お義兄様視点 レッドは義妹の所に行く為に大聖堂の扉を蹴破ってくれました
俺は取り敢えずそれから三時間仮眠したのだ。さすがに少しは寝ないと不味い。レッドにも休養が必要だった。
三時間経って起きたら、俺は元気になっていた。
俺は伸びをした。
こうしてはいられない。直ぐに、エリの元に行かないと。
俺は朝食を流し込むと、直ぐに立ち上がったのだ。
「もう行かれるのですか?」
騎士達が慌てて、聞いてきた。
「当然だ。エリが心配だからな」
俺は言った。
「でも、エリ様なら、大丈夫だと思いますよ」
「レオンハルト様のパンチを両手受けられるんですから」
「全然問題ないと思いますけど」
「何か言ったか?」
そんな能天気な事を言う、騎士達を俺はジロリと睨み付けたのだ。
「ヒィィィィ」
「申し訳ありません」
騎士達は慌てて、頭を下げてきた。
わかれば良いのだ!
エリは俺らから見たらいつも気丈夫に振る舞っているが、よく泣くのだ。この前も泣かせたところだ。
そのか弱いエリがAAAに捕まっているんだぞ!
あいつら何をしでかすのかわからないのだ。今も泣かされているかもしれない。
俺はいても立ってもいられなかった。
「あれ、兄上、もう帰るの?」
プッツン切れそうな俺の前にマルクスの能天気な声が聞こえた。
こいつは殴ってやろうか?
俺は一瞬そう思った。
「マルクス、お前はエリが心配ではないのか?」
「ええええ! あいつは大丈夫だと思うよ」
マルクスが根拠の無い話をしてくれた。
「お前、俺に殴られたいのか?」
俺がマルクスを睨みつけた。
「いやだな、兄上、冗談だから……本当にエリの事になると凶暴になるんだから……あいつも兄上並みに凶暴だから大丈夫……」
下らないことを言うマルクスに対して剣の柄を掴んだら急に黙ってくれた。
そう、死にたくなければ黙っていることだ。
「それより、何故貴様がここにいる? 各地の制圧に行ったのではないのか?」
俺が氷のように冷たい声で聞くと、
「何を言ってくれるんだよ、兄上。兄上だろう。街道の真ん中にクレーター開けたのは! 掃討戦なら、俺でなくてもいいでしょ。俺は兄上達が壊してくれた、物の修理とか、庶民の生活を元に戻すとか、俺しか出来ない事やってるんだよ! なんだったら兄上がやる?」
「いや、遠慮しておこう。俺がやると、後のものが困るだろう」
俺がそう言うと、
「それもそうだよね」
この弟は本当にむかつく。
思いっきり殴り倒したいところだが、下手に怒らせると後が大変なのだ。俺は我慢することにした。
こいつの機嫌を損ねると、平気で軍糧とかを減らしてくれるのだ。
文句を言うと、「兄上ならその食事の量で出来るでしょ」と平然と言ってくるのだ。本当にやってられない!
本当に自分が少し書類仕事が得意だからって 鼻にかけやがって、と一度切れたら食料を半分に減らされた。騎士たちがブーブー不満だらけになって、それ以来、トマスらからは絶対に弟には逆らわないでくれと頼み込まれているんだけど……絶対におかしいと思うのだ。
しかし、こいつは理路整然と言い訳してくれるのだ。いつも敵を叩き潰した後始末はマルクスにさせてきたから、俺としても強いことは言えない。
本当にムカつく。
「後は任せた。チエナの動向だけが心配だ。監視を怠らないように頼んだぞ」
「国境の2軍団には伝えておくよ」
俺はそれを聞くと手を上げてレッドのいる厩に行ったのだ。
まあ、ここはローレンツとマルクスさえいれば問題ないだろう。
チエナの大軍が出てきても少しの間なら、なんとかしてくれるはずだ。
俺はエリの元に一目散に行くことにした。
レッドは準備をして待っていた。
「レッド、エリのところに行くぞ」
ヒヒーーーーン
人間よりも馬の方が余程素直だ。
レッドは鳴くと、一目散に駆け出してくれた。
「エリ、今行くぞ!」
俺はレッドを駆けたさせたのだ。
エリは初めて会った時から周りから怖れられていた俺に平気で絡んで来た。
怖い物知らずなのか? そう思うことも多々あったが、母親が死んだ時は流石に参ったみたいで、俺に傍で寝てほしいと泣いてきたのだ。そのエリがAAAの奴らに捕まっていると思うと、心配で胸が張り裂けそうだった。
「くっそう! 絶対に許さない」
俺は怒りに震えていた。
今回、こんな事をしてくれたAAAは俺の全力をもって叩き潰してやると心の底から思ったのだ。
俺の怒りが乗り移ったようにレッドのスピードは更に上がった。
途中の中間地点で3時間の仮眠を取った後、俺は更にレッドを加速させた。
なんと、翌夕方には帝都の城門が見えてきたのだ。
俺はそのまま、レッドを走らせた。
帝都に入るとレッドは魔力の感知も出来るみたいで、エリの居場所が判ったみたいだ。
「ヒヒーーーーン」
嘶くと一気に駆け出したのだ。
そして、レッドは巨大な大聖堂を目指して一気に駆けたのだ。
「な、何奴だ」
大聖堂の警備をしている教会騎士達が誰何してきた。
「ええい、退け、抵抗するやつはAAAの手下として処断する」
「で、殿下」
俺の大音声を聞いて騎士たちは這々の体で俺の前から消えた。
「行け! レッド!」
俺は叫ぶと一気にレッドを駆けさせた。
そして、レッドは大聖堂の巨大な扉をそのまま蹴破ってくれたのだ。
ここまで読んで頂いてありがとうございました。
果たしてエリはどうなっているのか?
続きは明朝です。
続きが気になる方はブックマーク、広告の下の評価☆☆☆☆☆を★★★★★して頂けたら嬉しいです(*ᴗ͈ˬᴗ͈)⁾⁾








