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episode 精鋭兵士の双子

【第四部】モデオ共和国編

サイドストーリー

後書きもお楽しみ下さい

一日一話投稿していきます

俺達は双子のタイラーとテイラー

俺の方が先に生まれたってだけで兄貴

テイラーが弟となっている

ほんの一瞬先に生まれただけで兄貴面するのは気に入らないらしいが、俺は俺でお兄ちゃんなんだからとかで色々我慢させられた事もある

そんで俺達は狩りをするのが大好きで、弓の扱いには自信がある


ある時エル隊長の目に留まり、兵士にスカウトされた

給金も貰えて狩りも出来るってんだから、まさに渡りに船だったのかもしれない

その後入隊したものの、あまり狩りには行けず、エル隊長の訓練(しごき)を受け、団体行動を強制させられる

他には、やれ柵の修理だ、やれ村民の揉め事の仲裁だとか、何で俺達がやらないといけないのか不満に思ってた

俺達は弓を使って狩りがしたいんだ!と

しかしそれからしばらくすると後輩ってのが出来た

その後輩達が俺達は雑用なんかしたくない!もっとカッコいい魔物を狩ったりしたいと言い出した

仕方なく後輩にはお灸をすえ、訓練(しごき)をして団体行動を強制させた

その他にも柵の修理や村民の揉め事の仲裁だってやらせたんだ

でもある時気付いたんだ、俺達もあっち側に立っちまったんだと

そしたらエル隊長がお前ら成長したなって、顔つきが本物の兵士になってきてるって喜んでくれたんだ

もう嬉しいのなんのって、それで俺達はエル隊長に一生付いていくって決めたんだ


それから数年経って、子爵が代わったっていうじゃないか

どんな子爵が来たのかと思ったら俺達と同じくらいの歳だった

そしたらそいつが王都の温室のお坊ちゃんという噂がすぐに立った

数日経つと何やら村の所々に貼り紙が出され、塩と魚介類の税金を五割、人頭税を月に一人銀貨五枚、子供も関係なく一人五枚とか言い出した

漁業関係者はそれなりの収入があるだろうけど、俺達兵士や農民達はかなりキツかった

エル隊長は子爵の屋敷に殴り込みに行ったけど、やつは私兵を連れて来てて、取り押さえられてしまったらしい

それでクビを言い渡されて、責任感の強いエル隊長が俺達に謝ってくれた

何も出来ずにすまんって

じゃあ俺達もエル隊長に付いて行きますってことで、数人の仲間と共に辞めたんだ


それから一ヶ月ほど経ったある日、また事件が起きた

なんと商業ギルドが接収されたらしい

なんでも支部長が陳情を送りに行ったら、反逆罪として捕らえられてしまったようだ

商業ギルドの支部長を捕えるなんて、必ず大事になるようなことをやってしまうようなバカなんだと、改めて感じたんだ


そしたらカイル達が来た

何やら商業ギルドのパージさんと支部長の救出作戦をするって

俺達は火消しだけでも手伝ってくれって言われて、人殺しはしたくなかったから、それなら良いかってことで参加したんだ

エル隊長は顔が割れてるから参加したくても出来なかったようだ

それでボロボロの洋服をみんなで着て、屋敷の近くで待っていたら、本当に屋敷が火事になってるじゃないか

それですぐに屋敷の中に入って、水をバケツリレーして消したんだ

火は思ったより弱かったみたいですぐに消えた

おそらく藁でも燃やしたんだろう

気付いたら何人か増えてて、みんな慌てて屋敷を後にしたんだ

本当の火事だったらお金が貰えるまで帰らないぜ

多分エル隊長には怒られるけどな

俺達はバラバラになって隠れていたんだけど、凄い大きな音がした後に、ガシャガシャと鉄が擦れる擦れる音がたくさんして、見に行ったら子爵は倒れてて、伯爵様の兵団が子爵の私兵どもを制圧してたんだ

