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【第四部】モデオ共和国

【第三部】エンペス村開拓とゴブリン

後書きもお楽しみ下さい

一日一話投稿していきます

あれから一年が経ち、カイルは十三歳になった

まず兵士は四十人に増えた

増えた理由として、三年間無税という噂が他の街や村に広がり、移住者が増えたためだ

現在の村民の数は、約四百人とこの一年で約百人も増えた

大半は漁業関係の仕事に就いたが、一部は給金が貰えることや、軍服がカッコいいということで、兵士やパン屋など領主管理の元で仕事をしたいとの応募があった

軍服はビッグシーパーの糸から作られたチュニックで統一されている

そして、現在の人員の割振りはこうなっている

森林魔物討伐班が精鋭五人とカイル達三人

森林開拓班が十人

それから昼間の見張りが五人

村の中の警戒や手伝いが十人

夜間の見張りが十人

特に森林開拓班が、建築材や船の材料や薪や木炭を、安定して大量に生産出来るようになり、色々な面で良い効果が表れていた

さらにエルの訓練の成果により、全員がゴブリンと戦えるレベルになっている


そして村の方はというと

まず製粉を改革することにした

今まで製粉する際は、領主管理の共同水車内の製粉機を使わせ徴税していた

そのためいつも混んでおり、やる事が多い村民の不満となっていた

また徴税逃れで、隠れて自作の石臼でひくこともあったらしい

それを無税にし、水車を二つに増やした

すると不思議なことに、領主管理の共同窯を運営しているパン屋三軒にパン焼き依頼が増え、結果として村の収入が増える自体となった

おそらく税逃れしてた人々が内緒で食べてたのを、パン屋を利用するようになったのだろう


またパン屋の窯の稼働率が増えると、パンを焼いた熱源が勿体無いということになり、一ヶ所だけ試しに隣に蒸し風呂を建てた

するとそれまでは水で体を拭う程度が普通だったが、気軽に体を綺麗に出来るということで、大当たりとなった

そのおかげでパン屋三軒とも全てに蒸し風呂を隣接することにし、これは村民の社交の場としても使われ、大好評であった

もちろん蒸し風呂は大人銅貨ニ枚、子供銅貨一枚と誰でも払える金額に設定してある


蒸し風呂が大成功すると、今度はついでに食事もしたいとの要望もあり、今後昼間に軽く食事や飲み物を楽しめるお店も開きたいと思っている


そして、主業の塩や魚介類はというと


「パージさん

毎日ご苦労様です!

塩や魚介類の製造や輸出はいかがですか?」

「おうカイル

それはもう順調順調よ!

村民が増えたお陰で塩田の面積も増やせたしよ、船の漕ぎ手も増えて増便出来てんだ

そうなると今まで帰りの便は食料で手一杯だったが、余裕が出来てよ、重量物の鉄製品やレンガなんかも入ってくるようになったんだ

海沿いのお金に余裕がある一部の連中は、レンガ造りの立派な家を建ててるぞ!

将来お金持ちの保養地になっちまうかもな、ははは

そんで俺のやりたかったことだが、もうすぐ完成するんだ、だからもう少し待ってくれ」

「大丈夫ですよ

パージさんのお陰で村の収入も順調に増えていますし、人もどんどん移住してきています

お金の事は心配しないで下さい」

「分かった

完成したらいの一番に連絡するからよ!」


そしてカイル達三人はというと


「カイル、今週の予定だよ

月曜日は森林の魔物討伐

火曜日は薬草採取ときのこ採り

水曜日はエルさん達と稽古と、魔物襲来を想定した兵士全員での訓練

木曜日は森林の魔物討伐

金曜日は商業ギルドとの打ち合わせや、領主管理の施設の巡回

土日は休みにしているけど、村民が急に増え過ぎて家の建築の手伝いに行かなきゃならないよ」

「ボーズ、覚悟はしていたが村長ってのはとんでもなく忙しいな

ただ普通に暮らしたいだけなんだけど…」

「今は村も発展してるし、しょうがないよ

まぁ僕はエリサとずっと居れるし満足してるけどね」

「サラッと言うわね

何だかそれを普通に受け入れちゃっている私が居るわ」

(パンッ)

「はい、お二人の熱々話は終わりにして、森林に狩りに行こうか」


この一年、カイル達は休む事なく鍛錬を続けていた

そのお陰でカイルは、木に傷を付けるほどの斬撃を飛ばすことが出来るようになっていた

ボーズは相変わらずただの馬鹿力だ

エリサは小さいながらもファイヤーボールを撃てるようなった


「カイル

あなたのその斬撃って、やっぱり風魔法じゃないかしら」

「風魔法なのかな

エリサみたいに手から出す事は出来ないんだよなぁ」

「ちょっと分からないけど、撃った後に力が抜ける感覚があるでしょ?

それは魔力を使っている証拠だわ」

「ふっふっふ

そうなるとおれもついに魔法を使いこなせたのか

剣を通じてだが、こうして長年の夢であった魔法を使えるってだけで感慨深い」

「カイルは昔から魔法への拘りは凄かったからね」

「いずれ国を代表する魔導士に!

なーんてな」

「魔導士になるのは私の方が先よ!

負けないんだからね!」

「さぁて、今日はラビットとトットリーをメインにイノやビッグシーパーが居れば狩ってくぞ」


三人は今日も魔物を狩っていく

夕方村に戻ると、商業ギルドのパージが屋敷の前で待っていた


「カイルちょっと悪い噂がある」

「そうですか、ここでは何ですから屋敷で話をしましょう」

「あと一応エルも呼んでくれ」

「何やら物騒な話になりそうですね…」

【施設紹介】

エンペス村のパン屋

木造りの店構え、中に入ると中央の大きなテーブルにパンが無造作に積み上げられている

カウンターがあり、その奥にはレンガ造りのかまどが見える

かまどの室内側は半楕円形に開口されていて、そこから長い木製トレーでパンを中に入れることが出来る

燃焼室は大規模パン屋だと大量の木炭を必要とするため、簡単に木炭を投入出来るよう建物の外側から火を焚べることができ

火の番人がパン職人と意思疎通を取りながら常に火力を調整している

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