友人にお義兄様とのことを色々聞かれて呆れ返られました
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私はその燃え盛る火を見て前世のゲームの記憶を思い出したのだ。
ゲームの中で、エリーゼはサンタルの王子アンドレに相手にされないのに怒って、セリーヌを閉じ込めて燃やそうとするんだけれど、誤って可愛がっている弟を火の中に閉じ込めてしまうのだ。
エリーゼは泣き叫びながら弟を助けるために炎の中に飛び込んで、二人共焼死してしまうのだ。
その前で、肩を寄せながら良かった良かったと言い合うアンドレとセリーヌに、昔はホッとしたのだ。
そのゲームをしていた時は、エリーゼはいい気味だと思ったけれど、実際エリーゼの身になってみたらそれどころでは無かった。
「シス!」
私は泣き叫んでゲームのエリーゼのように、燃え盛る炎の中にシスを探しに飛び込もうとした。
「やめろ! エリ!」
火の中に飛び込もうとした私は、お義兄様に止められた。
「離してよ! お義兄様! あの中にシスがいるのよ」
私が半狂乱で泣き叫んでいる時だ。
「何しているの? 姉上」
後ろからのんびりしたシスの声がしたんだけど……
「えっ、シス、シスじゃない!」
私は後ろを振り返って、そこにいるシスを見つけたのだ。
シスは別に怪我なんて全くしていなかった。
「シス! 良かった、無事で!」
私はシスに抱きついたのだ。
しっかりと抱きしめられたから、シスはお化けなんかじゃなかった。
「どうしたんだ、トマス、お前がついていながら」
お義兄様の声にそちらを見るとサンタルに向かったはずのトマスさんがそこにはいた。
帰ってきたんだ。
「いや、孤児院に来たら、不審なやつがいたので声掛けようとしたら、こちらに向かって走って来やがったんだ。それで障壁を張ったら自爆してくれて、火が建物に燃え移ったんだよ」
トマスさんが教えてくれた。
「お前らしくもない」
お義兄様がそう、切って捨てるんだけど……
「仕方がないだろう。自爆してくるなんて思ってもいなかったんだから。自爆者以外は簡単なやけどだけで済んでいるんだから、良しとしてくれ」
トマスさんが言ってくれた。
お義兄さんがまだブツブツ言っているけれど、私はその話にホッとした。
そうか、トマスさん帰ってきたんだ。
まあ、トマスさん達がいれば安心だ。
私はホッとした。
私はその後、シスと一緒に宮殿に帰った。
お義兄様はそのまま、今回の件を捜査するとの事でその場に残ったのだ。
「姉上、人が一生懸命に孤児院に慰安しに行っているのに、兄上とデートとはいい気なもんだね」
帰る馬車の中でシスが怒りながら嫌味を言ってくれるんだけど。
「デートじゃないわよ。お義兄様は私に迷惑をかけたからって、パフェを奢ってくれただけよ」
私は言い訳した。
兄妹で食べに行くのはデートではないだろう!
私が言うと、
「えっ、そうなの?」
なんかシスがキョトンとしている。
何をキョトンとすることがあるのか疑問だ。
「いや、姉上、デートでないならなんでもないよ」
シスが上機嫌で言うんだけど……何なのだろう?
その日の夜は何度も火事の場面が夢に出てきて、中々安眠できなかった。
寝たと思ったら、シスが焼け死ぬ夢を見るのだ。
その度に飛び起きた。
最後はお義兄様だった。
お義兄様が炎の中で取り残されて助けようとしたら、私のお腹の上に丸太が落ちてきたのだ。
「お義兄様!」
叫んで目を覚ました。
そして、私のお腹の上には、私の叫び声に驚いたセッシーが乗っていたんだけど……
そのセッシーの目と私の目が合った。
「ちょっとセッシー! また私の上に飛び乗ってくれて。お陰でとんでもない夢見たじゃない!」
私がプッツンきれて言うと、
「『お義兄様!』って叫んでいたから、お義兄様にふられる夢でも見たの?」
能天気にセッシーが聞いてくれた。
「違うわよ。お義兄様が焼け死ぬ夢よ。助けようとしたら巨大な丸太が私のお腹の上に倒れてきて、起きたら丸太がセッシーだったのよ」
私がムッとして言うと
「ちょっとエリー、いくらあなたでも私を丸太にするなんて、許されないわよ」
セッシーが文句を言ってくるんだけど。
「そんなの夢の中の事まで知らないわよ。飛び乗ってくるセッシーが悪いんでしょ!」
私は言い返した。
「いつまでも寝ているからでしょ。もう朝の8時よ」
「まだ、朝の8時よ。どこに朝の8時から人の部屋を襲撃してくる令嬢がいるのよ!」
私は着替えるために入ってきたアリスに着替えを任せながら文句を言った。
「だって、昨日の、あなたとレオンハルト様の事が気になったんだもの」
平然とセッシーは言ってくれるんだけど……
「なんでよ! 朝の8時に寝ている人のお腹の上に飛び乗るほどの事なの?」
「そうよ。気になって寝ていられないから、いつもより30分も早く目が覚めたのよ。これでも来るのを我慢していたほうなんだから」
私はセッシーの言葉に頭を押さえた。何を期待してるんだろう?
