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ファイヤーボール

【第五部】修行の始まり編

一日一話投稿していきます

カイルは大きさが二倍になった石を支える

しかし五分もするとすぐ潰れてしまう


(ふんぎゃっ)


「ハイヒール!」

「す、すみません

死にかけました…」

「うぬ

内臓までいってしまったのぅ

ちゃんと支えぬと…死ぬぞ!」


それからまた一週間が経ち、死に物狂いで十分まで伸ばすことは出来た

ただ実は二日目には十分に伸びていた

それから五日全く伸びていない

何度か死にかけたが、その度にジルさんにハイヒールをかけて貰っている


一週間が経ったため、エリサが戻って来た

洋服はちゃんと着替えており、血色が元に戻り、カイルにも見て分かるほど魔力のオーラが出ている


「戻ったわ

さぁ再開よ!」

「ほっほっほ

まさかここまでとはな…」

「次は何かしら?」

「今度はファイヤーボールの詠唱時間の短縮と威力の向上の修行じゃ

エリサ、ファイヤーボールを出して撃ってみろ」


エリサはファイヤーボールをゆっくり創り出し、目に付いた木に放つ

(バンッ)

当たった木の表面が黒く焦げている


「ジル様

私、魔力量がとてつもなく上がった気がします

この程度のファイヤーボールなら何百発でも撃てますわ」

「そうじゃ

魔力量が上がる条件としてじゃな

魔力を限界まで使うことで、上限が引き上げられるということが分かっておるんじゃ

エリサは回復する度に、倒れるまで魔力を使い切っていたんじゃ

その度に魔力上限が上がり、一週間回復することで、今エリサの魔力量は全回復している

じゃがまだ並の魔導士といった所じゃろうな

ここからが上の魔導士になれるかどうかなんじゃ」

「宮廷魔導士を目指してますので、必ず乗り越えて見せますわ」

「では威力を上げるにはどうしたら良いか

まずは圧縮させる魔力量を増やすんじゃが、一度やってみい」


エリサはいつも以上に長い時間を掛けて魔力を放出して圧縮させた

だが、ある程度圧縮させて時間が経つと次第に魔力が霧散してしまい、積み上げることが出来ない


「ジル様

いつも以上時間を掛けて圧縮してみましたが、魔力が霧散してしまいます」

「その通りじゃ

じゃからなるべく早く、ゆっくりたくさんの魔力を圧縮させないといけないんじゃ」

「魔力を圧縮してる時、霧散しないよう押し留めないと…」


それからエリサは一週間魔力を使っては一週間休むという生活を繰り返した


「はぁ〜

全く出来ないわ…

私って全然センスないわね」

「エリサ、この指を見てみろ」


ジルは右手の平をエリサに向ける

すると指一本一本に風の刃が出来る

見た目は魔物の爪のようになっている


「・・・そういうことね!

ジル様ヒントをありがとうございます」

「ほっほっほ」


エリサは目を瞑り集中する

そして今までと違い、手のひらにファイヤーボールを創ろうとしない

まずは人差し指の先に小さいファイヤーボールを創り出す

次に中指の先にファイヤーボールを練り上げていく


「小さいとはいえ、同時にファイヤーボールを創り出すのは案外難しいわ」


二個目のファイヤーボールを中指に練り上げてる途中で、人差し指のファイヤーボールは霧散してしまう


「ああ

消えてしまったわ…」

「こればかりは何度も繰り返すしかないんじゃ

今まではわしが強制的に能力を引き上げれたが、これより先はエリサ自身で乗り越えるしかないんじゃ

ちなみにわしは両指から繰り出せるがのぅ」


(ボウッ)


さらにそれから一ヶ月、エリサはつい二本の指それぞれに、ファイヤーボールを練り上げることが出来た


「ほっほっほ

一ヶ月で二本も創り出せたとは、お主も予想以上の成長スピードじゃな」

「いえ、たかが二本同時に出来るようになっただけですわ

ジル様は十本も出せるのに…」

「わしが何年掛けてこのレベルに達したと思うてるのじゃ

死ぬまで鍛錬じゃよ」

「すぐ出来るようになってみせますわ!

そしたら私も宮廷魔導士に!」

「楽しみにしておる

ところで二本指でも良いから、それを手のひらの中心で合わせて圧縮してみるんじゃ」

「分かりました」


エリサは手のひらにゆっくり魔力を放出するのと同時に、人差し指と中指からも魔力を集める

すると短時間で圧縮することに成功する


「うぬ

それをあの木に放ってみろ」

「はい!

ファイヤーボール!」


エリサは高密度に圧縮されたファイヤーボールを放つ

狙った木に向かって行き、木に着弾する


(ボォォォォン)


ファイヤーボールが当たった木の約直径一メートルが、木っ端微塵に吹き飛ぶ


「ええー!?

私なんてファイヤーボールを…」

「これが並の魔導士か上の魔導士かの違いじゃ

戦の勝敗を左右出来るそんな魔法じゃ」

「これが五本指で練り上げて圧縮したら…

想像も出来ないわ…」

「しかし実践では、ただ圧縮させて撃つだけでは勝てないこともあるぞ

今回は拳大に圧縮して放っているが、例えばカイルの支えている石くらい敢えて大きくして、当たる範囲を広げてみたりじゃな

その辺は実践を積んでいくしかない」

「そうですね

そう思うと私って全然実践経験がないですね…」

「うぬ

じゃから、お主もこれからはカイルと別れて別行動に移る」

「別行動、ですか?」

「そうじゃ

今後はコビーに付いて回って、実践経験を積むのじゃ

期間はボーズの修行が終わる頃かのぅ」

「分かりました!

死ぬ気で学んで来ます!」

「ほっほっほ

ここで教わったことは続けるのじゃぞ」


それからエリサはコビーの下で、魔導士見習いとして暫し働くことになった

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