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【3巻電子書籍発売】王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……  作者: 古里@3巻電子書籍化『王子に婚約破棄されたので義理の兄が激怒して
チエナ王国の王女が邪魔してきました

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お義兄様と帝都にデートに行くと人気カフェで婚約祝をしてくれました

「で、お義兄様は何しに来たの?」

私はいきなりやってきたお義兄様に聞いていた。


「いや、エリが暇なら外に連れて行ってやろうと思って」

「えっ、私、今セッシーと話しているんだけど」

私が迷惑そうに言うと、


「何言っているのよ。私の用はもう済みましたから、どうぞどうぞ、お二人でデートしてきてください」

セッシーがしおらしく言ってくれるんだけど、絶対におかしい!


「ちょっとセッシー!」

「いいのよ。私はお父様の所に行くついでにエリの所に寄っただけだから」

「そうか。悪いな」

「ちょっとお義兄様!」

お兄様が私の代わりに返事してくれるんだけど、絶対に変だ。


「いえいえ、どうぞお二人で楽しんできてください」

セッシーに押し切られて、私はアリスおすすめの庶民服、に着替えさせられた。

水色のワンピースに金の糸で薔薇が刺繍してあるのだ。金のバラなんてないのに……


「レオンハルト様の目の色のワンピースにレオンハルト様の髪の色の薔薇の刺繍があるのが良いんです」

アリスが言ってくれた。

最近水色や青の服がやたら多いのはそう言うことか……やっと判った。


それに対してお義兄様は黒のブラウスに黒のスラックス、挙句の果ては黒のサングラスで、完全にヤクザの若頭って感じなんだけど……

これは黒髪黒目の私の色をつけているってこと?

サングラスはできるだけ可愛いのにしたつもりなんだけど、お義兄様がつけるとどうしても怖い感じになってしまうのだ。


「エリ、今日もきれいだ」

お義兄様が言ってくれて

「そうかな」

私は赤くなった。お義兄様に褒められるのは未だに慣れない。


「お義兄様も、ヤクザの若頭みたいな感じだよ」

「おいおい、何だよそれは。全然褒めていないじゃないか」

私の言葉にお義兄様が少し機嫌を損ねるが、


「だって見た感じがどうしても怖い」

私はお義兄様の文句を肩をすくめて躱した。


まあ、横にいたら、これほど頼りになるお義兄様もいないけど……

一見して怖いのは仕方がないよね。サングラス外したらイケメンになるけれど、流石に第1皇子がサングラスを外して帝都でおでかけするわけにはいかない。



私達は手を繋いで正門を出た。

門番の騎士はお義兄様を見て驚いていたけれど、慌てて敬礼してきた。

「おい、レオンハルト殿下が笑っているぞ」

「絶対に変だ」

騎士達が何か言っているが、お義兄様が睨みつけると慌てて静かになった。

確かにお義兄様の機嫌が良いけれど、変だということはないと思うんだけど……



お義兄様は正門から少し歩いた所にある、屋台に向かってくれたのだ。

「たこ焼き1つ」

そして、前に私が食べたいと言っていたたこ焼きを1つ買ってくれたのだ。


「ありがとう、お義兄様」

私がお礼を言うと、一つ取って私の眼の前に持ってきてくれた。

私が思わずぱくつくと

「熱い!」

たこ焼きは焼き立てで思ったよりも熱かったのだ。

私は口を抑えて悶絶していると


「おい大丈夫か?」

慌てて水をもらってきてくれたる

私がごくごく飲み込む。

「本当に熱かった」

私はホッとした。


「本当に熱いもの食べる時は気をつけろよな」

お義兄様が注意してくれた。

「私の目の前に出すから、食べられると思ってしまって」

「フウフウしてから食べろよ」

がさつなお義兄様に注意されてしまった……


「はい、お義兄様」

私は悔しくなって一つ取ってお義兄様の口の中に入れた。


「本当に熱いな」

そう言いながら平然とお義兄様が食べているんたけど……

何で?


