というか…

すっごく逞しくなったわね」

「そう?

エリサこそ上等そうなローブを着ちゃって、魔導士団員の雰囲気出てるよ、ははは」

「まぁ私も色々経験してきたからね

こんなところではあれだから中に入ったら?」

「そうだな

ジルさんとコビーさんにも挨拶したいしな」

「分かったわ」


エリサは門番に何かを伝えると、カイルは武器を置いて門から入れて貰えた


「エリサ

君もなかなか偉くなったじゃないか

宮廷に申請もなく部外者を立ち入れさせるなんて」

「これでも私…

ドラゴンスレイヤーの称号を王から頂戴したのよ」

「ドラゴンスレイヤー!?

なんだそのカッコいい称号は…」

「ちょっと前にドラゴン退治をね

危うく死に掛けたけど」

「エリサもなかなか厳しい修行を行なってたようだな」

「まぁ…忙しさは目眩がする程だったわ」


二人は会話をしながらジルの居る部屋に着く

するとちょうどコビーと鉢合わせる


「やぁカイル

久しぶりだね

門番から連絡があって仕事を切り上げて来たんだ」

「先生

仕事じゃなくてお昼寝からでしょ…」

「平和ってのは素晴らしいことだよ、エリサ

まぁそれは置いといて早く部屋に入ろう」


(コンコン)


「ふむ

カイルか

入れ」

「ジルさんお久しぶりです」

「あれから元気にしておったか?」

「はい、この通りです」


カイルは両腕を上げてマッスルポーズをとる


「冒険者ランクはDになりまして、それから縁あって大森林に籠って修行していました」

「ほう

あの大森林で数ヶ月も生活しておったか

それはかなり強くなったじゃろう

手合わせするのが楽しみじゃ、ほっほっほ」

「ははは、手合わせをお願いしたいところですが、まずはボーズを迎えに行かなきゃです」

「ほっほっほ

まぁそんなに()ぐな」


それからカイルは半年間の出来事を報告した

エリサからも今日までの事をカイルに報告し、共に労った


「二人ともとんでもなく成長しとるわい

これはうかうかしてられぬなコビーよ」

「ええ

カイルは自分の目で見てないので何とも言えませんが、エリサは間違いなく強くなりました

まだ僕には及びませんが、クルストには迫っているかもしれませんね」

「ほう

あのクルストにのぅ

そういえばそのクルストの弟がエンペス村に居るようじゃぞ」

「そのクルストさんというのは…」

「魔導士団の元士長で国の英雄ですよ

ブラックドラゴンとの戦いで命を落としました

とても優秀な男で次期副士団長候補の一人でした」

「その弟がエンペス村に居るのですか…

魔法は使えるんですかね?」

「それは分からんが素質はあるかもしれんな」

「そんな優秀な魔法使いがうちの村に…

あとで手紙を出しておきます」

「ほっほっほ

まぁ素質があれば世が勝手に求めるだろうに」

「ところでボーズから何か連絡は?」

「いや、連絡がないのが何より元気な証拠じゃろう」

「いやいや、ジル

あなたがあの戦場に放り込んだんですから、ちゃんと責任持ってやって下さいよ」

「ちょっとやそっとじゃ死なんじゃろ

なぁカイル」

「まぁなかなかしぶとい男ではありますね…」

「ボーズは簡単には死なないわ!」

「ということじゃコビー」

「やれやれ」

「では一年経ちますので、当初の約束通りおれとエリサで迎えに行ってきます」

「ゴーレムを創って送ろうか?」

「いえ、場所だけ教えてくれれば自分達で迎えに行きます」


それからコビーにボーズの居場所を教えて貰い、エリサは魔導士見習いを辞めることを伝えた

コビーは涙を流しながら慰留したが、エリサはたまには仕事をしなさいと諭した

渋々認めたコビーは、僕のお昼寝の時間が!とか何とかぼやいて去って行った

その日は手紙を何通か出して、翌朝二人は出発した

それから一週間掛けて東側の紛争地帯に着いたが、エリサがカイルにおぶられて来たことはボーズに内緒にしておく


「紛争地帯ってこの辺だよね」

「ええ

ここは確かカンタラス王国と、東側の遊牧民国家のモンゴリアン王国との国境で、国境線が曖昧で毎日どこかで争いが起きてるのよね」

「その筈なんだけど…

所々砦があるだけで、争いの気配はないな」

「どうなってるのかしら…」

「とりあえず砦の一つに行ってみよう」


レンガで積み上げられた見張り台のような簡易的な砦に近付くと、見張りの一人が叫ぶ


「何者だ!」

「我々は王都から来た!

ボーズという男を迎えに来ただけだ!」

「なに!?

ボーズ団長をだと!?」

「ボーズ団長?」

「そうだ

この国境を治めるボーズ兵団の団長だ」

「ちょっとカイル、どういうことになってるの?」

「分からないけど、何かとんでもないことをやっているようだ、ははは」

「とにかく私達は敵じゃないわ!」


エリサは王国の紋章入りネックレスを見せる


「あれは王から何かしらの称号を与えられた者だ

すまない!

団長はいま、モンゴリアン王国の各部族長に挨拶に行っている

明日には帰ってくるはずだ」

「あいつモンゴリアン王国に行って何してるんだ」


カイル達はとりあえず砦で一泊させて貰うことになり、その間にここでのボーズの働きを聞くこととなった

【魔物紹介】

ブラックドラゴン ドラゴン種最上位

特徴:上位種のドラゴンに命令を出すことが出来る

全属性の魔法耐性があり、打撃での防御力も高い

闇ブレスは魔力に依存していて、一発で街を壊滅出来る

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