「別になにもないわよ。最後にシスがテロに遭って、それどころじゃなくなったし」
私が言うと
「聞いたわ。フランシス様。災難だったわね。でも、一軍のトマスさんが守ってくれたんでしょ。近衛は頼りにならないけれど、お義兄様の一軍の騎士たちが守ってくれるなら鬼に金棒じゃない」
「まあ、そうなんだけど、お義兄様がテロかもしれないって」
「AAAでしょ。昔、レオンハルト様のお母様がそのテロで犠牲になったって言う話よね」
「ああ、聞いたことはあるわ」
そうか、昔皇后様のテロを起こしたのがAAAなんだ。私は少し怖くなった。
「その後、徹底的なローラー作戦で、AAAは壊滅したって話だったけれど、最近また、勢力をつけてきたみたいだわ。今騎士団で必死に色々対策しているみたい」
セッシーは解説してくれた。さすが私よりも情報を仕入れるのが早い。
「そうなんだ。お義兄様もそれで、昨日は帰ってきていないのね」
「うちのお兄様も昨日は帰ってこなかったから、今騎士団は対策するので大変なんじゃない」
セッシーも頷いてくれた。
セッシーのエドモンお兄様は帝都の防衛を担う第11軍で、お兄様は中隊長をしているはずだった。
「で、エリー、聞いたわよ。昨日、ギャオスで盛大にレオンハルト様と食べさせ合いしていたんだって」
セッシーが言ってくれた。
「盛大にって意味がよく判らないけれど、お義兄様と普通にビッグパフェを食べただけよ」
私が普通を強調したのに、
「普通に食べて、食べさせ合うことは無いと思うけれど」
セッシーは言ってくれるんだけど、
「えっ、そうかな。普通にお義兄様は食べさせてくれるわよ。私も食べさせてあげるし」
「もう、この二人、何しているんだろ! 店の中がそれを見て阿鼻叫喚になっていたって聞いたけれど……」
「何なのよ。それは?」
私には意味がよく判らなかった。普通にいつものようにお義兄様と食べただけなのに……
「で、その人形、レオンハルト様に買ってもらったのよね」
セッシーは私のうさぎの人形を見て言った。
「よく判ったわね」
「そんなの見たら一目瞭然じゃない。毛の色がレオンハルト様だし、瞳はレオンハルト様の碧眼そのままよね」
さも当たり前のようにセッシーが言ってくるんだけど。
「でも、お義兄様もケチなのよ。私に似た人形もお義兄様に買ったのに、そのお金をくれっていうんだから」
私はセッシーになら愚痴っても良いだろうと思ったのだ。
「そのぬいぐるみは黒い毛で黒目なんでしょ」
「そう、お目々がとてもくりくりしていて可愛かったの」
「良いじゃない。プレゼントの交換なんだから、あなたがお金出すのが当然でしょ」
セッシーが言ってくれるんだけど……交換と言われたらそうだけど……何か少し納得できない。
「二人の色のものを交換するなんて凄いわ。ただ、ぬいぐるみなのがちょっと頂けないけれど。
まあ、お子ちゃまのエリー相手なら仕方がないか」
セッシーが失礼なことを言ってくれるんだけど……
私がムッとしていると
「その後はどうしたのよ?」
「えっ、帝都で一番高い尖塔に登ったのよ。登るのがとても大変で、お義兄様に最後は後ろから押してもらって登ったの」
セッシーの質問に私が答えた。
「まあ、馬鹿とエリーは高いところが好きだもんね」
「ちょっと、セッシーじゃないんだから、馬鹿とは何よ。今の所修正してよね」
私が文句を言うと、
「あなたも高いところ好きでしょ」
そう言われると反論できなかった。
「で、夕日の塔の上でどうされたの?」
「周りの景色見ただけよ」
「それだけなの? なにかされなかった?」
セッシーが更に目を見開いて聞いてきた。
「うーん、何かって……そう言えばお義兄様がいきなり跪いてくれたの」
私はなぜそうしたか判らなかったけれど、それくらいしか思いつかなかった。
「そう、やっとレオンハルト様も言ったのね」
期待に満ちた目でセッシーは私を見るんだけど、
「何を言うのよ? それは名前を呼ばれたけれど」
「素敵!」
なんかセッシーの目が感動に潤んでいるんだけど、そこ感動するところなの?
「で、どうなったのよ。焦らさないでよ」
「どうなったって、弟がテロに襲われたって聞いたからすぐに階段を降りて向かったのよ」
「ええええ!」
私の声にセッシーがブーイングするんだけど。なんで?
「そこまでいったのに、なんてタイミングの悪い。レオンハルト様も本当に運が悪いわね」
なんかセッシーが理由のわからないことを言ってくれるんだけど、何が言いたいのか全然私には判らなかったのだ。
ここまで読んで頂いて有難うございました。
パーテイーに向けて話は進んでいきます。
エリーの身はどうなる?
お義兄様との仲は?
続きは明日です








