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全軍出発

【第四部】モデオ共和国編

一日一話投稿していきます

所は変わりデールの話に戻る

「みんな、着いたぞ

ここがデールのようだ」

「街を取り囲む外壁が大き過ぎるよ…」

「これは凄いわね、何メートルあるのかしら…

十メートルくらいはない?」

「それくらいはありそうだな

こんなでっかい外壁作るのは、さぞ大変だろうな」

「まぁこんな外壁があったとしても、今となってはそうそうここまで攻め込まれることはないだろうけどな」


カイル達は高さ十メートルはあろうかという、レンガで積み上げられた外壁を見上げる

横を見渡すと、続々と徴兵されたであろう兵士が集まって来ているのが、あちらこちらに見える

ボロボロの洋服の兵士の一団や、馬に乗り全身金ピカに包まれた騎士、見た事ない武器を担いでいる兵士など様々だ

また兵士の後ろには、戦の物資と思われる荷馬車もずらーっと続いている


「みんなあっちの方に進んでいるな

おそらく街へ入るための門があるのだろう」

「なら、僕達も行こうよ」


カイル達は大きな門の近くに着く

門は高さ五メートルで幅は二、三メートルの縦長の立派な門だった

縦長なのは敵の侵入を防ぐために、守りやすいためだろう

また門自体はモロの細木を何本も並べて、その上に鉄板のような物を被せているようだ

左右に太いロープのような物が、門の歯車に引っかかっており、それを巻いたり緩めたりすることで開け閉めをしていると思われる


順々に門で受付をしており、いよいよカイル達の出番が来る


「よく来てくれた

いきなりだが、来た場所と人数と物資を確認させて貰う」

「おれ達はマルス公爵領のトール伯爵様管轄領の、エンペス村という所から徴兵されて来ました

人数は全部で十人と資材ですが、おそらく先に受付しているかと…」

「ちょっと待ってくれ」


受付した兵士が後ろの小屋に確認に行く


「確認が取れた

先に来た者達は街の外に駐留している

物資に関しては既に納めて貰っているから大丈夫だ」

「ええーと

おれ達は中に入れないのでしょうか?」

「ああ、悪いがさすがに全兵士は入れないんだ

伯爵様の直属の兵士までだ

それだけでも五千人くらいにはなってしまうがな」


デールの人口はおおよそ二万人と言われている

そんな街に五千人もの兵士が入ってくるだけで、街は押し合いへし合いになる


「そうですか…

街の中を観たり、買い物をしたりは出来るのでしょうか?」

「申し訳ないが、それも出来ない

中は既に人でごった返して、収拾がつかなくなってきているらしいんだ

もし何か必要な物があるなら、中の伯爵様以上の直属の兵士にお願いするんだな

おそらく伯爵様の家臣達が見回りに来るだろうから、そこでお願いするのが良いと思うぞ」

「分かりました

色々教えて頂きありがとうございます」


カイル達は門の兵士にトール伯爵様管轄の兵士達が、駐留を許されている場所を教えて貰い向かった

向かった先には六人の精鋭兵士がテントを張っており、長旅の疲れかあまり元気のない様子であった


それから一週間すると、トール伯爵様が来ておれ達を労ってくれた


「カイル達よく来てくれた

長旅で疲れただろう

我々の方が早いかと思ったが、いつ頃到着したんだ?」

「それが船で途中まで来まして、そこから馬に乗って来ました」

「馬で、か?

お前達はこっちの方面に何か伝手でもあったのか?」

「あ、いえ

船に馬と荷馬車と物資を載せて、ここから先の街道に降りて、それから馬車に…」

「普通に言っているが、馬五頭に三台の荷馬車に物資だと?そんなに大きな船をいつの間に持っていたんだ

やれやれ、お前達には本当に色々驚かさせられるな

まぁ…俺にとってメリットしかないし、引き続き自由にやってくれて構わんが」

「うちの村民や商業ギルドがやってくれるんですよ」

「それはお前の力によるものが大きいとは思うがな

まぁいい

それで何か必要な物はあるか?

代わりに街の中で買ってこよう」

「それなら武器は支給されないようなので、長弓を買って来て頂けますか?

持ち運びにくいので、我々のは村に置いてきてしまっているのです」

「今回は後方支援で物資の運搬のみだぞ?

長弓なんて持ったって仕方ないと思うが」

「ええ、使わないに越したことはないのですが、配置的に剣同士で斬り合う可能性もないと思いますし、長弓があれば獲物の狩りにも役立ちますしね」

「まぁお前がそういうなら用意しよう

ちゃんと来てくれた餞別で、こちらで費用は負担しよう」

「貰えるものは貰う主義なので、有難く使わせて頂きます」

「はっはっは

その図々しさは親父譲りだな」

「よく言われます」

「一応出発は全軍揃い次第だが、揉めなければ一ヶ月以内には出発になりそうだ」


それから一ヶ月が過ぎて、予定通り全軍出発の合図が出る

カイル達は後方支援で、荷馬車で持って来た物資の運搬をすることになった


兵団の中の貴族と思われる男が叫ぶ

「エンペス村の兵士達はいるか!?」

「はい、ここに!」

「お前達は武器輸送の後に続け!

食料輸送隊に混じって、塩と魚介類の運搬をしろ!」

「はい、分かりました」


カイルの声の後、貴族と思われる男が続く

次……村!お前達は……の運搬をしろ!

続々と配置が発表されていく


「カイル、僕達はやっぱり安全なところそうだね」

「ボーズ、油断は禁物だ

判断を謝れば取り返しのつかないことになるぞ」


その後カイル達は指示された通り配置に付き、食料輸送班の方々と挨拶を交わし出発する

そのまま道中に野営をしながら、四日掛けてウィンブルに着く

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