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決着の時

【第三部】エンペス村開拓とゴブリン

後書きもお楽しみ下さい

一日一話投稿していきます

その頃ボーズは攻撃手段がなく、依然防戦一方であった


「ハァハァ

あれから短剣で何度か刺したがやはり筋肉を貫けない、どうしたもんか…」


と、ボーズが油断した瞬間

ゴブリンキングの振り回した拳がボーズに当たり、ボーズが吹き飛ぶ

頭から血を流し、穴倉の中でふらふらしながら立ち上がるボーズ


「いたたたっ

これは良い一撃を喰らってしまった…

何発も貰えないな」


その時、穴倉付近に大きな魔物の骨が落ちているのをボーズは発見し手に取る


「これだぁ!!

うぉぉぉぉぉ」


ボーズは大きな魔物の骨を、ゴブリンキングの脇腹に一撃を入れて吹き飛ばす

ゴブリンキングは悶絶し、四つん這いになって涎を垂らす

するともう一匹のゴブリンキングがボーズにも石を投げるよう指示をする

まだ百はいるゴブリンのうち、約五十はボーズへ石を投げる

ボーズは骨を盾にするが、肩や足に石が当たり動きが鈍くなる

そして、そのうちの一つがエリサに当たりエリサはうずくまる


「エリサァァァ!

くそがぁ!

エリサになんて事を!!」


ボーズの体が一瞬光る

ボーズが踏み込み突進すると、その足が着いた瞬間から地面が陥没する

起き上がっていたゴブリンキングの元へ一瞬で辿り着くと、ボーズが骨を振り回す

ゴブリンキングは反応出来ずに、左腕ごと脇腹に骨がめり込む

ゴブリンキングが再度悶絶した瞬間、骨が真っ二つに折れてしまう

ボーズは骨を投げ捨て上へ跳ぶ

体を大きく反って右手を振り上げる


(うぉぉぉぉぉ)


そのまま素手でゴブリンキングの顔面を殴る

ボーズの拳がゴブリンキングの顎を撃ち抜き、顎が顔から分かれて吹き飛ぶ

ゴブリンキングは顔面から倒れ込み絶命する

そしてボーズも地面に倒れ込んでしまう


「ボーズ!やったか!

あとは俺に任せろ!!

ふぅぅ〜

うぉぉぉぉぉ」


カイルもここに来て動きが速くなる

ゴブリンを次々斬りつけて回る

ゴブリンの返り血を浴びて、全身紫色に染まる

残りのゴブリンキングも焦ったような声を上げ、自らも死んだゴブリンの頭部を持ち、投げようとする

ゴブリンに集中していたカイルには見えていない


「ッファイヤーボール!!」


エリサが放ったその一撃はゴブリンキングの顔に直撃し、ゴブリンキングの叫び声と共に顔から煙が上がる

そしてエリサは立っていることが出来ずに片膝をつく


「エリサ!助かった!」


カイルが倒したゴブリン、その数約二百

全てを倒し切り、あとはゴブリンキングを残すのみ

ゴブリンキングはエリサの攻撃で片目を負傷していた

カイルはゴブリンキングに向かって走り、短剣を突く

ゴブリンキングは特に防御をしない

短剣が筋肉を貫けないことを知っているような動きをし、カウンターを狙ってくる


「倒れろぉぉぉぉ

うぉぉぉぉぉ」


突き出した短剣の切先から斬撃が生まれ、ゴブリンキングの胸を貫く

ゴブリンキングの胸にぽっかりと穴が開き、ゴブリンキングは地面に倒れ込み絶命する

ついに三人はゴブリンキング達を全滅させる


「ハァハァハァ

またあの時と同じ感覚だ

全身の力が抜ける

エリサ!大丈夫かぁ!?」

「私は大丈夫

魔力を使い過ぎてしまっただけよ

でもボーズは!?」

「ボーズはおそらく、おれの見間違いじゃなければ力を使い果たしただけだ」

「ほんとに死ぬかと思ったわ

今更だけど手が震えて来た」

「ああ

おれも死を覚悟して、二人だけは何とか逃そうと考えていたんだが、実際は二人に相当助けられてしまった

ありがとう」

「良いのよカイル、まだ動けるのなら早めに洞窟から出ましょう」

「そうだな

っと一応ゴブリンキングの討伐素材のキバは採取しておこう、あとで売れるかもしれない」

「ほんとにちゃっかりしてるのね」


カイルはボーズをおぶり

エリサは魔法でほんの小さな火を付ける

そのまま洞窟の外へ出て、カイルはボーズを地面に寝かす


「エリサ、ボーズにそのリュックに入ってる水袋の水をぶっかけてくれ

重くて堪らん」

「そうね、じゃあ思いっ切りやるね!」


エリサによって豪快に水をかけられたボーズは目を覚ます


「ぐはっ

エリサ!

ゴブリンキングは!?

どうなった!?」

「ボーズ、あなたが一匹倒してくれて

二百は居たゴブリンと、もう一匹のゴブリンキングはカイルが倒したわ」

「ははは

さすがカイルだ

ありがとうね」

「いや、礼を言いたいのはおれの方だ

今回洞窟に他の出入り口がある可能性を考えずに、みんなを危険に晒してしまったんだ」

「カイルの責任でも何でもないよ

現にこうしてみんな生きてるじゃないか」

「そう言ってくれるならいくらか救われるが、やっぱり力不足を感じたんだ

もっと強くならないとだな」

「僕も追い付けるように頑張るよ!」

「私も二人に比べたら全然役に立たなかったし、もっと魔法を使いこなせるようになるわ!」

「よしっボーズ、自力で歩けるだろ

そろそろ村に帰ろう!」

「「うん」」


カイル達は昼過ぎに村へ着いた

ボロボロになって帰って来た三人に村は大騒ぎ

その報告を精鋭兵士から聞いて、エルは慌てて駆け寄って来た


「一体どうしたんだ!?

三人共ボロボロじゃないか!

調査に行っただけじゃなかったのか!?」

「それが…ちょっと想定外のことが起きまして…ゴブリンの群れを壊滅してきました…」

「なにーーー!?」


カイルは事の成り行きを、エルや後から慌てて来たパージにも伝えると、三人は二人にこっ酷く叱られた

これにて第三部は終わりです!

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