お義兄様に告白されました
それからも毎日、お義兄様は何らかの食べ物を持って来てくれた。
私も食べ物を前にするとどうしてもお義兄様に甘くなってしまって、部屋に入れてしまうのだ。
出来るだけ自分で食べようとするんだけど、いつもの癖でどうしてもお義兄様と食べさせさせてしまうのだ。
「あっ、エリ、クリームが顔についている」
「えっ、どこに?」
「ここだ」
そう言ってお義兄様が顔を寄せて来て、私はナプキンで取ってくれると思ってそのままでいたら、
チュッ
ってキスして、取ってくれたんだけど……
「ちょっと、お義兄様」
私が文句を言おうとしたその口もお義兄様の口で塞がれたんだけど……
「本当に、お義兄……」
やっと逃れたと思ったら、その私の口の中に今度はクリームの入ったスプーンを放り込んでくれた。
「あの、お義兄様!」
文句を言おうにも他クリームの塊を放り込まれて結局私は何も言えなかったのだ。
「どう思う。絶対に変よね!」
私は遊びに来たセッシーに言うんだけど……
「でも、レオンハルト様があなたを好きなのは昔からだし、判っていなかったのは貴方くらいじゃないの?」
「でも、それはお義兄様としてだし」
「でも、義理の妹にキスしないわよ」
「それは最近よ」
私はムッとして言った。
「今回の東方10ヶ国の制圧戦は、元々あなたのお父様の仇討ちだってレオンハルト様は言っていたそうよ。これが終わればエリーに結婚を申し込むって」
「えっ、そうなの? そんなの聞いていないわよ」
私が言うと、
「この戦いが終わったら言いたいことがあるとか何とかいわれていたんじゃないの」
「そんなことは……」
そう言えば今度帰って来た時にお願いがあるって言われていた。私は大したことじゃないと思っていたのだ。
そうか、お義兄様は私に婚姻を申し込むつもりだったのか……
「ほら、黙り込むって事は何か聞いていたんでしょ。なのに、帰ってきたらエリーが婚約していなくなっていたから、あなたのお義兄様は茫然としたんじゃない。もうやけになったから東方十か国の連合軍に一人で突っ込んでいったんじゃないの?」
「えっ、そうだったの?」
私は驚いた。あれは私のせいなの?
でも、一人で無茶しないって昔約束したのに……
「いい加減にレオンハルト様と結婚することにすれば? だって12年前の約束を守ってくれたんでしょ」
「子供の時の戯言よ」
「ええええ! レオンハルト様、あそこまで真剣なのに!」
そんなこと言われても、今まで考えたことも無かったし……
私はとても戸惑っていたのだ。
「エリ、今日は母上の墓参りに行こう」
「えっ、お母さまの?」
そう言えば帰って来てからも行っていなかった。
だから三年ぶりだった。
お墓は丘の上にあって、帝都を一望できた。
その一番高い所にお義兄様のお母さまの皇后陛下のお墓の前にお父様とお母さまのお墓が並んで立っていた。
私はお母さまにお母さまの願い敵わず、サンタル王国が帝国に併合されてしまった事を話して謝るしかなかった。
その横で真剣にお義兄様が何か祈っていたんだけど。
「何をお祈りしたの?」
「エリとの事だ」
「えっ、私との事?」
私は驚いお義兄様を見た。
「そう、俺は母上に昔、エリを絶対に幸せにすると誓ったんだ。そして、エリの父上の剣聖バージルにも東方十か国を降したら、エリを嫁にすると誓ったんだ」
「えっ」
私は最近お義兄様には色々されているから免疫は出来ているけれど……そんな事を約束していたんだ。
「幸いなことに後ろには俺の実の母もいる。皆俺たちを見てくれている」
そう言うとお義兄様は私を真剣な目で見降ろしてくれたのだ。
「エリ、すまない。もう俺はどんなことをされても絶対にエリを離せない。もし、エリが他の国の王と結婚するとなったら絶対にその国を攻め滅ぼしてしまう自信がある。
許してもらうまで何回でもいう。
だから聞いて欲しい」
そう言うと私の前に跪いてくれたのだ。
ええええ! それって完全に脅迫じゃない!
とも思わないでもなかったが、まあ、お義兄様らしいと言えば言えた。
「エリーゼ・ロザンヌ、どうか私と結婚してください」
そして、私に手をさしのばしてくれたのだ。
「えっ?」
私は戸惑ったのだ。だってイエスって言うまで何度でもいうって言っているし、何か遠くからみんな遠回しに私達を見ているんだけど。ちょっと待って、どう見てもお義兄様は目立つから帝国の第一皇子が地味な女に跪いているのが判るじゃない。こんなこと何回もやられたら、私は帝国の第一皇子を振り続けた女になってしまう。それに、私の横には厳しいと有名なお義兄様のお母さまのお墓まで私を見下ろしているんだけど……
下から見上げるお義兄様の目はとても真摯だった。
私はこんなお義兄様の視線を見るのは初めてだった。それにこんな大衆の前でされたら噂になるのは確実だった。既にサンタルの王子に婚約破棄されて出戻りなのは知られているし、
ここはお父様とお母さまのお墓の前でもあるのだ。ここでの誓いは何物にもまして神聖だった。
それにお義兄様は今まで私に不誠実な事をしてくれたことは無かった。
義理の兄と結婚するというのがネックだったけれど、結婚したからと言って今までの生活がそんなに大きく変わるわけではないのだ。
「お義兄様が私で良ければ」
私は仕方なくお義兄様の手を取った。
「エリ」
その瞬間、私はお義兄様に抱きつかれたのだ。
そして、お義兄様が私を見た。
私が見返す。
私はそのお義兄様に口づけされたのだった。
おしまい
ここまで読んで頂いて有難うございました。
物語はとりあえず、完結です。
お義兄様視点とか、ぼちぼち続けていこうと思います。
続きを書くかどうかはこれから考えます。
ブックマーク、評価等して頂けたら嬉しいです。
新しい話し始めました
『王太子に婚約破棄されて両親を殺した野蛮王に売られそうになった時、白馬の騎士様が助けてくれました』
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すぐ下にリンク張っています。
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