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鍛冶屋

【第三部】エンペス村開拓とゴブリン

後書きもお楽しみ下さい

一日一話投稿していきます

翌日カイル達三人は、村へ必要な物の買い出しに出掛ける


「まずは装備から揃えようか

今おれ達はただのウールの布っ切れしか着てないからな」

「僕は動き易くて好きだけどね」

「私は動き易いズボンが欲しいわね」

「じゃあ鍛冶屋に寄ろうか」


鍛冶屋と一言で言っても様々な分野に分かれている

武具職人は、主に火炉を使って鉄を精錬するか刃物の研ぎ直しをしている

防具職人は、この村では金属製より魔物の革の縫製や木製の盾の製造が多い

農具職人は、本来畑を耕す物を造るが、ここでは塩田用の農具を多く造っている

調理具職人は、この村では土鍋がまだまだ需要があり、土鍋造りが大半となっている

他に家具屋、食器屋

薪木炭屋はこの村の産業を支えており、この中では一番働いている人が多い

大きい町に行くともっと細分化されているらしいが、ここでは全て領主の管理の下、運営されている


カイル達はまず防具職人のところを尋ねた


「これは村長

今日は何用でしょうか?」

「そんな畏まらなくて良いですよ

ええと、今日はちょっと森林に魔物狩りに行こうと思ってまして、俺達三人の防具を見繕って貰おうかと」

「ではそうさせて貰う

それならまずイノの革鎧はどうだ?

ベストタイプで動き易いし、頑丈だしそれなりに在庫があるからすぐに作れる

そうすると小手もイノの小手が良いだろう

ズボンはブルーフロッグのズボン一択だな

水は弾くし動き易いし何より安い

靴もブルーフロッグのロングブーツで良いだろう

嵩張らないから持ち運び易い、森林じゃあ地面が濡れてるとこも多いだろうから、一人三足づつ用意しよう」

「ではそれを全て三人分お願いします

あとブルーフロッグの袈裟とテントもお願いします」

「分かった

袈裟とテントも用意しておこう

それじゃ採寸するからちょっとそこに立ってくれ」


それから三人は採寸して貰い、夕方には出来るそうで、後で屋敷に届けてくれることになった


「次は携帯食料か」

「僕は肉が良いなぁ」

「私は魚が良いわ」

「そんな贅沢言わないでくれ…

まぁとりあえず見て回るか」

「やっぱり大通りの市場は活気があるな

まずは主食のパンだな、数日後には固パンになってしまうが、その時はスープに浸して食べよう

魚介系はニシンの塩漬けとホタテの干物にしよう

肉系はラビットの塩漬け肉にしよう

どっちもスープに入れれば味付けにもなるし

他にハーブとニンニクを買っておけば何かと使えるだろう」


カイル達はその他に細々したものを購入し、その日は三人で村にある大衆食堂で夕飯を済ませた


次の日、三人は朝から荷物の確認を行なっていた


「装備は昨日の夕方に屋敷に届けて貰ったから良し、武器の斧は調査に向いてないから短剣を用意した

こう着替えてみると冒険者って感じがして気合いが入るな

次はと…リュックの中に携帯食料を入れた

他にビッグシーパーの皮で出来ている水袋も持った

野営に備えてウールの紐と鳴子をたくさん持った

袈裟とテントはクルクル丸めてリュックの上に乗せてっと…

では、出発しよう」


それからパージやエル達に挨拶し、森林に向かう

村から出て歩く事約二十分、三人は昨日のベース基地に着いた


「エリサここがベース基地だ

と言っても開けた場所に木を持って来ただけど」

「私も森林に来たのは初めてだし、なんだか緊張するわね」

「まぁ今回は調査だけだから、危なくなったら全力で逃げるだけさ

もしもの時はボーズが盾になってくれるさ」

「エリサ、僕に任せて

エリサだけはちゃんと護るよ

カイルは…自分で何とかしてくれ」


そこから三人は、昨日ゴブリンを見付けた辺りまで移動する

するとゴブリンをすぐに見付けることが出来た


「この前の四匹だよな?」

「多分、見分けが難しいけど…」

「あれがゴブリンね、初めて見たわ」

「ゴブリンが初めてってことは、防衛がちゃんと機能してたってことだから良い事だ」

「小さくてそんなに強そうには見えないけど、あれが何百も居たらちょっとゾッとするわね」

「ああ、だから今回調査するんだ、さて行くぞ!