ああ、これでこの村は元に戻れるんじゃないかって思ったんだ


すぐその話をエル隊長に報告したんだ

そしたらエル隊長は、そのまま伯爵様が居る子爵の屋敷に、直談判に行ったんだ

すぐ帰って来たからなんて言ったのか聞いたら、次の子爵は大きな街から連れて来たやつじゃなくて、村の事をよく知ってるやつにしてくれってお願いしたんだと


その後伯爵様から三年間無税って言われて、カイルには本当に感謝した

たぶん村の英雄になってると思う

それからエリサって女が兵士を募集してるって聞いて、エル隊長と俺達は応募したんだ

そしたらエル隊長なんていきなり兵士長に任命されて、あの時は俺達も鼻が高かったぜ

カイルは人が良さそうだったから、ついでに軍服を一年に一着くれって言ってみたんだ

そしたらくれるって言うじゃないか

兵士って汚れ仕事も多くて、服が結構すぐにダメになっちまうんだ

だから中古のお古を買ったり貰ったりしてたんだ

そんでそれを聞いたカイルが、ビッグシーパーの毛で新品を作ってくれるって聞いて、ますますカイルが好きになったんだ


ただ兵士の数が明らかに足りなかったんだ

そしたら野菜の栽培をやめるって

正気か?と思ったけど、その後ローズ村から新鮮で美味しい野菜がたくさん入ってくるようになったんだ

野菜嫌いのテイラーなんかバクバク食べてたからな

それで野菜を作ってた人達の大半は兵士に応募してくれて、何とか人数だけは集まったんだ

これで村を守れるって思ったんだけど、西側にある森林を開拓するって言うじゃないか

あそこは昼間でも薄暗くて魔物やらキノコやらがたくさん獲れて良いところなんだが、まさか木を切り倒すなんて思い付かなかった

なんでも船を増やすって話だ

俺達にはよく分からないけど、枝は薪や木炭にもなるし、村のためになると思って進んで仕事をしようって思ったんだ


でもよ

ろくな斧がないってことに気付いて、エル隊長に確認したんだ

そしたら武器を溶かしちまって、それで斧を造るって言うじゃないか

カイルの話だと最近の都会の兵士は、フルプレートや鎖かたびらで身を守ってるって

この根性なしどもが!って思ったけどな、ははは

まぁそんなんで武具職人に頼んで斧を造って貰ったようなんだ

この武具職人に俺達のダチが居るんだが…

その話はまた今度にしよう

それで俺達はエル隊長に選ばれて森林の探索に出たんだ

そしたらラビットとトットリーが居て、カイル達がトットリーを倒してくれたんだが、俺達はあんまり斧の扱いに慣れてなくて、取り逃しちまったんだ

そんで俺達慌ててすみません!って謝ったんだが、苦笑いしながら許してくれたんだ

本当は弓さえ持たせてくれたら、ラビットでもトットリーでも余裕でやれるんどけどな

しかもカイルの血抜きの手際の良さったらないぜ

まぁでもボーズには勝てると思ったな

それから俺達は木の伐採をしてたんだ

そしたらボーズが戻って来て、ゴブリンを見つけたって、今日のところは様子を見るって話になったみたいだ


それからカイル達がゴブリンの群れの調査に行くってなって、エル隊長も志願したらしいが、村を守ってくれって言われて渋々了解したみたいなんだ

そんで数日経つとボロボロの三人が帰ってくるじゃないか

俺達は慌ててエル隊長のところに報告に行ったんだ

そんでエル隊長すんごく怒ってて、やっぱりあの人怒ると怖いんだよなってみんなで話してたんだ

そしたらエル隊長が帰って来て、今度は絶対に譲らんって言ってたんだ

ああなったらもう止められないんだよな


それから一年の間に俺達は新人の兵士の訓練しごきをしてゴブリンごときならやられないレベルになったんだ

森林に行って、魔物を射って、木を切って、蒸し風呂に入ってと充実した日々を送ったんだ

蒸し風呂なんて俺達は気に入って毎日入っている

男も女も分かれてないから、最初は興奮したんだけど、ああも普通に全裸になられちゃうとこっちも何も感じなくなったんだ

そうこうしてたら西の方でドンパチ始まっちまったってことで、俺達の何人かはエル隊長に選ばれて戦に行くことになったんだ

選抜基準を聞いたら独身の者って

俺達に死ねっていうことかと思ったね


いよいよ出航になって、俺達の父ちゃんと母ちゃんが見送りに来てくれた

二人ともめちゃくちゃ泣いてて、俺達は泣くのを我慢して笑顔で手を振ったんだ

そのまま感情にふけってたら、船酔いして一日中ゲロを吐いて魚に餌をやったんだ、いつか食い返してやるんだと誓ったんだ

もう二度と乗りたくないってその時思ったけど、村から出て色んな景色見るのも悪くないって思ったんだ


そんでやっと目的地に着いたかと思ったら、まず荷馬車の組み立てから始まったんだ

そんなん組み立てたことなんてないから、何人か指を痛めながら一生懸命組み立てたさ

そしたらカイル達はこれに乗らねぇって、俺達は目を疑ったけど、きっとカイルには何か考えがあるんだって言い聞かせて、先にデールに行くことにした

死ぬ前にデールで恋人を作ろうと兄弟で誓ったんだ

良ければこの双子の応援をポチッとお願いします!

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