クエスト達成
【第六部】それぞれの道編
一日一話投稿していきます
翌朝早朝から二人は動き出す
「カイルは毎日鍛錬してるの?」
「ああ、走り込みと素振り、それから魔法の練習だ」
「す、凄いや
カイル魔法使えるんだね!
おいらも使える…のかな」
「それはおれには分からないが、魔力というのは血の中にあると言われててな…
まぁちょっと目を瞑ってみろ」
「分かった!」
「心臓から血が流れるのを感じるんだ
その中に魔力があって、それを感じるか?」
「うーん
血の巡りは何となく分かるんだけど、これが魔力なのか分からない」
「そうか
まぁおれもあんまり魔法は得意じゃないからな、力になれずにすまん」
「ちょっと残念だけど、気にしないで!」
「ああ、そうだ
魔力は鍛錬すればある程度までは魔力量も上がるみたいだから、いずれ使えるようになるかもしれないぞ」
「そうなの!?
分かった!
おいらも毎日鍛錬するね!」
「とりあえず今日は体力強化だな
走って筋トレして、飯を腹一杯食べてな」
「うん」
カイルはエッジに体力強化をさせる
その傍ら自らもギリギリまで負荷を掛けて、トレーニングをこなした
その後、朝食は宿で昨日と同じメニューを食べて済ます
「エッジ
昨日の武道大会のこと調べに行こう」
「うん」
カイルは宿屋で武道大会のことを聞いていた
何でも四ヶ月に一回行われて、優勝者には賞金が出るそうだ
参加資格は特になし
勝敗は相手に待ったを言わせるか、審判が戦闘不能と判断した時で、相手を死なせてしまっても負け
ただ相手を殺してしまっても、以後大会への出場は出来ないが、それだけで許されるようだ
「ここが武道大会の受付だな」
「おいら受付してくるね!」
空いていたため、エッジはすぐに帰ってくる
「受付出来たよ!
死なないように頑張れってさ
大会はちょうど終わった後だから、四ヶ月後みたいだよ」
「それはちょうど良かった
四ヶ月もあればそこそこ戦えるようにはなってるはずだ」
「でもあいつと戦うまでに強い人と当たったらどうしよう…」
「…まぁそん時はそん時で考えよう
多分大丈夫だ」
「カイルがそういうならそうだね!」
「じゃあ今日はちょっと手紙を何通か書いて、その後街の外でクエストをこなすから一緒行くか」
「うん」
カイルはエッジをおぶって、街から出たら身体強化魔法で走る
「え!?
速い!」
「振り落とされるなよ!」
走ること二十分
魔物がいる森に着いた
「よし、この辺は魔物が居なそうだから、薬草を見付けてみろ
でも採取はおれに任せるんだぞ」
「はい!
ヒール草は盗んだことあるから大丈夫!」
カイルはそのまま森を索敵する
トットリー数匹はすぐに見つかり狩った
今のカイルは半年前と比べ物にならない程強くなっていた
僅か三時間で狩った魔物は
トットリー十二匹
ラビット三十匹
ワイルドボア四匹
マッシュルボウ四匹
「大量に狩れてしまった
この素材はどうやって持ち帰るか…
よし、一旦帰って荷馬車を持って来よう
さてさて、その前にエッジはどうなったかな」
カイルがエッジの所に行くとまだ探していた
「エッジ
ヒール草は見つかったか?」
「あ、いや…
一本も…」
「ははは、そうなんだよ
簡単そうで見分けも付かないし、この辺ってあたりも、慣れないと付けられないんだよな」
「絶対見付けて帰る!」
「すまない、魔物を狩り過ぎて一旦帰って荷馬車を取ってくることにしたんだ
一人で置いて行けないし、またおぶられてくれ」
「…分かった」
カイルはエッジをおぶって街まで帰る
そして荷馬車を借りて戻って来た
「よし、全部積めたぞ」
「カイル…
多分これ狩り過ぎだと思うよ…」
「そうか?
みんなこれくらいはいけると思うけどな、ははは
あとエッジ、しばらくは荷馬車で街まで往復する仕事をやってくれ
しっかり給金は出すから」
「え?
そんなんで給金貰えるの?
良いよ、おいらカイルに修行付けて貰って、ご飯も宿もタダにして貰ってるしさ」
「良いんだ
おれもいつまでも一緒には居てやれないからな
遠慮するな」
「カイルはどこか行ってしまうの?」
「ああ、言ってなかったか
おれはタルト村近くにある、大森林の攻略をする予定なんだ
だからそのために冒険者として、少し経験を積んでから挑もうと思ってな」
「そうなんだ
おいらも強くなって、カイルと大森林の攻略に参加したい!」
「それは頼もしい限りだ
戦力になると思ったら、こちらからお願いするぞ」
「おいら頑張るね!」
「何か困ったことがあれば、エンペス村のパージさんを頼れ
手紙でやりとり出来る」
それからカイルは街に素材を持って帰り、冒険者ギルドに全て渡した
それを見た受付嬢は、一瞬時が止まったが受け取ってくれた
「カイルさん…
クエスト達成です
一応クエストにない他の素材は買い取りさせて頂きます」
カイルはお金を受け取り、そのまま掲示板を確認する
トットリーやラビットの食材になる魔物討伐は毎日あるようだ
やはりBランクやAランクの依頼はないようだ
あまり居ないから掲示していないのか分からない
「よし、とりあえずこの辺の食材系の魔物討伐をこなしながら森で修行するか」
カイルは外に出てエッジに給金を渡す
「こ、こんなに!?
良いの?」
「ああ、貰えるもんは貰っておくんだぞ」
「分かった!ありがとう」
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