この前別のゴブリン達が来た方向に行ってみよう」


三人は崖の下のゴブリン達を迂回して進む

すると別の少数ゴブリンの群れを三つほど見付けた


「おそらくあっちの方に群れの本隊がありそうだな」


カイル達は周囲を警戒しながらゆっくりと進み洞窟を見付ける


「あの洞窟、怪しいな

ゴブリン達が出入りしているか、しばらく見張ってみるか」


十分ほど見張ると、ゴブリンの群れが一つまた二つと出て行く


「やっぱりあそこが群れの住処だな」

「カイル、中に入るつもりだね?」

「ああ、ある程度群れの規模を把握したい

おれ達が外で確認しただけでゴブリン二十〜三十匹はいるから、中にはその倍くらいはいる可能性もあるな」

「洞窟なら私の火魔法で明かりが取れると思うわ

ただ三十分が限界ってところね」

「じゃあ十五分ほど進んで、何も成果が得られなくても引き返すことにしよう」

「分かった」

「分かったわ」


洞窟は崖に面しており、入り口は高さ五メートル、横幅が十メートルと横長の入り口だ

カイル達は恐る恐る洞窟に侵入する

中は真っ暗闇で少しヒンヤリしている


「火よッ」


ボッとエリサの掌に火が灯る

拳より少し小さいその炎は周囲を照らす

洞窟内の壁は岩のようでゴツゴツしている

地面はゴブリンに踏み固められたのか、しっかりとした土の地面だ


「どうやらこの道がメインで、小部屋がこの道にいくつも繋がっているようだな」


カイル達は小部屋をいくつか調べる

中には藁が敷かれており、ゴブリンの小さな群れがここで暮らしているようだ

小動物の骨らしき物も所々落ちていて、生活の跡が確認出来る


「ねぇカイル

結構な小部屋がないかい?

これ二十は小部屋があるよね」

「ああ、これ全部にゴブリンが住んでいるようなら百匹近くいるんじゃないか」

「えーと、これ結構マズいわよね?」

「うーん

ここで行き止まりのようなら百匹くらいだね

まぁちょっと想定より大きいけど、うちの村だけで何とかなりそうかな」


メインの道を進む三人

行き止まりかと思ったが、階段のように奥へ続いている道を見付ける

しかしここまでで十五分経過している


「二人とも、そろそろ十五分経つわ」

「分かった、あの奥が気になるけど今日のところはここで引き返すとしようか」


三人は元来た道を引き返すが

途中、ゴブリンの群れが洞窟へ帰ってくる


「カイルやる?」

「いや、ここは小部屋に隠れてやり過ごそう」

「分かったわ、隠れた部屋に入って来ないことだけを祈るわ」


足音がいくつか近付いてくる

カイル達は臨戦態勢を取るが、足音は徐々に遠ざかっていく

そのまま三人は足早に洞窟を後にする


「ふぅ

何とか無事外へ出てこれたようだな」

「カイルこの後はどうする、野営だよね?」

「ああ、少し離れたところまで行って野営しよう」

「私今日はちょっと疲れたわ…」

「すまないエリサ、今日はもう魔法は使わないで大丈夫だから、野営地まで頑張ってくれ」


カイル達が洞窟を離れたその頃


(クンクンクンクン)

巨大な魔物が洞窟をうろつく

「ニンゲンノニオイダ…」

【魔物紹介】

イノ 猪の魔物

特徴:体長五十センチで角はない、ワイルドボアとの見分け方は大きさと角があるかない

毛皮は獣臭が酷いため何度も手洗いしないと革鎧には使えない

たまに畑を荒らしに来る厄介者


ゴブリン ゴブリン種

特徴:体長一メートルで痩せ型、肌は緑色をしていて簡単な思考能力を持っている

ゴブリンからゴブリンメイジ等の亜種へは進化しているのか、そもそも別々で生まれているのか未だ謎となっている

世界どこにでも居て、この世界で人間を一番殺していると言われている

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