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調査隊

【第三部】エンペス村開拓とゴブリン

後書きもお楽しみ下さい

一日一話投稿していきます

兵士達は、日光を遮っている木を優先して切り始める

カイル達は、ベース基地を背にして扇状に索敵を進める


(ピィ〜)

ボーズが指笛を鳴らし、カイルはそれに気付きボーズと合流する

そして二人は小高い崖の上から身を伏せて、下を見下ろす


「カイル」

「ああ、ゴブリンだな

四匹は見えているが他に居るか?」

「多分あの四匹だけで行動してるっぽいよ」

「さてどうしたもんか…」


ゴブリン自体は身長にして約一メートルで、痩せ型のため脅威ではない

何が脅威かというと、まず一つ目として簡単な思考能力を持っていることと

その辺に落ちている石や木を使って攻撃してくるし、背後から忍び寄って襲ってくることもある

二つ目として群れで行動することだ

大きな群れだと数百にもなるし、ゴブリンの上位種であるゴブリンキングがいると、ゴブリン達に指示を出すため厄介この上ない

食用として向かないため、あんまり狩るメリットはないが、人を襲う事も多いためやっつけてしまったほうが良い

ただゴブリンは、この世の魔物で一番人を殺していると言われている魔物だ

どこにでもいて、数の暴力で来られると大の大人でも歯が立たない


「ボーズ、四匹なら倒してしまおうか

それですぐに他の仲間が現れるようなら一回撤退だな」

「分かった

僕は右の二匹をやるからカイルは左を頼んだ」


カイル達は崖から下れるところを見付けて下る

そして左右にに別れて、身を潜めてゴブリンを視界に捉える

ハンドサインでカウントダウンを始めるカイル

三、二、一、ゴッ

ギリギリのところでカイルはハンドサインで「待て」と出す


すんでのところで二人は茂みに戻り、カイルが次のハンドサインを送る

指を二本、自身の両目を指し、その後ゴブリンの奥を二本指で指す

ボーズがその方向に目をやると、その先に別のゴブリンが数匹見える

カイルの取り決め通りボーズとカイルは身を伏せながら撤退する


「ふぅ

危なかった

やっぱりあれは大きな群れの可能性があるな

とりあえずあの群れが、こちらに来ないかだけ注意しておこうか」


その後カイルとボーズは交代で見張りをする

ベース基地の兵士には一応情報を伝えておく

それから夕方まで見張りを続けたが、どうやらゴブリン達はラビットを狩っているようだった


「あのゴブリン達、もうだいぶラビットを狩ったようだがまだ止めないようだね」

「あの数のラビットを必要するって…

これはいよいよ大きな群れなのは間違いなさそうだ」

「どうするカイル」

「今日のところは村に帰ろう

帰ってエルさんや商業ギルドと相談しなきゃだな」


それからベース基地に帰ると、兵士達が何本か木を集めたところだった

カイルは兵士達にゴブリンの群れが居たことを報告し、村へ帰った


村に帰ったカイルは、エルと商業ギルドのパージを屋敷に呼び、森林でのゴブリンについて対応を相談する


「おれとしてはこのまま放っておいて、ゴブリンの群れがこれ以上大きくなるのは危険だと思っています

まずは少数で調査隊を出して、群れの規模を調べるべきだと思います」

「商業ギルドとしても魔物の被害が出るのは避けたい

本来なら冒険者ギルドで調査依頼、それから討伐依頼の難易度を決めるもんだが、ここには冒険者ギルドはねぇからな

カイル達には出来るだけで構わねぇから、調査をお願いしたい」

「エルはどうかしら?」

「それに関しては村を守る身としては、ぜひ調査すべきだと思う

カイルの提案だと調査隊は少数ってことだから、俺も参加したい」


しばし沈黙が続き、カイルが再び口を開く


「分かりました

やはり調査隊を出しましょう

メンバーはおれとボーズとエリサの三人で行きます

あくまで今回は調査が目的なので、エルさんには後方に控えておいて頂いて、おれ達に何かあればその後の指揮を取って頂きたいです」

「しかし!

…カイルがそう言うなら従おう」

「カイルには負担かけちまうが申し訳ねぇ」

「いえいえ、おれは臆病な人間なので、危ないと思ったらすぐに引き返して来るので大丈夫です」

「カイルはその辺の引き際が昔から上手だから、僕も大丈夫だと思います」

「私も二人だけじゃ心配だし、少しでも役に立つなら行くわ」


そうして会議は終わり、二日後に出発することとなった


「泊まりでの調査になるかもしれないから、明日のうちに村で色々準備をしておこう」

「「賛成」」


【建物紹介】

エンペス村商業ギルド

街の中心の交差点にあり、青白いレンガ造りの二階建てで通りに面した側のてっぺんには鐘時計が設置されている

三時間ごとに鐘を鳴らして、村人へ時間を知らせている

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