「エリとは鍛え方が違うんだよ」

威張ってお義兄様が言ってくれるが、単に口の中の神経が死んでいるだけじゃない!

と思ったのは秘密だ。


「はい、エリもう一つ」

お義兄様が差し出してくれた。

「フウフウ」

今度は私は必死に冷まして食べた。

「美味しい」

私は前世の日本のたこ焼きを思い出していた。

転生者か誰かが作ったんだろうか。大阪のたこ焼き並みに美味しかったのだ。


「だろ、ここのたこ焼きは美味しいんだ」

お義兄様が自慢してくれた。


たこ焼きをお互いに食べさせ合うと、私達は街の中をぶらぶら歩き出した。

以前歩いたときよりも体とは色々変わっていた。

さすが大陸最大の都市だ。

それにいろんなお店がある。


お義兄様とひやかしながら歩いて、私達はいつものカフェギャオースにたどり着いたのだ。


ギャオースは相変わらず、多くの人が並んでいた。

その最後尾に並びながら、私達は3日後に開催されるお義兄様と私の婚約披露パーティーのことについて話していた。

何しろ帝国の第一皇子の婚約披露パーティーだ。パーティーには周辺各国から多くの王族や、帝国の多くの貴族が参加するとのことで、その従者や護衛も含めて多くの人が帝都を訪れるということで帝都の宿はすべて満員なんだとか。周辺都市の宿泊施設も結構混んでいるらしい。

私にとってはそんな大々的なパーティは開きたくなかったのだが、第1皇子の婚約者披露パーティーだからやらなければいけないとお義父様やお祖父様に押し切られたのだ。


その事を考えると今は憂鬱だけど、まあ、ビッグパフェを食べる時は忘れて思いっきり食べようと思っていたのだ。


いつものようにテーブルに案内されるとオーナーが直々に注文を取りに来た。


「これはこれは。お兄ちゃん。えらくニヤけているじゃないか。なにかいいことあったのかい」

「オーナー、判るか。実はエリとの婚約が決まったんだ」

お義兄様が言わなくてもいいことをバラしてくれたんだけど。


「えっ、それはめでたいな。良かったな兄ちゃん。6年越しの恋が実ったんだ」

オーナーが喜んで言ってくれた。

「ちょっとお義兄様、あまり皆には言わないでよ」

私が少しムッとして注意すると、


「まあまあ、お嬢ちゃんも良かったな。二人共昔からアツアツだったからな。当てつけられて店員ものぼせるやつもいたし。いやあ、決まって良かった」

オーナーが喜んで言ってくれたのだ。


私は真っ赤になった。

でも、熱々って6年前は私は完全にお義兄様はお義兄様という認識しか無かったんだけど……


オーナーがビッグパフェを持ってきた。

「ああ、美味しそう」

私が言ってスプーンに手を伸ばそうとすると


「お嬢ちゃん、少し待って」

そう言うとオーナーが手に持っていたオルゴールを鳴らしてくれた。


「えっ」

パパパパーーンパパパパーーンパパパ

それは結婚行進曲だったんだけど、違うって!

私は思ったが、


パーン

曲が終わるとオーナーがクラッカーを鳴らしてくれて、

「ご婚約おめでとうございます」

大音声で言ってくれた。


「おめでとう!」

「凄い!」

パチパチパチパチ

周りのお客さんが拍手してくれたのだ。


「ありがとう」

お義兄様はそう皆にお礼を言うと、立ち上がってチュッと私の唇を奪ってくれたのだ。


「ヒューーーー」

「キャーーーー」

黄色い声援が上がって私は真っ赤になってしまったのだ。

皆に手を振るお義兄様はとても嬉しそうだったけど、私は真っ赤になって固まってしまった。


最も固まっていたのは、お義兄様がスプーンですくってくれたパフェを口の前まで持ってきてくれたときまでだったけれど。

カフェギャオースのパフェの前に私の恥辱はどこかに飛んで行ってしまったのだ。


いつものごとくパクパク食べさせあいっこした私達だった。


ここまで読んで頂いてありがとうございます。

新作『傭兵バスターズ』

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面白いので是非とも読んで下さい。

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第二部もすぐに始める予定


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私のお話、ここまで読んで頂いて本当にありがとうございます。

