表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/73

episode セダ②

【モデオ共和国編サイドストーリー】episode セダ

一日一話投稿していきます

うちの子、名前はカイルというの

歳はこの前十三歳になったの

背はここ一年でさらに伸びて、私ももう少しで追い抜かれそう

しかも村長なんてやっちゃって、村の女の子からモテモテに違いないわ

相変わらず剣術の方は、毎日素振りをしているのを私は知っている

ゴブリン討伐の話を聞いてる時、心配過ぎて私は居ても立っても居られなかった

でも結局全員無事帰って来る事が出来て、さすが私の息子だと思ったわ

しかもこの一年でついに魔法を意識して使えるようになったみたい

あれは風魔法で、実は私の得意魔法なの

他にもまだ気付いてない魔法を使ってるけど、私は言わない

それが親だもの


さらにカイルが村長になって一年、エンペス村は凄い発展を遂げているらしいの

その恩恵を少なからずこの村も受けているの

他の街や村からエンペス村を目指してくる人々がここを通るんだけど、ここからエンペス村まで半日掛かるから、この村で泊まって行く人も増えたみたい

でもちゃんとした宿ってものがこの村にはなくって、エンペス村でおやじの宿をやってるケイさんって女性を紹介して貰ったの

そしたらおやじの宿ローズ村店を開いてくれるって言うじゃない

私もお食事だけ食べに行ったんだけど、特製のお魚のスープがとっても美味しくて、ついついお代わりしちゃった、てへへ

しかもケイさんってとっても美人で元気が良くて、ケイさんならカイルとって思っちゃったわ

ゴホンッ

話しを戻すわね


「なに、トールから手紙のようだ

・・・

東のユリウス公爵がモデオ共和国と戦を始めたって!?

これは大変だ

徴兵の命令が来るぞ!」

「あなた、この村も徴兵されちゃうの?」

「ああ、うちの村だけ特別扱いは難しいだろう

しかし物資の提供次第では交渉可能だと思う」

「それならカイルのところもそうなるのよね?

そうなったらあの子絶対自分が行くと思うわ

ああ見えて正義感強いし…」


その後エイルムと話し合って、私達がカイルを助けようってなったの

待っててよね!カイル


セダはすぐにトールの下へ馬を走らせた


「トール

手紙ありがとう

大変な事になって来たわね」

「セダはこんな時しか来ないな、ははは」

「何度も言うけど私はあの村が好きなの

だからなるべくあの村に居たいの」

「分かったよ

ところでエイルムはなんだって?」

「その事なんだけど、穀物の値段が上がってるのはこちらも掴んでるって、だからトールは穀物が喉から手が出るほど欲しいだろうから、徴兵と引き換えに穀物を提供するって」

「ほぅ

さすがエイルムだ

しかし徴兵を免除するには多少穀物を提供したからって免除にはならんぞ」

「ええ

だからこの手紙を渡してくれって

提供出来る量が書いてあるわ」

「どれどれ・・・

ははは、あっはっはっは

あの村でなぜこんな規模の穀物を提供出来るんだ

さすがエイルムだ

いやー愉快だ!

どこまで話を読んでいたのか怖くなるな

分かった

徴兵は免除しよう」

「ありがとう」

「しかしカイルのところはそうはいかないぞ!

あそこは塩と魚介類があるがエイルムと違って、徴兵を免除するほどは提供出来ないだろう」

「ええ、その辺はカイルの判断に任せるわ」


セダはバルボンを後にする

全てエイルムの読み通りになったわね

さすが私の愛した旦那さん

本当に頼りになる人

これで私は…ふふふ


一週間後

(ガラガラガラ、ゴトゴトゴト

ヒヒーン)

ローズ村に、トール伯爵の紋章が付いた馬車が止まった


「私はトール伯爵様の遣いで来ましたドウェインと申します

本来は先に手紙を送るのが礼儀ですが、早急で重要な話でしたので、直接お話したく参りました」

「いや、気にしないでくれ」


ドウェインはモデオ共和国との戦について説明する


「それで今回はこのローズ村には、穀物を提供して頂くことになりました」

「分かった

言われた量を提供しよう」

「は、話が早くて助かります

この手紙にいつまでにどこにどれだけ運ぶか、書いてありますので確認して下さい

では、私は次がありますので失礼します」

「エンペス村に行くんだね

気を付けて」


使者が行ったわね

ああーもう

あの子が困っている最高のタイミングで登場したいわ…

その時あの子が、母さん!って泣き付いて来るのが目に浮かぶわ、ふふふ

待ってて、待っててねカイル!


でも…あの後我慢出来なくてすぐに出てしまったから、使者を追い抜いてしまったわ

私としたことが…

とりあえず使者が村に入って出て来るまで、村の外で待機ね


それからしばらく時間は経つ

よし、使者が出て行ったわね

行くわよー!

(ヒヒヒーン)

ここがカイルの屋敷ね

(コンコン)

カイル〜!

久しぶり♪

全然村に帰って来ないから来ちゃった♪」

「母さん

どうしたの!?」

「どうしたって失礼ね!

母親が息子に会いに来て何が変なのよ!」

「そ、そうだね

今ちょっと立て込んでて…

ごめん忙しいんだ…」


困ってるわカイル

ふふふ


「あれでしょ?

徴兵の事でしょ?」

「母さんなんで分かるの?」

「トールの使者がうちの村にも来てね

徴兵の依頼があったわ

多分免除でも良かったんだろうけど、周りの目もあるし、うちの村からは穀物の提供だけで良くなったのよ」

「あはは、母さん達ホントにどんだけ伯爵をお世話したのさ」

「それでね、あなた達のところは徴兵は免れないだろうし、戦の間だけでも手伝いに来たのよ」

「あ、パージさんとエルさんは初めてだよね

こちらうちの母さんのセダ

今はローズ村でしがない主婦をしてるんだ」

「ははは、しがない主婦のセダです♪」

「エルです、初めまして

この村で兵士長を任されています」

「商業ギルドの副支部長のパージだ

もしかしてセダってあの疾風の…」


あの人、私のこと知ってるのね

でもそんな昔のこと掘り返されても困っちゃうわ

瞬脚!


「オホホホホ

私はしがない主婦よね?パージさん?」

(い、息が出来ない…)


あら、マズいわ

目が血走って来ちゃったわ

解放しなきゃ


「ブッハァハァ、そ、そうそう

何かの勘違いだった

しがない主婦のセダさん宜しくお願いします」

「母さんは昔冒険者だったらしいんだよね

母さんならこの村の事を任せられる」

「うん、その辺の魔物相手なら一人で倒せるから安心してちょうだい♪」

「カイル

そうと決まったら俺も行くぞ、良いな!」

「分かりました

それじゃあメンバーは、俺達三人とエルさん、それと他の六人はエルさんに任せます」

「よーし、こうしちゃいれない

早速準備に取り掛かるぞ!」


やったわ私

カイルの私を見る目ったらもう…

良ければポチッとセダの応援お願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