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セラスという男

【第四部】モデオ共和国編

後書きもお楽しみ下さい

一日一話投稿していきます

モデオ共和国

このモデオ共和国というのは十二の国から構成され、大国に対抗するために作られた国である

政治は議会制を取っている

十二の国から議員が一人づつ選ばれて、政治の決め事は多数決により決定する

議長は一年毎の順番制となっており、基本的には議員同士は平等な立場である


モデオ王国内の西側の国境にて

「なに!?カンタラス王国が緩衝地帯の村を接収しただと!?」

「はい、見張りの兵士達によると、カンタラス王国の旗が掲げてあったそうです」

「緩衝地帯を取られる訳にはいかん

すぐ議会を開くのだ」


数週間後

モデオ共和国の議事堂に十二の国の議員が集まる

各議員の格好は様々で、フルプレートで来る者、軍服に身を包む議員、絹のローブで来る者、各国の文化が出ており三者三様だ


カンタラス王国に面している国の議員が口火を切る

「我々との国の間にある緩衝地帯に、カンタラス王国が攻め込んで来たのだ

このまま見過ごすことは出来ん

兵を差し向けて撤退させなければならん

ということで議長!

カンタラス王国との戦に賛成して頂きたい!」


絹のローブを着た議員が話す


「いや、待て!

戦って勝てる相手ではない

全面戦争になれば総力戦は免れぬぞ!

ここは使者を出して様子をみようではないか」


軍服に身を包んだ議員は立ち上がる

「そんな弱腰では我らが舐められるぞ!

ここは断固として武力を見せ付けようぞ!」


議長が場を落ち着かせる

「えーでは、皆さんに問う

戦に賛成の方は挙手を

・・・

賛成八に反対四ということでカンタラス王国と戦をすることにする

多数決で決まったことは絶対です

もはや反論は認めません」


軍服の議員が再び立ち上がる


「では、国軍の指揮はうちが取ろう!

うちは戦いの経験も多く適任であろう!」


次にフルプレートの議員が話し出す


「笑わせるな!

お主らは南の蛮族と戦っているだけだろう!

あんな作戦もないやつら倒したところでなぁ!」


議長が再び場を落ち着かせて話し出す


「それでは国軍を三つに分けてはいかがかな?」


議長が提案したのは、フルプレートの議員を指揮官にした一つ目の東軍

軍服の議員を指揮官にした二つ目の南軍

議長を指揮官にした三つ目の中央軍


「それならかまわん」

「わしもじゃ」

「では、三方向から同時に攻めるということで

時期は六十日後に侵攻を開始する」


議会では兵数や補給方法等を話し合い、議会が終わったのはそれから三日後だった


ここは共和国内の国マゼラン

軍服を着た男の統轄地域

そして男の名はアクムンド


「アクムンド様、おかえりなさいませ

議会はどうでしたか?」

「セラス、我が国は南軍の総指揮官となった

早速だがお前を作戦参謀長に任命する」

「それは光栄でございます

して兵数と同時侵攻の日時は?」

「兵数は各軍三千、合計九千となった

おそらくカンタラス王国は一万から一万五千程度になるだろう

我々としては、緩衝地帯で小さい村を取り返すだけだからな

三箇所から同時突撃して村を奪還し、後は守りを固めるのみ

日時は残り五十日を切った、時間は朝九時だ」

「分かりました

では、我が国マゼランからは千五百は出しましょう」

「まぁ総指揮官だしな、半分は妥当なところだろう

他の三国への割り振りもお前に任せる」

「はい、お任せ下さい

それといくつか策がございます

これには少しお金が必要でございまして…」

「掛かったお金については共同軍事資金から捻出するから心配するな」


このセラスという男、元々は傭兵で各国の戦を転々としていた

ある戦にて大活躍をし、アクムンドの目に留まりスカウトされる

その後はアクムンドの参謀として、戦では連戦連勝を記録し、ついにアクムンドをマゼランのトップである議員まで押し上げた


セラスの屋敷にて


「セラス様

作戦参謀長おめでとうございます

して今回はどのような作戦で?」

「ああ、それはだな

うちの騎兵隊五百を別働隊にする」

「それはまた騎兵隊五百で何をするのでしょうか?」

「まぁ待て、慌てるな、ゾルグ

まず全体の話からしてみようか

相手は一万〜一万五千の兵数になるだろう

そうすると最前線に到着するのは、兵数が少ない分うちの方が早い

おそらく緩衝地帯の村なぞ大した防衛能力もないから、取り返すことは簡単だ

そこから我々はただ防衛して相手との和平を待てば良い

しかしそうなると、この南軍が武勲を上げることが出来ない

なら何が出来るって考えたら、和平で好条件を引き出すことなんだ

その好条件を引き出すためには、相手が戦を長引かせたくない状況にしなければならない

そのための別働隊だ」

「もったいつけないで教えてくださいよ

その作戦を」

「ゾルグ、俺の右腕になろうと思ってるなら、その頭で少しは考えるんだな」

「へいへい、分かりましたよ

もう少し考えてみますよ」


そうして、セラス達は作戦決行に向けて準備を進めて行く

【人物紹介】

アクムンド

年齢:五十歳

生い立ち:灼熱の国メルティアで生まれ育つ

家族構成:両親は他界しておりメルティアで商人をしていた

一人っ子、独身

特技:計算、演説

Episode:商人として訪れたマゼランでセラスと出会い武器商人を始める

その後、商業ギルドから声が掛かりマゼラン支部長まで昇り詰める

マゼランを強国に変えようと議員に立候補、熱い演説が民衆の心を掴み当選する

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