次の話

『悪役令嬢に転生させられた地味令嬢ですが、ヒロインの方が強くて虐められているんですけど……』https://ncode.syosetu.com/n7240kb/


この話の

次の作品はこちら

『婚約破棄されたので下剋上することにしました』https://ncode.syosetu.com/n0747ju/


この話が電子書籍化されました

表紙画像
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
上の表紙絵はおだやか先生が可愛いエリーゼを守る格好良いお義兄様を描いて頂きました。
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。
小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。
後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。

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表紙画像

表紙絵はおだやか先生が美しい、お義兄様とエリーゼのキスシーンを描いて頂きました。
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。
反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で…… とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

■【3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
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3巻表紙画像

表紙絵はおだやか先生がエリーゼをお義兄様が抱きあげる美しいシーンを描いて頂きました。
3巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… そのお義兄様から「エリーゼ、どうか結婚してください」と求婚されました。』
こちらの新規書き下ろしは学園に出る幽霊竜退治です。学園時代のお義兄様の幽霊騒動にエリーゼが一緒に冒険します
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。

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ぜひとも手にとって見ていただければ嬉しいです。

この話のスピンオフはこちら


『【なろう500万字達成記念】知らない男から婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの学園を止めさせると叫びだしたんだけど』
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私の最新作はこちら

『男爵令嬢に転生したら実は悪役令嬢でした! 伯爵家の養女になったヒロインよりも悲惨な目にあっているのに断罪なんてお断りです』https://ncode.syosetu.com/n7673jn/


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2023年6月28日全国1200以上の書店にて発売しました。表紙画像は11ちゃんさんです。
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手に取って読んで頂けたら嬉しいです。

なろうの掲載ページ『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/

第一部は書籍化の規約上3分の1残して後は他者視点で繋いでいます
「えっ、ゲームの世界の悪役令嬢に生まれ変わった?」
頭をぶつけた拍子に前世の記憶が戻ってきたフラン、
でも、ケームの中身をほとんど覚えていない!
公爵令嬢で第一王子の婚約者であるフランはゲームの中で聖女を虐めて、サマーパーティーで王子から婚約破棄されるらしい。
しかし、フランはそもそも前世は病弱で、学校にはほとんど通えていなかったので、女たらしの王子の事は諦めて青春を思いっきりエンジョイすることにしたのだった。
しかし、その途端に態度を180度変えて迫ってくる第一王子をうざいと思うフラン。
王子にまとわりつく聖女、
更にもともとアプローチしているが全く無視されている第二王子とシスコンの弟が絡んできて・・・・。
ハッピーエンド目指して書いていくので読んで頂けると幸いです。

私の

2番人気の作品はこちら

『モブですら無いと落胆したら悪役令嬢だった~前世コミュ障引きこもりだった私は今世は素敵な恋がしたい~』https://ncode.syosetu.com/n8311hq/

私の

3番人気の作品はこちら

『皇太子に婚約破棄されましたーでもただでは済ませません!』https://ncode.syosetu.com/n8911gf/

この話の

次の作品はこちら

『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』https://ncode.syosetu.com/n6878ix/


前の前の作品『傭兵バスターズ』元剣聖と悪役令嬢率いる傭兵団の冒険活劇https://ncode.syosetu.com/n3697jc/


この話の

前の作品はこちら

『天使な息子にこの命捧げます』https://ncode.syosetu.com/n9455ip/

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